日銀の金融緩和修正による実質利上げや、それに伴う大手銀行の10年固定型、住宅金融支援機構のフラット35などの住宅ローン金利が軒並み上昇傾向にあり、住宅ローンを取り巻く環境が大きく変わりつつあります。
金利の将来が不透明な現代において、まさにこれから住宅購入を検討している方々は住宅ローンについてどのような考えを持っているのでしょうか。
今回は一般の方々への調査を通して、「住宅ローン金利」に関するお悩みや実態をレポートいたします。
「住宅ローン金利」 についての調査結果内訳
まずは、「住宅ローン頭金」の設定金額について調査しました。
Q1. 住宅ローンの頭金(対物件価格比率)はいくらを想定していますか?
- 頭金無し 25.0%
- 頭金1割未満 17.1%
- 頭金1割台 23.8%
- 頭金2割台 17.1%
- 頭金3割台 10.4%
- 頭金4割台 2.1%
- 頭金5割以上 4.6%
最多の得票は「頭金無し」の25.0%となりました。一方で、頭金の相場は住宅価格の2割以下と言われる中、2割以上の頭金を想定される方が合計34.2%もいることから、コロナ禍や金利変動の影響により頭金をより多く確保する方が多い可能性も考えられます。
続いて、「どの金利タイプを選ぶか」をお伺いしました。
Q2. 金利タイプはなにを選びますか?
- 固定金利 50.8%
- 変動金利 39.2%
- 固定金利期間選択型 9.2%
- その他 0.8%
近年では一般的に金利が低い「変動金利」の方が「固定金利」よりも人気があると言われていますが、今回の調査で最も票を集めたのは「固定金利」で過半数の50.8%を占めました。続いておよそ10ポイントの差をつけて「変動金利」39.2%。「固定金利期間選択型」を選んだ方は9.2%となりました。
将来の見通しが不安定なことから、多少金利が高く設定されていても現在の家計状況で確実に返済できる全期間固定を選択している方が増加していると考えられます。
また、この「金利タイプの設問」について、回答者が検討している「物件の価格別」に分けると以下のような結果となりました。
物件の価格別
物件の価格別では、物件価格が下がるほど「変動金利」より「固定金利」を選ぶ方が多くなる、という分かりやすい数字の変化が見て取れました。
変動か固定かを選ぶ基準としては、金利上昇のリスクに対応することができるかどうか、というのが重要なポイントとなりますが、より高い物件を選ぶ方のほうがいざという時の自己資金の蓄えが多いため金利が低い「変動金利」タイプを選択しているのかもしれません。
次に、最近の「金利上昇に関するニュースによる影響度」について調査いたしました。
Q3. 金利タイプを選ぶ判断基準として、最近の金利上昇に関するニュースがどれくらい影響しますか?
- 大きく影響する 40.4%
- 影響する 38.8%
- 少し影響する 15.8%
- 影響はない 5.0%
合計95%が「金利上昇のニュース」に少なからず影響を受けているという結果となりました。中でも、「大きく影響する」を選ぶ方が最も多くおよそ4割の得票となりました。
続いて、金利上昇のニュースによる「購入意欲の変化」についての質問です。
Q4. 最近の金利上昇に関するニュースにより購入意欲に変化はありますか?
- 下がった 51.3%
- 変わらない 45.8%
- 上がった 2.9%
最多得票は過半数となった「購入意欲が下がった」の51.3%。変わらない方も4割を超えたが、購入意欲は抑制されている状況がみられました。
最後に、住宅ローン借り入れで不安に思っていることについてお伺いしました。結果をランキング形式で紹介いたします。
Q5. 住宅ローン借り入れにおいて不安に思っていることはなんですか?
- 将来的な住宅ローンの支払い 51.7%
- 将来的な金利の上昇 44.2%
- 適切な返済プランの立案 35.4%
- 住宅ローンの審査 29.6%
- 金融機関・金融商品の選定 26.3%
- 将来的なマイホームの資産価値 25.8%
- 不安はない 1.3%
- その他(フリーアンサー) 0.4%
唯一過半数だったのは「将来的な住宅ローンの支払い」の51.7%でトップ。続いて「将来的な金利の上昇」44.2%が2位となりました。
やはり、金利上昇によるローン支払いへの不安が増加している様子がみえました。
まとめ
今回の調査では世界情勢・日本経済の不透明感がある中で、「住宅ローン金利」について調査いたしました。
特に金利タイプの調査では半数以上が固定金利を選択している結果となり、より金利上昇リスクへの関心が高まっていることが分かる結果となりました。
これから住宅ローンを活用して住宅の購入を考えている方は、今回の調査も参考にしていただき、ご自身に合った長期的な目線でのプラン建てをじっくり行っていただければと思います。
調査方法: インターネット自社調査
調査対象: 20代以上で住宅ローンを活用し住宅購入を検討されている方 240名
調査期間: 2023年1月31日~2023年2月14日
当記事およびイラストの著作権は株式会社FLIEに帰属しますが、以下の利用条件を満たす方はご自由にデータを活用いただけます。なお、データご活用の旨ご一報をいただけますと幸いです。
◆当社が出典元である旨として以下クレジット明記をお願いいたします
クレジット: 「フリエ住まい総研」
◆「フリエ住まい総研」へのリンク掲載をお願いいたします(媒体特性により難しい場合はその限りではありません)
フリエ住まい総研URL: https://flie.jp/magazine/category/features/research/