築年数の経過とともに、住宅の内装や設備は劣化していくのが一般的です。とくに、建具の老朽化が進むと、見た目が悪くなるだけでなく生活もしづらくなります。
建物の腐食にも繋がるため、老朽化が進んだ建具はリフォームやリノベーションすることが大切です。近年では、室内ドアの種類を変更するリノベーションも盛んに行われているため、候補の一つとして検討してみると良いでしょう。
そこで今回は、リノベーション可能な建具の種類やおしゃれにするコツ・主な素材をご紹介していきます。建具の種類や特徴を知り、快適な自宅をつくっていきましょう。
1. リノベーションできる建具の種類
まず、リノベーション可能な建具の種類をご紹介していきます。建具は主に、開き戸・引き戸・折れ戸・吊り下げ戸の4種類です。
それぞれの特徴を事前に把握しておけば、実際に工事するときも失敗を恐れずに進められるでしょう。
1-1. 開き戸
片側前後に開くのが「開き戸」です。日本家屋でよく見るタイプで、片開きするパターンと両開きするパターンがあります。
開き戸を設置するメリットはデザインの種類が多く、インテリアに馴染みやすいことです。省スペースで設置できるため、狭いリビングや寝室にも取り付けられます。
1-2. 引き戸
レールの上に設置した戸を左右にスライドさせて開閉するタイプが「引き戸」です。片引きタイプや引違タイプ・引分タイプなどさまざまなものがあります。
スライドさせるためにはある程度の広さが必要ですが、扉を開けっぱなしにすることも可能です。部屋の使い方も広がるため、あらゆる場面で活躍してくれるでしょう。
1-3. 折れ戸
折れ戸は、蝶番に繋がれた二枚一組の扉を畳むことで開け閉めするタイプの建具です。開閉にそれほどスペースを取らないため、開口を広げられる特徴があります。
代表的な種類として挙げられるのは、両折れ戸や中折れ戸などです。両折れ戸は中央から左右に畳むことで、中折れ戸は扉の一部が折れることで開閉できます。
1-4. 吊り下げ戸
吊り下げ戸とは、部屋の上枠にレールなどを取り付けて戸を吊り下げるタイプの扉です。横に引いて開け閉めするため、部屋の広さや奥行きを感じられます。
レールに溝がないのも特徴で、開けっぱなしにすると壁と一体化します。スッキリ収まるため、間仕切りを固定したくない場合やバリアフリーを求められる空間には最適です。
2. おしゃれな建具にするコツ
続いて、おしゃれな建具を設置するコツをご紹介していきます。建具のリフォームやリノベーションを検討する際は、以下の注意点を押さえておくと良いでしょう。
2-1. 部屋のアクセントとして考える
建具は部屋の出入り口と考えられがちです。そのため、安さを重視される傾向にあります。
もちろん、安さも大切ですが、インテリア性や性能を考慮しないと、設置後に後悔してしまうでしょう。建具を修繕したり設置し直したりする際は、部屋のアクセントとして目立たせることをおすすめします。
2-2. 部屋全体の統一感を出す
パーツ・素材・色にこだわって部屋全体に統一感を出すことも重要です。家の中にはさまざまな建具があります。
それら全てを同じ色味やデザインにすることは困難でも、一部を統一することは可能です。商品を選ぶ際は部屋全体のテーマを決め、それらに合わせて色やデザインを決めましょう。
2-3. 変更する場所を絞る
リフォームやリノベーションには多額の費用がかかります。予算が少ない場合は、修繕や変更をする場所を決めておくことが大切です。
ドア本体と撤去費用・取付費用などで1箇所10万円前後が目安となるため、優先する場所を決めておきましょう。特に、優先すべき場所はトイレやリビングなど目立つ場所です。
2-4. 素材の特徴を把握する
おしゃれな建具にするためには、素材の特徴を把握しておくことも大切です。建具の素材には、木製やガラス製などさまざまなものがあります。
使用する素材によって、仕上がりの雰囲気が大きく異なるため、完成イメージを具体的に思い描いておくと良いでしょう。
2-5. 配色バランスを意識する
建具のリフォームやリノベーションでは、配色バランスを意識することも重要でしょう。インテリアコーディネートで覚えておく配色のバランスは、ベースカラー70%・アソートカラー25%・アクセントカラー5%です。
建具はベースカラーまたはアクセントカラーに入るため、コーディネートの仕方を意識して配色することをおすすめします。
3. おしゃれな建具の素材
最後に、建具の素材をご紹介していきます。つくりたい雰囲気によって適切な素材は異なるため、商品を選ぶ前にそれぞれの特徴を確認しておきましょう。
3-1. ガラス製
おしゃれな建具として、まず挙げられるのは「ガラス製の扉」です。高級感を演出できる他、広々とした空間をつくれるメリットがあります。
透明なものだけでなく、アンティーク調やカスミ調・チェッカー調などデザインも多種多様です。好みに合わせて、理想的な空間を演出していきましょう。
3-2. 木製
建具の代表的な素材として挙げられる「木製」は、温かみのある空間がつくれます。木特有の柔らかい肌触りを感じられるため、優しい空間になることでしょう。
特に、天然の木からそのまま切り出した無垢材は、湿度を調整してくれる効果があります。室内を快適な空間にしてくれるため、夏は涼しく・冬は暖かい環境がつくれるでしょう。
3-3. 鋳物製
室内建具ではなく、門扉やフェンスといった外構建具の変更をしたいなら、鋳物製の建具がおすすめです。アンティークな雰囲気が漂うため、独特なデザインが楽しめます。
外観の印象にこだわりたい方は、建具に鋳物製のものを採用してみると良いでしょう。住宅の個性も出てくるため、周囲とひと味違うオリジナルの家に仕上がるはずです。
3-4. アルミ製
アルミ製の建具は、材質の軽さと安価さが特徴です。気軽に取り入れやすいため、住宅の建具として人気があります。
また、色褪せや変色に強いため、直射日光が当たるような箇所にも設置しやすいでしょう。他にも、メンテナンス性が高く、汚れを拭くだけで汚れが落ちる特徴もあります。
長持ちするため、ランニングコストも安く収まるでしょう。
3-5. 樹脂製
プラスチックが使用される樹脂製の建具は、浴室に設置されることがほとんどです。断熱性が優れているため、結露が起きにくい特徴があります。
カビも防止できるため、清潔な室内が保たれるでしょう。カラーバリエーションも豊富で、空間の雰囲気に合わせてお好きなデザインを選べます。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、建具の種類やおしゃれに設置するコツ・代表的な素材をご紹介していきました。建具の種類には、開き戸・引き戸・折れ戸・吊り下げ戸があります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルに合わせて適切なタイプを選びましょう。また、建具の素材にはガラス製や木製・樹脂製などさまざまなものがあります。
使用する素材によって仕上がりの雰囲気が変わるため、慎重に選ぶようにしましょう。建具を設置する際は、配色バランスや完成イメージを考慮することも重要になってくるため、バランスを崩さないようにしっかりと計画していくことが大切です。