漆喰DIYで部屋をおしゃれに!費用や塗り方、注意点を完全ガイド

DIY
この記事は約5分で読めます。

DIYリフォームの中でも特に人気が高い「漆喰(しっくい)塗り」。部屋の雰囲気が一変するだけでなく、空気環境も整えてくれる優れた素材です。しかし、ペンキや壁紙の貼り替えに比べてハードルが高く感じるのも事実です。

成功の鍵は、正しい知識と入念な準備にあります。ここでは、初心者が漆喰DIYを成功させるためのノウハウを余すことなくお伝えします。

スポンサーリンク

1. 漆喰DIYを始める前の基礎知識

作業を始める前に、まずは「漆喰」という素材について正しく理解しておく必要があります。ここを間違えると、思っていた仕上がりにならないばかりか、材料選びで失敗する原因になります。

1-1. 初心者は「練り済み」一択!その理由

漆喰には大きく分けて、自分で水と混ぜる「粉末タイプ」と、すぐに塗れる「練り済み(ペースト)タイプ」があります。

DIY初心者であれば、迷わず「練り済みタイプ」を選びましょう。 粉末タイプは安価ですが、専用の撹拌機(かくはんき)が必要で、粉が舞い散る上に水の配合が非常にシビアです。一方、練り済みタイプは蓋を開けてすぐに最適な固さで塗れるため、失敗のリスクを大幅に減らせます。多少コストは上がりますが、手間と確実性を考えればコストパフォーマンスは抜群です。

1-2. 「漆喰風」商品と本物の違いに注意

ホームセンターには「漆喰」と書かれた商品が多数並んでいますが、中には「漆喰風」のモルタル製品や、樹脂が多く含まれた塗料に近いものも存在します。 漆喰本来の「調湿効果」や「消臭効果」を期待するなら、主成分が「消石灰(しょうせっかい)」であることを必ず確認してください。

1-3. DIYに適した季節

漆喰は自然乾燥で固まるため、気候の影響を受けます。極端に寒い冬は凍結のリスクがあり、真夏は乾燥が早すぎて作業が追いつかないことがあります。 おすすめは、気候が安定している春(4月〜5月)や秋(10月〜11月)です。窓を開けて換気がしやすく、乾燥も適度に進むため、初心者でも焦らず作業ができます。

スポンサーリンク

2. 失敗しないための道具と準備

「段取り八分」という言葉通り、漆喰DIYは準備が成功の8割を占めます。特に道具選びと「養生(ようじょう)」は非常に重要です。

2-1. 最低限揃えるべき必須アイテム

以下の道具は必ず事前に準備しましょう。

  • コテ(鏝): 初心者は軽くてしなりがあるプラスチック製が扱いやすくおすすめです。
  • コテ板: 漆喰をのせて手元に持つ板。
  • マスキングテープ・養生テープ: 塗らない部分を保護します。
  • マスカー: テープとビニールシートが一体になったもの。床や家具を覆うのに便利です。
  • ゴム手袋・保護メガネ: 漆喰は強アルカリ性で肌荒れの原因になります。安全対策は必須です。

2-2. 仕上がりを左右する「養生」

養生とは、柱や窓枠、床などを汚れから守る作業です。 漆喰を塗り始めると、夢中になってあちこちに落としてしまいがちです。養生が雑だと、最後にはみ出した漆喰の掃除に何時間も費やすことになります。

ポイントは、マスキングテープをラインに合わせて、隙間ができないよう丁寧に貼り付けます。テープが浮いていると、そこから漆喰が入り込み、仕上がりのラインがガタガタになってしまいます。

スポンサーリンク

3. 実践!漆喰の塗り方・基本ステップ

準備が整ったら、いよいよ塗りの工程です。焦らず丁寧に進めることが大切です。

3-1. 下地処理:ここを抜くと失敗する

今ある壁紙(ビニールクロス)の上から塗る場合でも、下地処理は必須です。 まず、剥がれや浮きがある場合はタッカー(建築用ホッチキス)で固定し、汚れや油分を拭き取ります。その上で、必ず「下塗り材(シーラー)」を塗布してください。これにより漆喰の密着性が高まり、下地からのアク(茶色いシミ)の染み出しを防げます。

3-2. 塗り方:薄塗りから模様付けまで

いきなり厚く塗ろうとすると、重みで垂れたりひび割れたりします。以下の手順で進めましょう。

  1. 一度塗り(薄塗り): 下地が透けるくらいの薄さで、全体に圧をかけて塗り広げます(しごき塗り)。これが接着剤の役割を果たします。
  2. 仕上げ塗り: 一度塗りが落ち着いたら、好みの厚み(1〜2mm程度)で上塗りし、表面を整えます。

【初心者へのアドバイス】 プロのように平らに仕上げるのは至難の業です。あえてコテ跡を残す「ラフ仕上げ」や、扇状に模様をつける「パターン付け」をおすすめします。模様をつけることで、塗りムラが「味」に変わります。

3-3. 養生剥がしのタイミング

完全に乾いてからテープを剥がすと、漆喰も一緒にボロボロと剥がれてしまうことがあります。 漆喰が少し固まり始めた「半乾き」の状態で、慎重にテープを剥がしましょう。もし乾きすぎてしまった場合は、カッターで切れ込みを入れてから剥がすときれいに仕上がります。

スポンサーリンク

4. よくある失敗事例と対策

納得のいく仕上がりにするために、よくある『つまずきポイント』と『解決策』をおさえておきましょう。

4-1. ひび割れ(クラック)

最も多い失敗です。主な原因は「厚塗りしすぎ」か「乾燥不足」です。一度に分厚く塗ると表面と内部の乾燥差で割れてしまいます。また、早く乾かそうとしてエアコンの風を直接当てるのも厳禁です。自然な通風でゆっくり乾かすのが鉄則です。

4-2. アクやシミの発生

施工後に壁が茶色く変色するのは、下地の汚れや成分が染み出している証拠です。 特に古い土壁やベニヤ板、ヤニ汚れのある壁は要注意です。下地処理の段階で、アク止め効果の高いシーラーを念入りに塗ることが唯一の対策です。

4-3. 途中で材料が足りなくなる

作業途中で漆喰が尽きると、買い足す間に継ぎ目が乾いてしまい、色の差や段差ができます。 素人はプロほど薄く均一に伸ばせないため、メーカー推奨面積よりも多めに材料を用意しておきましょう。

5. まとめ

漆喰DIYは、決して簡単な作業ではありませんが、適切な材料を選び、下地処理と養生を丁寧に行えば、初心者でも十分に美しい壁を作り上げることができます。

漆喰DIY成功のポイント:

  • 材料: 初心者は「練り済み」を選ぶ。
  • 準備: 「養生」を徹底的に丁寧に行う。
  • 下地: アク止めシーラーを必ず塗る。
  • 計画: 時間に余裕を持ち、小さな面積から始める。

まずはトイレや玄関の一角など、失敗してもリカバリーしやすい小さな場所からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。自分で塗った漆喰壁のある暮らしは、空気の質を変え、毎日の生活をより豊かにしてくれるはずです。

FLIE magazine 編集部

お客様の”住みたい”気持ちを形にしたい!
確かな情報で安心、かつ納得した上で不動産取引が出来ることを目指し、不動産・リノベーション・暮らしの情報を発信しています。

FLIE magazine 編集部をフォローする
DIY
スポンサーリンク
FLIE magazine