家の快適さを高めたい場合は、断熱リフォームがおすすめです。特に築年数が古い住宅は、断熱が行き届いていないことが多く、冬は寒くて夏は暑い空間になってしまいます。
より過ごしやすい住宅にするには、どのようなリフォームが有効でしょうか。そこで今回は、おすすめの断熱リフォームや費用相場・料金を抑える方法・成功させるためのポイントなどをご紹介していきます。
自宅の断熱リフォームを検討している方はもちろん、家の快適性を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。
1. 断熱リフォームの費用相場
断熱リフォームといっても、その方法はさまざまです。家の断熱を高めるために行うリフォームの箇所は床・壁・天井・窓などですが、それぞれ費用が異なります。
事前に費用の目安を把握しておくと、工事内容を選びやすくなるため、以下でリフォーム箇所別の相場を見ていきましょう。
1-1. 床の断熱リフォーム費用
床の断熱リフォームは、解体を伴わなければ20万円〜30万円ほどで可能です。床下に潜り込める場合は解体不要ですが、床の張り替えを行う場合は床の解体撤去や再仕上げ工事を伴います。
床の張り替え工事と断熱工事を同時に行う際は、80万円〜120万円ほどの費用が必要です。
1-2. 壁の断熱リフォーム費用
壁の断熱リフォームは、壁を解体する必要があるため工事が大掛かりになりがちです。延床面積120㎡の家で壁断熱をする場合、費用相場は壁の解体撤去費用と再仕上げ費用を含めて100万円〜150万円ほど掛かります。
工事内容にこだわり過ぎると高額な出費になってしまうため、条件に優先順位を付けておくと良いでしょう。
1-3. 天井の断熱リフォーム費用
天井を断熱すると、エアコンの熱が天井から逃げていくのを抑えられます。暖房の熱が外部に逃げにくくなる他、夏場の熱気を室内に伝えにくくしてくれるでしょう。
天井の解体を伴うかどうかで費用が変わってくるため、予算を抑えたい方は解体しないリフォームを検討することをおすすめします。解体を伴わない天井リフォームの相場は、7万円~20万円ほどです。
1-4. 窓の断熱リフォーム費用
家の断熱性を高めるためには、窓の張り替えやコーティングなども必要不可欠です。単板ガラスを複層ガラスに貼り替えたり内窓を設置したりする方法が有効となっているため、予算に合わせて採用してみましょう。
カバー工法によるサッシ交換の費用相場は、材料・工事費込みで、腰高窓が20万円~30万円ほど、掃き出し窓が30万円~40万円ほどです。
1-5. 家全体の断熱リフォーム費用
家全体の断熱リフォームは、間取りを含めた大規模工事を伴うケースがほとんどです。工期が長引く可能性が高いため、仮住まいを検討する必要もあるでしょう。
※ 参考記事: 「リフォームの期間はどのくらい?工期が延びる原因やポイントを解説!」
家の広さや工事内容によって相場は異なりますが、延床面積120㎡の場合だと250万円〜300万円は覚悟しておく必要があります。
2. 断熱リフォームの費用を抑える方法
断熱リフォームは高額な費用が掛かるため、出費を抑えるためには以下の方法を試すことをおすすめします。何も考えずに大胆な変更をしてしまうと、リフォーム後の生活を圧迫する可能性があるため注意しましょう。
2-1. 解決したい目的をハッキリさせる
断熱リフォームにはたくさんの種類があります。何もかも詰め込んでしまうと高額な費用が発生してしまうため、リフォームで解決したい目的をハッキリさせることが重要です。
リフォーム内容を決める前に、現状で困っていることを洗い出してみましょう。どのような暮らしをしたいかが分かると、しなければならないリフォーム内容が絞れます。
2-2. 内外装のリフォームを同時にする
断熱リフォームを検討する際は、内装だけでなく外装もリフォームの必要があるかどうか考えましょう。工事を同じタイミングに行うことで、費用を大幅に削減できます。
リフォームをする際は修繕や補修の必要がないか、家全体を見直すことが大切です。特に壁や天井の撤去には費用が掛かるため、同じタイミングで行うことをおすすめします。
2-3. 補助金を活用する
国や自治体の補助金制度を利用するのも、断熱リフォームの費用を抑える手段の一つです。「こどもエコすまい支援事業」や「次世代省エネ建材の実証支援事業」などさまざまな制度が用意されています。
要件を満たしていれば、対象経費の3分の1あるいは半額が補助金として支給されるため、工事費用の大幅な削減が可能です。
2-4. 効率の良い施工方法を選択する
リフォーム費用を抑えたいなら、効率の良い施工方法を検討する必要もあります。床・壁・天井の一部を重点的に断熱施工するのか、満遍なく施工するのかは建物の状態によって異なるため、慎重に検討するようにしましょう。
効率の良い施工方法を選択するためには、知識のある業者に依頼することも重要です。
2-5. 予算を先に決める
予算をあらかじめ設定しておくのも、リフォーム費用を安く抑えるポイントです。目標の金額とこれ以上は使えない金額の2種類を決めておくと、スムーズに工事内容を決められます。
資金計画の立て方によっては、その後の生活が苦しくなってしまう可能性もあるため、慎重に決めるようにしましょう。
3. 断熱リフォームを成功させるためのポイント
最後に、断熱リフォームを成功させるために注意したいポイントを4つご紹介していきます。施工後に失敗したと後悔することがないように、以下の注意点を押さえておきましょう。
3-1. 信頼できる業者を探す
断熱リフォームを成功させるためには、信頼できる業者に依頼することが大切です。断熱工事に慣れた会社を選ぶことで、安心して工事を任せられます。
リフォームを依頼する際は、事前にホームページなどで実績や施工事例を確認しておくと安心です。条件を整理しておくと、工事内容もすぐに決められます。
3-2. 気密性にこだわる
断熱リフォームでは、気密性にこだわることも重要です。室内の気密性が上がると、夏場は涼しく、冬場は暖かい空間が維持できます。
防音対策もできるため、気密性を高める工事を積極的に検討してみましょう。
3-3. 結露対策を行う
断熱工事で建物の気密性が上がってしまうと、湿気がこもりやすくなってしまいます。その結果、結露が生じやすくなるため、結露対策も同時に行なっておくと良いでしょう。
窓や壁に結露防止のコーティングをするなど入念な対策が必要です。
3-4. 優先順位を決める
リフォームを成功させるためには、条件を整理するだけでなく優先順位も把握しておく必要があります。問題点を洗い出し、何が必要なのか把握しておくと良いでしょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、断熱リフォームの費用相場や安く抑える方法・工事を成功させるためのポイントをご紹介してきました。住宅の断熱性を上げるためには、床・壁・天井・窓などの工事が必要です。
規模やクオリティによって相場が異なるため、事前に条件を整理しておくことをおすすめします。工事を成功させるためには、信頼できる業者を探す他、結露対策を行うのが最適です。
条件に優先順位を付けておくと、比較的スムーズに工事内容を決められます。
FLIEでは、断熱リフォームのメリットや工事の優先順位についても他の記事で紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
※ 参考記事: 「断熱リフォームとは?自宅で行うメリットや工事の種類をご紹介!」