おしゃれなインテリアとして人気の「ギャッベ」。その温かみのある魅力に惹かれる一方、価格を見て購入をためらう方も多いのではないでしょうか。「なぜこんなに高いの?」「失敗しない選び方は?」そんな疑問を抱えていませんか?
ギャッベの価格には、その歴史と製法に裏付けられた確かな理由があります。正しい知識を持てば、それは単なる敷物ではなく、暮らしを豊かにする「一生もの」となり得ます。
1. ギャッベとは?人を惹きつける3つの魅力


まず、ギャッベが単なる絨毯ではない理由、その本質的な魅力について簡潔にご紹介します。
1-1. 世界に一枚だけの「手織りの芸術品」
ギャッベは、イランの遊牧民の女性たちがデザイン図なしで織り上げる手織り絨毯です。日々の暮らしの風景や家族への願いを即興で織り込むため、すべてのギャッベは世界に一枚しか存在しない一点もの。機械織りにはない、作り手の温もりが宿る芸術品です。
1-2. ウールが持つ驚きの「機能性」
ギャッベの素材である上質なウールは、驚くほど高機能です。湿気を調整する効果で夏はサラッと涼しく、冬は空気を含んで暖かいため、一年中快適に使用できます。また、ウールに含まれる油分が汚れを弾くため、お手入れが簡単なのも大きな魅力です。
1-3. 使うほどに深まる「育てる絨毯」
化学繊維のラグとは違い、ギャッベは使い込むほどに繊維が馴染んで柔らかくなり、美しい艶が生まれます。草木染めの色合いも時間と共に深みを増し、家族と共に歴史を刻む「育てる絨毯」として、長くその変化を楽しむことができます。
2. なぜギャッベは高い?価格の理由と相場


ギャッベが高価になるのには明確な理由があります。その背景と価格相場を知ることで、価値に納得できるはずです。
2-1. 価格を左右する4つの要素
ギャッベの価格は、主に以下の4つの要素で決まります。
- 良質な天然素材: 厳しい環境で育った羊の上質なウールと、草木染めの天然染料。
- 膨大な手仕事: デザインから糸紡ぎ、染色、織りまで、全て手作業で行われるため、完成までに数ヶ月以上を要します。
- 織りの細かさ: 織りが細かく繊細な柄ほど、製作に時間がかかり高価になります。
- 産地と輸入経路: 伝統的な本場イラン(ペルシャ)産は高価で、日本に届くまでの流通コストも影響します。
2-2.【産地別】ペルシャ産とインド産の違い
- ペルシャ(イラン)産: 伝統的な手織り技術で作られ、品質が非常に高い一点もの。高価ですが、本物の風合いと耐久性を求める方におすすめです。
- インド産: ペルシャギャッベを参考に生産され、比較的リーズナブル。品質も安定しており「まずはギャッベを試したい」という初心者の方に最適です。
2-3.【サイズ・品質別】ギャッベの価格相場一覧
| サイズ(目安) | 用途 | インド産(目安) | ペルシャ産(目安) |
| 約40×40cm | チェアマット | 3,000円~ | 15,000円~ |
| 約60×90cm | 玄関マット | 10,000円~ | 30,000円~ |
| 約150×200cm | リビング | 50,000円~ | 250,000円~ |
| 約170×240cm | リビング・ダイニング | 70,000円~ | 400,000円~ |
3. 後悔しない!ギャッベを選ぶための5つのポイント
一点ものであるギャッベの中から「運命の一枚」を見つけるための、5つの実践的なポイントをご紹介します。
3-1. ポイント①:部屋に合わせたサイズ選び
敷きたい場所のサイズを測り、どう使うかをイメージしましょう。ソファ前ならソファの幅より少し大きめが好バランスです。絨毯は「お店で見ると大きく、家に敷くと小さく感じる」傾向があるため、少し大きめを選ぶのが失敗しないコツです。
3-2. ポイント②:織りの細かさと風合い
織りが粗いものは素朴で温かい雰囲気、細かいものは繊細で芸術的な印象になります。耐久性にも影響しますが、どちらが良いというわけではありません。ご自身の好みの風合いを大切にしましょう。
3-3. ポイント③:心惹かれる色と柄(デザイン)
ギャッベの柄には「生命の樹(長寿・健康)」など、様々な願いが込められています。しかし最も大切なのは、あなたの心が「好き」と感じるかどうかです。理屈ではなく直感を信じることが、長く愛せる一枚と出会う秘訣です。
3-4. ポイント④:肌触りと踏み心地の確認
できれば実店舗で、実際に素足で踏んだり、手で触れたりして質感を確認しましょう。写真だけでは分からない心地よさを体感することが、納得のいく買い物につながります。
3-5. ポイント⑤:信頼できるお店での購入
ギャッベは高価な買い物です。専門知識が豊富で、品質や背景を丁寧に説明してくれる信頼できるお店を選びましょう。購入後のメンテナンスについて相談できるかも重要です。
4. ギャッベを長く使うためのお手入れ方法


ギャッベは驚くほどメンテナンスが簡単です。正しいお手入れで、美しさを長く保ちましょう。
4-1. 普段のお手入れは掃除機だけ
日常のお手入れは、毛並みに沿って優しく掃除機をかけるだけで十分です。織り目が詰まっているため、ゴミは内部に入り込みません。回転ブラシはオフにするのがおすすめです。
4-2. こぼした時の対処法
水分をこぼしたら、乾いた布で擦らずに上から押さえて吸い取ります。その後、固く絞った布で優しく叩くように汚れを移し取れば、シミになりにくいです。
4-3. 数年に一度のスペシャルケア
3~5年に一度、汚れが気になったら手織り絨毯専門のクリーニング業者に依頼しましょう。プロの洗浄で風合いが蘇ります。
5. まとめ:ギャッベと共に紡ぐ、豊かな暮らし
ギャッベは、遊牧民の手仕事の温もりと家族への願いが込められた芸術作品です。初期投資は安くありませんが、100年使えると言われる耐久性と、日々の暮らしにもたらす豊かさを考えれば、価格以上の価値があります。
この記事を参考に、あなたの直感を信じて「運命の一枚」を見つけてください。それはこれから先、家族の思い出と共にあり続ける、かけがえのない存在になるはずです。


