自宅に手すりは必要ないと考える方も、将来的に設置を検討することをおすすめします。
特に子どもが独立して夫婦2人での生活になると、何かと不便さを感じるでしょう。住宅のあらゆる箇所に手すりがあることで、生活がしやすくなったという方も多いはずです。
今回は、自宅に手すりを取り付けるメリットやおすすめの選び方・設置場所の例をご紹介していきます。老後の生活を考えている方や高齢者と一緒に住んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 自宅に手すりを取り付けるメリット
自宅に手すりを設置するメリットには、以下のようなものがあります。それぞれ特徴を押さえて、自宅の設計で役立てていきましょう。新築時やリフォーム時にも参考になるはずです。
1-1. 歩行の手助けができる
まず、手すりは歩行の手助けになります。特に高齢の方や足腰が不自由な方は、手すりに捕まって歩くことで身体のバランスを保ちやすくなるでしょう。
玄関のアプローチ階段やスロープなど転びやすい場所に設置することをおすすめします。手すりを設置する際は、利き手も考慮しながら設計することが大切です。
1-2. 転倒防止に役立つ
階段で躓いたとき・滑りそうになったときなどに手すりがあると、捕まることができます。手すりがない状態だと、そのまま転倒してしまう可能性があり大変危険です。
転倒防止のために、転びやすい階段や玄関には手すりを取り付けることをおすすめします。老後に備えてリフォームするのも良いでしょう。
1-3. 転落防止の柵としても活用可能
格子や桟の付いた手すりを設置すれば、階段の脇から転落することも少なくなります。くぐり抜けを防止することもできるため、小さなお子さんがいる家庭にも安心です。
特に道路との距離があまりない住宅はアプローチに格子や桟の付いた手すりを取り付けることをおすすめします。
1-4. 暗い場所での誘導補助になる
暗い場所でも手すりがあれば、それを伝って歩くことが可能です。オプションで足元照明を設置しておくのも良いでしょう。
住宅の中でも階段やトイレは転倒しやすいため、暗い場合でも怪我をすることがないように手すりを設けておくことをおすすめします。高齢者や小さなお子さんが安心して暮らせる住まいづくりをしていきましょう。
2. 自宅に取り付ける手すりの選び方
自宅に手すりが必要だからといって、何も考えずに取り付けてしまうと失敗する可能性が高まります。無駄な出費となってしまうため、よく考えて設計するようにしましょう。
手すりの設置で考慮するポイントは以下の5つです。それぞれ要点を押さえて、自宅の設計に役立てていきましょう。
2-1. 握りやすい素材を選ぶ
手すりは握って身体を支えるため、握りやすさが重要です。握りにくい素材を選んでしまうと、身体を支えられずに転倒してしまう可能性があります。
手すりの素材は設置場所によっても適切なものが変わってくるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。廊下や玄関・トイレなどには木製のもの、浴室や洗面所など水回りにはステンレスや樹脂製のものがおすすめです。
2-2. 設置場所に適したものを選ぶ
設置する場所に適した手すりを選ぶことも大切です。トイレに設置するなら置き型タイプや取り付けタイプ、浴室に設置するなら浴槽の縁に挟むタイプや吸盤タイプが良いでしょう。
それぞれ取り付け方が異なるため、事前に把握しておくことをおすすめします。その際、予算も考慮しながら適切な商品を選んでください。
2-3. 設置する場所の状態で選ぶ
手すりの設置には下地補強が必要になるケースもあります。特に築年数の古い住宅は追加工事をしなければならないため、余計に費用がかかってくるでしょう。
設置する壁の材質によって施工方法も変わってくるため、それぞれの場所に適した工法・材料を把握しておくことをおすすめします。
2-4. 使用目的で選ぶ
手すりを設置する目的は人によって異なります。玄関を上がる際に使用したい方もいれば、靴の脱ぎ剥ぎに使用したい方もいるでしょう。
手すりを自宅に取り付ける際は、どんな暮らしがしたいのか現状の問題点とあわせて考えていくことが重要です。条件を洗い出し、優先順位を決めましょう。
2-5. デザインで選ぶ
手すりを使用する方によっては、機能性よりデザイン性を重視したいという方もいます。そのような場合は、手すりの色味や柄にこだわると良いでしょう。
住宅の雰囲気に馴染むように、全体像を把握しながら設計していくことが大切です。最近では、あらゆる種類の手すりが販売されているため、モデルルームなどで確認してみるのも良いでしょう。
3. 自宅で手すりを取り付ける場所
最後に、自宅の中で手すりの設置を検討した方が良い場所をご紹介していきます。自身や家族のライフスタイルを考慮し、設置の必要性があるか考えてみましょう。
3-1. 居室
自分の個室がある場合は、1日の大半を居室で過ごすという方も多いかもしれません。特に高齢者の方は、足腰が弱いため立ち座りや歩行に支障が出るでしょう。
そのようなときに、手すりがあるとスムーズな身動きができます。ベッドサイドや出入り口付近に手すりの取り付けを検討してみましょう。
3-2. 寝室
寝室にあるベッドでも立ち座りや起き上がりを頻繁に行います。身体を支えるためと起き上がるためには手すりが必要ですが、この場合は壁などよりもベッド自体に手すりが付いている方が良いでしょう。
大掛かりな工事が必要ないと判断したならば、手すり付きのベッドを導入してみるのもおすすめです。
3-3. リビング
家族で過ごすことの多いリビングにも手すりが必要ですが、固定してしまうと他の家族に支障が出てしまう可能性があります。その場合は高齢者や足腰が弱い方がよくいる場所を特定して、据え置きタイプの手すりを設置すると良いでしょう。
転倒や怪我を防止するため、キッチンやドア付近などに設置することをおすすめします。
3-4. 廊下
家の中でも廊下は、他の部屋への移動や外出などで行き来する場所です。フローリングなど滑りやすい床材を使用している場合は、転倒リスクに備えて手すりを設置することをおすすめします。
手すりの標準的な高さは75cmほどですが、身長と使用者の特徴に合わせて高さを調節しましょう。
3-5. トイレ
トイレも日常的に使用する場所であるため、手すりの設置が欠かせません。一般的には、便器の高さに合わせて便器横にL字型や縦型の手すりを設置します。
トイレは空間が狭いため手すりの設置場所に苦労しますが、トイレットペーパーや手洗いの邪魔にならない位置を検討しましょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、自宅に手すりを設置するメリットや選び方・おすすめの設置場所についてご紹介しました。
自宅に手すりがなくても生活はできますが、特に足腰が弱い方がいる場合は取り付けた方が安全が確保されるため、一緒に住んでいる方も安心でしょう。
手すりは転倒や転落防止になるだけでなく、歩行補助にも役立ちます。玄関や階段・廊下など適切な場所に設置しましょう。自宅に取り付ける手すりを選ぶ際は、素材や使用目的をしっかりと考え、より快適な生活が送れるように工夫することが大切です。