全国の空き家や建物の老朽化が問題となる中、住宅に新たな価値を提供してくれる「リノベーション」が注目を集めています。ご興味がある方も多いのではないでしょうか?
住まいの多様化やエコの観点からも、リノベーションへのニーズは年々増すばかりです。
リノベーション住宅のメリットは、
- 一般的に新築よりリーズナブルなこと
- 新築に比べて資産価値の目減りが少ないこと
- 理想に合わせた住まいを実現できること
などが挙げられます。
特に最近はライフスタイルに合わせた住まいを求める方々が増えています。
一方、リノベーション住宅などの中古物件に対し、安全性や設備に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
例えば、一定の「品質基準」が担保されているリノベーション住宅があるとすればどうでしょう?
リノベーション協議会は、ストック型社会を見据え、中古住宅の流通とリノベーションの活性化を進めている団体です。
この記事では、【リノベーション協議会とは?リノベーションで叶える理想のすまい】と題し、
リノベーション住宅の品質基準を設け、普及推進を行っている「リノベーション協議会」についてご紹介します。
リノベーション住宅のメリットや選び方がわかる内容になっています。リノベーション住宅にご興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 一般社団法人リノベーション協議会とは?
一般社団法人リノベーション協議会(以下、リノベーション協議会)は、誰もが安心してリノベーション住宅を選べるように、また既存住宅がきちんと流通する世の中になるようにと設立された業界団体です。
リノベーション協議会の設立は2009年、団体に所属している会員数は全国で約900社に及びます。会員となっているのは、建設事業者や不動産事業者、住宅設備メーカーのみならず、メディアや検査機関、金融機関などさまざまな事業者です。
リノベーション協議会のビジョンは、既存住宅の価値を高め、ライフスタイルに合わせた理想の住まいを実現すること。つまり今あるものの価値を高め、古いものを大切に使う「ストック型社会」を提唱しています。
2. ヨーロッパはストック型社会のお手本?住宅を次世代に受け継ぐ資産へ
「ストック型社会」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?「ストック型社会」とは、価値あるものを作り、長く大切に使っていくことです。日本の住宅環境も「ストック型」の住まい選びが求められています。
ヨーロッパの住宅事情と日本を比較してみましょう。ヨーロッパでは、住宅が次世代に受け継がれる資産として扱われています。築100年や200年以上のアパートメントを改築しながら住んでいることなど珍しくありません。日本ではなかなか考えられませんよね。
興味深いデータがあります。
生涯平均年収は日本の方が高いものの、住宅に掛かるコストが低いため、結果的に生活にゆとりが生まれます。住宅は次世代へ受け継ぐことができる資産。住宅へのコスト=貯蓄という考え方が定着しているから実現できることでしょう。まさにストック型社会のお手本といえますね。
日本の場合、ローンを支払い終えたころには住宅の資産価値が大幅に減ることが多く、なかなか住宅=資産とはならない現状があります。
リノベーション協議会では、リノベーションの定義を「中古住宅の機能・価値の再生と包括的な改修」としています。修繕や原状回復を意味する「リフォーム」とは異なり、「リノベーション」は住宅をよみがえらせ、新たな価値を作ることなのです。
住宅の資産価値を高め、資産の目減りをおさえることで、次世代に受け継ぐことを提唱しています。
古いものの良さを生かし、新たな価値を作る「リノベーション住宅」が今まで以上に広く認知されることで、日本の社会全体がより豊かになれば素晴らしいですね。
3. リノベーション住宅に安心の品質基準「適合R住宅」
古いものに新たな資産価値をあたえるリノベーションですが、中古住宅に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
例えば、一定の品質基準をクリアしたリノベーション住宅であればいかがでしょうか?
リノベーション協議会ではリノベーションの推進に加え、リノベーション住宅に共通の品質基準を設けています。ここからはリノベーション協議会が定める「適合R(リノベーション)住宅」について見ていきましょう。
3-1. 「適合R住宅」は品質基準をクリアした優良リノベーション物件!
リノベーション協議会が定める「適合R(リノベーション)住宅」とは、「優良なリノベーション」が施された物件のことです。
具体的には、
- 重要インフラ(給排水管・電気配線など)の検査
- 改修工事
- 消費者への報告
- 重要インフラに対する保証(2年以上)
- 住宅履歴情報の保管
を行います。
特に住宅履歴情報は、点検やメンテナンス時、そして将来の売却に役立つメリットがあります。
重要なのは、【検査→工事→消費者への報告→保証+履歴を残す】の5つのフローを統一規格としていることです。
住宅のタイプ別に、
「R1(マンションの専有部分)」
「R3(共用部分を含む一棟全体)」
「R5(戸建)」
と区分されています。
重要インフラに対する保証は、2年以上と定められています。住んでみないとわかりにくい部分も、2年以上の保証があれば安心ですね。
また、検査や保証に関する問い合わせ先の明記が義務付けられています。
とことん一般消費者のために!を追求したフローとなっていることがわかりますね。
3-2. 「R1住宅(区分所有マンション専有部分)」の検査は全13項目!
「区分所有マンション専有部分」は『R1住宅』と定められています。そして、「R1住宅にプラスして、「共有部分を含むマンション一棟全体」は『R3住宅』と区分し、運用されています。
区分所有マンションの専有部分について、全13項目もの検査項目があり、
徹底した基準のもと、目に見えにくい重要インフラの整備がなされています。
- 給水管
- 給湯管
- 排水管
- ガス管
- 電気配線
- 分電盤
- 情報系配線
- 換気設備
- 住宅用火災警報器
- 天井下地
- 壁下地
- 床下地
- 浴室防水
これだけ徹底した品質を確保できれば、リノベーション住宅への夢もふくらみますね。
中古物件に不安があるものの、リノベーションされたお部屋に興味がある!という方には、安心が担保された物件がおすすめです。
今後リノベーション住宅の購入を考える際、一定の保証が担保されている「適合R(リノベーション)住宅」はぜひチェックしてみてください。
4. まとめ
近年幅広い年代から注目を集めているリノベーション住宅。今、多くの方が「自分らしさ」を生かした住まいを求めています。
毎日暮らす家ですから、「おしゃれさ」などの見た目はもちろん大切です。しかし、リノベーション住宅を選ぶときに最も重要なことは、安心して暮らせる物件であることでしょう。
リノベーション協議会が定めた統一規格で、一般の消費者にとって分かりづらかった重要インフラが「見える化」されました。住宅履歴情報が保管され、万が一の時には安心保証があるとなれば、中古物件の魅力がぐっと増しますね。
今回は、リノベーション協議会について、特に、
- 同協議会のビジョンや役割
- リノベーション住宅のメリット
- 同協議会が定める優良リノベーション物件「適合R(リノベーション)住宅」
以上を中心にご紹介しました。
今後リノベーション住宅のご購入を検討される際は、参考にしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。