新生活シーズンが訪れ、楽しみな反面、不安に感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。住まいや暮らしに関する様々な“気になるコト”を調査するフリエ住まい総研が以前実施した「新居探しに関するアンケート調査」では、不安に感じる要素として一番割合の高かった項目が「近隣住民とのトラブル」でした。
そこで、今回は実際にどのような「ご近所トラブル」が存在するのか、20歳以上で引っ越し経験のある方542名を対象にその実態を調査しました。
調査結果内訳
まずは、ご自身の住宅でのご近所トラブル経験についてお伺いしました。
<Q1. ご自身の住宅でご近所トラブルを経験したことはありますか。(複数回答)>

・はい 62.2%
・いいえ 37.8%
過半数を超える62.2%の方が、これまでにご近所トラブルを経験したことがあると回答しました。
また、「戸建て住宅」「集合住宅」それぞれの回答結果を分けて見ても、ご近所トラブルの経験率においてほぼ差は見受けられませんでした。
次に、「はい」と答えたご近所トラブルを経験した方に向けて、どのような内容のトラブルであったかをお伺いしました。
<Q2. どのようなご近所トラブルを経験しましたか。(複数回答可)>

※Q1で「はい」と答えた方のみ回答
・騒音のトラブル 65.9%
・ゴミ出しのトラブル 22.1%
・駐車場/駐輪場のトラブル 17.0%
・異臭のトラブル 15.5%
・ペットのトラブル 14.2%
・住民の境界線トラブル 12.0%
・庭/植木のトラブル 11.4%
・プライバシーへの干渉 9.5%
・その他 8.5%
トラブルの内容についてはゴミ出し・駐車場駐輪場・異臭など…様々な要因に分散して票が集まりましたが、唯一圧倒的な得票となったのは「騒音のトラブル」65.9%でした。
この結果を踏まえて、具体的にどのようなトラブルがあったのか、これまでに経験した「困った隣人エピソード」についてお伺いしました。
<Q3. 困った隣人のエピソードがあれば教えてください。>
騒音のトラブル
・隣に住む60代ぐらいの女性が、狭い部屋の中でエアロビクスをするらしく、ドッタンバッタンとてもうるさかったです。(60代以上 戸建て 購入物件)
・毎日午後10時前後に恐らく高校生の娘さんがカラオケのように大声で歌い出す。(30代 集合住宅 賃貸物件)
・分譲賃貸だったせいか、いつの間にか隣が民泊を始めており、外国人が10人以上の大騒ぎパーティーで警察沙汰になったことがあります。(40代 戸建て 購入物件)
■ゴミのトラブル
・ゴミを外で燃やす(30代 戸建て 購入物件)
・人の畑にゴミを埋める(30代 戸建て 購入物件)
■駐車場のトラブル
・駐車場がお隣の方から「車幅をこっちに寄せすぎ!こっちは大型車で迷惑!いい加減にして!」という感情丸出しのクレームの置き手紙(段ボールに手書きのマジック書き)を車に置かれた。(40代 集合住宅 購入物件)
■異臭のトラブル
・外で魚を捌き、生臭い臭いがした。窓を開けて大きな声で歌っていた。(20代 戸建て 購入物件)
・隣の住民がベランダで頻繁にタバコを吸うので洗濯物に臭いがつく(20代 集合住宅 賃貸物件)
・お隣にお引越しされてきた方が、外国籍の方で夜になると海外と特有の少し甘い柔軟剤の香りが部屋まで入ってきており、とても困っています。また、言語も英語が喋れないため伝えることができません。(20代 戸建て 購入物件)
■プライバシーへの干渉
・換気扇の近くで電話していたのですが、お隣さんが外の排気口の前にずっと立ち、人の会話を聞き耳立てて聞かれていたことです。(30代 戸建て 購入物件)
・何時に出かけ何時に戻ってきたか等を日々観察し、逐一どこに行っていたのか確認してくる(30代 戸建て 購入物件)
■ペットのトラブル
・ペット禁止のマンションに住んでいた時猫を飼っている人がいてベランダ伝いに歩いてきて部屋に入ってきた。管理会社に言ったが改善されなかった。(60代以上 戸建て 購入物件)
■その他
・お金を貸してほしいと言われたことがある(30代 集合住宅 賃貸物件)
・自分に家の除雪した雪をうちの敷地内に捨てる(50代 戸建て 購入物件)
・監視し、事実と異なるストーリーを仕立てて、ご近所に噂話を広める(60代 戸建て 購入物件)
身近にありがちなトラブルから、信じられないようなエピソードなど、多種多様なコメントが集まりました。
続いて、トラブルが発生した際の対応についてお伺いしました。
<Q4. トラブルが発生した際にどのような対応をしましたか。>

※Q1で「はい」と答えた方のみ回答
・管理会社や自治体等へ相談 36.9%
・何も対応していない 30.3%
・直接住人へ問い合わせた 20.2%
・警察の窓口へ相談 6.0%
・その他 4.7%
・役所の窓口へ相談 1.3%
・弁護士へ相談 0.9%
管理会社や自治体への相談が1位(36.9%)であるものの、続く2位(30.3%)は何も対応していないという結果に。実際に対応するにはハードルを感じる方が多い、繊細な問題であることが分かります。
次に、過去にご近所トラブルを経験した方に、そのトラブルがきっかけで引っ越しをしたかどうかお伺いしました。
<Q5. そのトラブルがきっかけで引っ越しをしましたか。>

※Q1で「はい」と答えた方のみ回答
・はい 17.7%
・いいえ 82.3%
住宅は大きな買い物であり、多大な環境の変化を伴うだけあり、トラブルがきっかけで引っ越しをする方はそう多くないという結果でした。
続いて、もし引っ越しの際に隣人をリサーチするようなサービスが存在したら使ってみたいか、という調査を実施しました。
<Q6. 隣人にどんな人が住んでいるか事前に分かるサービスがあれば使いたいですか>

・はい 93.0%
・いいえ 7.0%
9割以上がサービスを利用したいと回答。新しい環境を始めるにあたり、隣人リサーチは非常に関心度が高いことが分かります。
この結果をふまえて、どれくらいの価格帯までならそのサービスを利用したいかについてお伺いしました。
<Q7. どれくらいの価格帯までならそのサービスを利用したいですか。>

※Q6で「はい」を選択された方のみ回答
・千円~5千円未満 67.5%
・5千円~1万円未満 24.8%
・1万円~3万円未満 6.5%
・3万円~5万円未満 0.8%
・5万円~10万円未満 0.2%
・それ以上 0.2%
サービス利用における金額に関して、5千円未満が最も多い回答であるものの、1万円以上の価格を出してでも知っておきたい、という方も一定数いらっしゃる結果に。
まとめ
今回の調査では、新しい生活が始まるこの時期に「ご近所トラブル」の実態を紹介しました。
実際にご近所トラブルを経験した方は過半数の6割以上という一方で、その対策を「何もしていない」という方が3割以上という結果となり、対策の難しい問題であることが改めて分かりました。また、「困ったエピソード」では目を疑うようなコメントもたくさん集まりました。
実際に問題が起きた際の対策も踏まえて、ぜひ本調査を参考にしていただければと思います。
調査概要
調査方法: インターネット自社調査
調査対象: 20歳以上で引っ越し経験のある方 542名
調査時期: 2025年3月
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