近年では洋室の住宅が一般的ですが、中には寝室を和室にしたいという方もいるでしょう。和室には洋室にない魅力があるため、寝室として使うことで落ち着いた空間を演出できるはずです。
しかし、和室にはデメリットもあり、注意点を知らないと生活する中で後悔してしまう可能性があるでしょう。
今回は、和室を寝室にするメリットやデメリット・レイアウトのコツなどをご紹介していきます。和室が自宅にある方はぜひ参考にしてみてください。
1. 和室を寝室にするメリット
和室を寝室として使うメリットには以下の5つがあります。それぞれの特徴を活かし、快適な寝室空間をつくってみましょう。
1-1. リラックスできる
寝室を和室にする最大のメリットは、イグサの香りに包まれて眠れることです。イグサにはリラックス効果があるだけでなく消臭効果も期待できるため、より居心地の良い空間をつくれるでしょう。
また、睡眠効率を上げる作用もあるため、ぐっすり寝たい方におすすめです。和室が自宅にある方は寝室として利用することも検討してみてください。
1-2. 部屋が広く使える
和室には収納力のある押し入れが設置されていることがほとんどです。敷布団にすれば使わないときは押し入れに収納できるため、空間を広々と使用できます。
日中は家族団欒のスペースとしても活用でき、用途を制限されないことも和室を寝室にするメリットです。
1-3. 調湿効果が期待できる
和室の畳に使われているイグサには調湿効果もあります。湿度が高いときは湿気を吸収し、乾燥しているときは湿気を放出するため快適な空間を維持できるでしょう。
エアコンを使用しなくても夏は涼しく冬は暖かく過ごせるため、電気代の節約にも繋がります。快適な睡眠環境が整うため、質の高い睡眠が期待できるでしょう。
1-4. 敷布団かベッドか選べる
和室にはベッドも置けるため、敷布団かベッドか選べるのも魅力の一つです。それぞれのライフスタイルに合わせて検討してみましょう。ただ、和室にベッドを置く際は高さや置き方を工夫する必要があります。
何も考えずにベッドを置いてしまうと、畳が傷んでしまう可能性もあるため、家具選びは慎重に行いましょう。
※ 参考記事: 「布団とベッドどっちを選ぶ?それぞれのメリットをご紹介!」
1-5. 風通しが良い
畳や障子がある和室は風通しが良いこともメリットです。真夏でも涼しい環境で休めるため、暑さで睡眠を妨げる心配もありません。
イグサには空気清浄作用もあるため、綺麗な空気を循環させられるでしょう。肌の弱い方や小さなお子さんがいる家庭にも安心です。
2. 和室を寝室にするデメリット
さまざまなメリットがある和室ですが、デメリットも押さえておかないと生活する中で困ってしまうでしょう。以下では、和室を寝室にするデメリットを5つご紹介していきます。
対策と合わせて見ていきましょう。
2-1. インテリアが限られる
寝室を和室にするデメリットは、やはりインテリアが制限されてしまう点です。住宅全体を洋風やモダンな雰囲気にしてしまうと、和室が浮いてしまいます。
統一感がなくなってしまうため、和室を寝室にする場合は全体の雰囲気と合うように家具や障子のデザインを工夫してみると良いでしょう。
2-2. 畳を傷付けてしまう可能性がある
和室にベッドを置く場合は畳に跡が付いてしまう場合があります。最近では、家具の跡が付きにくくなるようなアイテムも多数販売されていますが、置ける家具は限定されてしまうでしょう。
ベッドの他にも、デスクやタンスなどは跡が付きやすいため、レイアウトする際には置き方を工夫する必要があります。
2-3. 布団の片付けが手間
和室に敷布団を敷く場合は毎回片付けが面倒です。生活の仕方によっては、そのまま敷いておくことも可能ですが、見栄えは悪くなるでしょう。
敷布団に溜まった湿気が畳に移り、カビが発生してしまうこともあるため、布団を使用しないときは押し入れなどに片付けることをおすすめします。
2-4. 畳のお手入れが大変
畳は使用してから数年経つと、変色や毛羽立ちが発生します。3年から4年おきに裏返し、6年から7年おきに表替えが必要です。
畳の交換費用は1枚1万円ほど掛かるため、ランニングコストは洋室より高くなるでしょう。また、小さなお子さんがいる場合、障子を破いてしまうこともあるため高額なメンテナンス費用が掛かります。
2-5. 他の部屋が狭くなる
自宅に和室をつくってしまうと、他の部屋が狭くなる可能性があります。リビングや個室が窮屈になってしまうこともあるため、住宅を新築・リフォームする際は優先順位を決めておくことが大切です。
家族構成やライフスタイルを考慮して、過ごしやすい環境になるように慎重に設計しましょう。
3. 和室を寝室にする際のレイアウトのコツ
ここからは、和室を寝室として利用するときに押さえておきたいレイアウトのコツについてご紹介していきます。家具やインテリアを選ぶ際の参考にしてみてください。
3-1. 家具は低めのものを配置する
和室はもともと座って過ごす場所であるため、天井が低く設定されています。そのような空間に背の高い家具を置いてしまうと圧迫感を感じてしまうため、和室にベッドを置く際はなるべく背の低いものを選ぶようにしましょう。
高さがあまりないベッドを使用することで、インテリアにも統一感が生まれ、全体的にまとまった空間になるはずです。
3-2. 和室に合った色合いで揃える
和室に置く家具や取り入れるファブリックは落ち着いた色合いでまとめることがポイントです。おすすめはブラウンやベージュなど自然な色ですが、トーンによっても印象が大きく異なるため、全体の雰囲気を大切にしましょう。
家具の色を揃えるなど統一感を考えてコーディネートしていくことをおすすめします。
3-3. 自然素材のものを多く取り入れる
和室は剥き出しの梁や柱など自然な要素を感じられる空間です。家具やファブリックにも天然素材を取り入れ、温かみを感じられる空間にしていきましょう。
デザインはシンプルなものが良く、全体的に落ち着いた雰囲気を演出してみてください。物足りなさを感じたら、植物やアートなどアクセントを取り入れると良いでしょう。
3-4. カビ対策を徹底する
快適な寝室をつくるためにも、和室のカビ対策は徹底しておくことが大切です。和室を寝室にした場合、寝汗などでカビが発生することがあるため、入念な対策をしなければなりません。
通気性の良い寝具を選んだり防カビ剤を使用したりとさまざまな工夫ができます。間取りや窓の位置に合わせて適切な対策を検討しましょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、和室を寝室にするメリット・デメリットと家具をレイアウトする際のコツをご紹介してきました。和室を寝室にすることでリラックス効果や調湿効果・空気清浄効果などが得られますが、メンテナンスを怠ると清潔感を保てなくなってしまいます。
定期的に掃除や換気を行い、気持ち良く休める空間をつくりましょう。インテリアをコーディネートする際は色味や素材にこだわると、統一感のあるおしゃれな寝室になります。
完成イメージを具体的に思い描いておくと、失敗も防げるはずです。
和室リビングの魅力についても他の記事で紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
※ 参考記事: 「和室リビングの魅力とは?自宅に取り入れる際の注意点を解説!」