間取りの「S」って何?表記の意味から不動産間取りの基礎知識について

不動産知識
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中古マンションを探しているときに、「〇SLDK」「〇LDK+S」といった間取り表記を見たことありますよね。LDKはわかるけど、Sは何を指すのかよくわからない方も意外と多いかもしれません。

今回は、間取りの「S」表記の意味、物件のメリットデメリット、不動産間取り表記の基礎的な知識について詳しく解説していきます。

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1. 「S」はサービスルーム。その定義とは?

間取りの「S」は、「サービスルーム」のこと。サービスルームとは、「居室」には認められない部屋のことを言います。

建築基準法では、住宅の「居室」には「床面積の7分の1以上の採光のための窓等の開口部を設けること」、「床面積の20分の1以上の換気に必要な開口部があること」が定められています。

人が快適に過ごすための居室には、十分な採光や換気を取るために必要な窓・開口部が設けられていなければならないということですね。
そのため、構造上窓が設置できない、窓はあるけど基準を満たさないといった部屋は、「居室」ではなく「サービスルーム」と表記されることになります。

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2. サービスルームと言っても広さや窓の有無は様々

サービスルームは居室に必要な採光や換気の開口部基準を満たしていないだけで、帖数の決まりはありませんし、必ずしも窓がないというわけではありません。
例えば、6帖近くの広さのサービスルームもありますし、構造や立地条件によって採光が十分ではないが窓はついているものもあります。

また、「サービスルーム」は間取りによって納戸「N」や書斎「DEN」、ウォークインクローゼット「WIC」といった表記になっていることもあります。しかし、いずれも居室と表記できる一定の基準には満たない部屋という意味では一緒です。

いずれもサービスルームの言いかえですし、売り手側がで販売しやすいように、あらかじめクローゼットや書斎の仕様に仕上げている場合もあります。

一概にサービスルームといっても、物件によって広さや開口部の有無等が異なるということは覚えておきましょう。

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3. サービスルームのメリット

サービスルームのある物件の最大のメリットは販売価格の安さでしょう。一般的に、同じ広さのお部屋でも居室の数が少ない物件のほうが価格は安くなります。

先述したように、開口部の基準を満たしていないが広さは居室と変わらないといった場合もあるため、販売上はサービスルームとなっていますが、条件によっては居室同様に利用できる場合もあるでしょう。

また、物置や書斎といった利用方法だけでなく、来客用の寝室、子供が遊ぶスペース、趣味部屋としてなど、様々に活用できるのも魅力です。入居者の工夫次第で自由に使用できるのも大きなメリットと言えます。

物件検索の際に希望の間取りに絞って探す場合が多いと思いますが、Sの表記について理解できていれば、選択肢が広がりますね。

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4. サービスルームのデメリット、注意点

サービスルームのある物件選びの際には、注意すべき点もあります。

基本的に居室として使用することを想定していないため、居室で一般的に設置されているテレビや電話回線の差込口やコンセントがない、エアコン設置用の壁のスリーブや配管がないと言った場合が多くあります。

建築基準法で居室として認められない部屋を居室同様の仕様にしておくと行政の指導が入る場合があるためです。

居室として使用したい場合、テレビ回線やコンセントはなんとかなっても、最もネックとなるのはエアコンが設置できないことですよね。

特に近年の猛暑を経験するとエアコンが設置できない部屋を居室として利用するのは難しいと言えるでしょう。そのため、空調設備を設置できるか、あらかじめ確認することが必要です。

窓がある場合は窓設置用のエアコンの利用も検討できますが、物件の条件によっても異なるため事前に確認しましょう。
どのようにサービスルームを使用するかを考慮した上で、事前の現地内覧をきちんとすることが重要です。

5. 不動産の間取り表記や規則について

サービスルームの他によく使われる間取り表記について、また不動産広告に関する規則について簡単にご説明していきます。

5-1. 基本的な間取り表記

不動産の間取りはアルファベットで表記されるため、今回ご紹介したサービスルームの他にもわかりづらいものが多くあります。
基本的なものも含めて主な間取り表記をご紹介します。

LDKL(リビング)、D(ダイニング)、キッチン(台所)
CLクローゼット
WCトイレ
WICウォークインクローゼット
PSパイプスペース(給水管や排水管の通っている場所)
MBメーターボックス(電気や水道、ガス等のメーター設置場所)
STOストレージ(収納、倉庫)
N納戸(サービスルーム)
DEN書斎、多目的スペース
Sサービスルーム(納戸)
SICシューズインクローゼット
SBシューズボックス(下駄箱)
ACエアコン
EVエレベーター
R冷蔵庫置き場
W洗濯機置き場
UBユニットバス
DSダクトスペース(空調ダクトのスペース)

5-2. 不動産広告には一定の基準がある

不動産広告には、表記に関する一定の基準が設けられています。


その基準を定めているのが「不動産公正取引協議会連合会」という団体で、不動産の公正競争規約の統一化かつ効率的な運用を図り、消費者への適正な情報提供を行うことを目的としている組織です。

皆さんが目にする不動産広告は、不動産に関する用語の定義や、記載しなければならない物件情報など細かいルールが定められている「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」に従って情報の表記がされています。

例えば、駅から物件への徒歩による所要時間の記載は、80メートルにつき1分間として算出した数値を表示することとされていること。また、DKやLDKの適正な広告表示について、居室の数に対して最低限必要な広さの目安をそれぞれ定めています。

こうしたルールがあるからこそ、私たちは物件を正しく比較検討することができ、適正な取引を行うことができるということになります。

6. まとめ

今回は、不動産広告で見かける間取り表記「S」についての意味、サービスルームのメリットやデメリット等について詳しく見てきました。

サービスルームは多目的に利用できること、そして物件によっては居室としても利用できることもあるため、実際に検討する場合は事前の内覧を行い、利用目的に合うかという目線で検討することが重要です。

多部 フク

音楽と散歩と餃子をこよなく愛する、駆け出しのWebライター。
旺盛な好奇心と食欲を活かし、皆さんに役立つ情報をお届けできるよう、日々精進しています。

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