近年、自宅の壁をエコカラットにしている方が増えています。エコカラットは「多孔質セラミックス」とも呼ばれ、鉱物や粘土など様々な原料からつくられています。2010年にはグッドデザイン賞を受賞するなど人気のある内装壁材です。
エコカラットは種類も多く、空間ごとに多種多様なバリエーションが楽しめますが、選び方を間違えて失敗したという声もあります。エコカラットを導入した後に後悔しないためにもリットやデメリットを詳しく知っておきましょう。
この記事では、エコカラットの選び方のポイントについても解説します。
1. エコカラットのメリット
新築やリフォームでエコカラットを導入するメリットは以下の通りです。エコカラットは玄関やリビング、寝室、キッチン、トイレなどの壁に使えるため、より快適な室内空間をつくれるでしょう。
1-1. 調湿機能がある
エコカラットを導入する理由として、最も多いのは調湿効果が期待できるからではないでしょうか。エコカラットには小さな孔があり、室内の湿度をコントロールすることが可能です。カビや結露が発生するのを抑制できるため、綺麗な空気を室内に循環させられるでしょう。
エコカラットはエアコンや加湿器のように電気エネルギーを使うわけではないため、省エネ活動ができる点も魅力の一つです。
1-2. 嫌な臭いを吸収する
料理をするキッチンや靴を置く玄関は室内の嫌な臭いの原因となり、放置しておくと健康被害が出る場合もあります。エコカラットを導入しておけば、嫌な臭いも吸収してくれるため、清潔な室内環境を保てるでしょう。
特にトイレのアンモニア臭やペット臭、タバコ臭など掃除しただけではなかなか消えない臭いもエコカラットなら短時間で消臭します。
1-3. ホルムアルデヒドなどの有害物質を低減する
エコカラットはホルムアルデヒドなどの有害物質にも効果です。建材や家具から出るホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因にもなるため、しっかりと対策する必要があります。エコカラットを導入すれば、空気中に漂う有害物質も自然に低減してくれるでしょう。
1-4. デザインの種類が豊富
エコカラットのデザイン性は高く、海外のような高級タイルからシンプルな自然なタイルまでさまざまな種類があります。空間のアクセントとして活躍してくるはずです。インテリアに合わせて商品をお気に入りの商品を選んでみましょう。
2. エコカラットのデメリット
エコカラットはさまざまなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。デメリットを把握しておかないと、導入後に後悔してしまう可能性も否めません。以下でエコカラットのデメリットと一つ一つ解説していきます。
2-1. 衝撃に弱い
まず、エコカラットは金属や硬いものにぶつかってしまうと、すぐに欠けたりひび割れたりします。掃除機が当たってしまって傷が付いたという経験をされた方も多いようです。メンテナンスをする際は丁寧に扱うようにしてくださいね。
万が一、欠けたりひび割れたりしてしまったら、コーキング材で補修しましょう。自分でできるか不安な方は業者に依頼することをおすすめします。
2-2. やり直しが困難
エコカラットは施工時に専用の接着剤で頑丈にくっつけるため、貼り直しが困難です。剥がす場合は下地までやり直す必要があり、余計に費用が掛かってしまいます。エコカラットを導入する際はデザインや設置場所などよく考えて貼りましょう。
商品を購入する前に一度サンプルを取り寄せ、空間に合うか試してみるのもおすすめです。
2-3. 壁に穴を開けられない
エコカラットの壁は安易に穴を開けることができません。絵や写真、ポスターなどを飾りたい方は、大きめの下孔を開けて荷重がエコカラットに直接掛からないように工夫しましょう。
こちらも業者に依頼することができますが、エコカラットは焼き物製であるため、基本的には穴を開けないようにしてください。
2-4. ホコリが溜まりやすい
エコカラットはホコリが溜まりやすいため、入念にメンテナンスをする必要があります。また、ペンやマニュキュアなどの汚れは落ちにくいため、小さなお子さんがいるご家庭は注意しましょう。ただ、エコカラットには耐水性があり、水拭きが可能です。掃除はスムーズにできるのではないでしょうか。
2-5. 価格が高い
エコカラットは一般的な壁紙と比べると、非常に価格が高く、多くの出費を覚悟しなければなりません。価格はエコカラットのグレードにもよりますが、一般的な壁紙の5倍から20倍です。デザインや機能など全体のバランスを見ながら決めていきましょう。
3. エコカラット選びで後悔しないために
最後にエコカラットの賢い選び方を解説していきます。エコカラット選びで失敗しないためにも以下のポイントを押さえておきましょう。
3-1. デザインはじっくり選ぶ
エコカラットのデザインは豊富です。第一印象だけで判断してしまうと、自宅のインテリアと合わなかったりすぐに飽きてしまったりする可能性があります。デザイン選びはじっくり行い、心地の良い空間を目指しましょう。人によって満足できるポイントは違うため、条件を整理しておくのも重要です。
3-2. 必要な機能を把握する
エコカラットはデザインが多けば、機能も種類も豊富です。調湿機能に強い商品もあれば、お手入れが簡単にできる商品もあります。中には調湿効果のないエコカラットもあるため、必要な機能を把握しておきましょう。必要な機能が分かれば、依頼する施工会社も最適な商品を提案しやすくなりますよ。
3-3. 設置場所はよく考える
エコカラットはリビングやトイレ、玄関などあらゆる場所に設置できます。しかし、よく考えて設置場所を考えないと、こんなはずではなかったと後悔してしまうかもしれません。エコカラットを導入して、どんな暮らしがしたいのか施工前にイメージすることが大切です。
間接照明やフックなどの取り付けは後からできないため、よく考えて施工しましょう。
3-4. DIYは極力控える
エコカラットは自分でも貼ることが可能です。DIYする方が安く済むため、自力で行う方もたくさんいます。しかし、DIY初心者が行ってしまうと、斜めに貼ってしまうなど不恰好な仕上がりになってしまう恐れがあります。自信のない方は業者に依頼した方が安心です。
どうしてもDIYしたいという方は寝室など目立たない場所から始めると良いでしょう。
3-5. 複数社に見積もりを取る
エコカラットの施工は業者によって金額も技術もさまざまです。条件に合った施工を行ってくれるか見積もりは複数社に依頼することをおすすめします。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。 今回はエコカラットのメリット・デメリットについて解説してきました。エコカラットは室内を快適な空間に保ってくれたり、インテリアをおしゃれにできたりするアイテムですが、費用が高いデメリットもあります。
貼り直しが困難な壁材であるため、完成イメージを具体的に思い描いた上で施工するようにしましょう。