マンションの暑さ、とりわけ夜の寝苦しさにお困りではないですか?とくに日中が暑かった日は、部屋に帰ると外の方が涼しい?!と感じることもありますよね。理由はマンションの気密性が高いためです。
とくに鉄筋コンクリートの場合、熱がこもりやすく逃げにくい性質があるのです。そのかわり冬のマンションは比較的暖かくて過ごしやすいのですが…。夏の熱帯夜には困りものですね。
今回はマンションの暑さ、とくに熱帯夜の対策についてご紹介します。すぐにできる対策ばかりですから、寝苦しい夜に困っている方は、きっと役に立つ方法がみつかりますよ。
1. マンションが暑くなるのはなぜ?まずは暑さの根本的な原因をおさえましょう
一般的に、一戸建てよりマンションの方が暑いといわれるのはなぜなのでしょうか?理由はマンションの構造にあります。暑さ対策を見る前に、マンションが暑くなる原因を理解しておきましょう。ここではマンション特有の暑さの原因を3つに分けてご紹介します。
1-1. 原因①マンション特有の構造にあり~鉄筋コンクリートは熱がこもる~
一戸建てに比べ、マンションの方が夏の室内が暑いと感じる方が多いようです。とくに真夏では、夜になってもなかなか室温が下がらず、部屋に入るとむわっとした空気に包まれる、という方もいらっしゃるでしょう。
原因はマンションの構造にあります。マンションは気密性が高いため、熱を吸収しやすい特徴があります。とくに鉄筋コンクリートの場合、日中にためた熱を、夜に放出するため、いつまでも室温が下がらず、結果、「熱帯夜の寝苦しさ」につながるのです。
暑さを防ぐためには、なるべく熱を室内に入れないことが最重要ポイントです。
1-2. 原因②マンションは窓が少ない?!窓の位置によって暑さに違いも
マンションの場合、窓が一方向にしかない部屋が多いですよね。一戸建てと比べても、窓の数自体が少ない部屋がほとんどです。
それでも、対角線上に窓があれば、窓を開けて風を通すこともできます。しかし窓の位置によっては風の通りが悪く、すべての窓を開けても、こもった空気を換気するのが難しい場合もあるでしょう。結果的に熱を溜め込みやすくなり、就寝時も暑いと感じる原因になります。
とくに南向きの窓がある、西日が入りやすいなどの場合、いかに日中、熱を室内にいれないかが大切です。ただし、窓が少ないからといってあきらめることはありません。換気扇やサーキュレーターを使うことで、風の通り道を作ってあげることもできるからです。
このあとの章で詳しくご紹介しますね。
1-3. 原因③部屋の位置によって暑さが違う?最上階・角部屋は暑くなりやすい理由
同じマンション内でも、最上階・角部屋・1階など部屋の位置によって暑さが違うことも多いのです。それぞれ特徴を見てみましょう。
最上階
最上階の場合、屋根に直接日があたるため、とくに熱がこもりやすくなります。断熱対策が施されているマンションでは、最上階でもさほど暑さは感じないかもしれません。
しかし多くのマンションでは低層階より最上階の方が暑くなりがちです。日中に溜め込んだ熱のせいで、夜になってもなかなか室温が下がらないことも少なくありません。
ただし、最上階は下の階より風通りがいいという利点もあります。窓を開けて、できるだけ風を通すことで熱をこもりにくくするのがポイントですよ。
角部屋
マンションでとくに人気の角部屋。メリットは多くあるものの、意外なデメリットは、「夏は暑く、冬は寒くなりやすい」ことです。理由は角部屋の場合、他の部屋と比べて窓が多いためです。窓が多いことは、日当たりが良いというメリットがありますね。
しかし、同時に熱が室内に入りやすい特性もあります。日中窓から入る日によって室内に熱がこもり、「夜になっても暑いまま」になりがちです。最上階の部屋同様、窓が多い利点を活かし「風を通す・換気をする」が鉄則です。
1階
マンションの1階なら暑さの問題とは無縁なのでしょうか?残念ながら、そんなこともありません。
最上階のように屋根からの熱は伝わりにくいですが、地面からの熱や湿気を吸収しやすく、結果的に湿度が高く、蒸し暑い部屋になりがちです。湿気対策にも効果的なのがお部屋の換気です。エアコンの除湿機能を利用するのも有効ですよ。
以上、マンションが暑くなる原因についてご紹介しました。
2. マンションの暑さ対策~熱帯夜を上手に乗り切る具体的な方法とは~
前述の通り、マンションが暑い原因は、日中に溜め込んだ熱が夜になって放出されるため。
暑さをやわらげ、快適な室温を保つためには、こもった空気を室外に出すことが必要です。一番手っ取り早い方法は、部屋の換気をすること。家に帰ったら、エアコンを付ける前に、窓を開けて風を通しましょう。
ここからはマンションの暑さ、とりわけ熱帯夜の対策において即戦力になる具体的な方法を5つご紹介します。
2-1. 窓が少ないマンションにおすすめ!サーキュレーターで空気を循環する方法
サーキュレーターがかなり優秀なことはご存じでしょうか?近年は換気の需要が高まり、ますますサーキュレーターが注目されています。とはいえ、「扇風機と同じようなものでしょう?」と思っている方も多いのではないでしょうか?構造自体は似ているものの、実はサーキュレーターと扇風機では性能に大きな違いがあるのです。
扇風機とサーキュレーターの違い
扇風機…涼をとるために使用するもの
サーキュレーター…空気の循環を促すために使用するもの
サーキュレーターには風を直接的に送る特徴があります。そのため扇風機より風が遠くまでまっすぐ届きます。窓が少ないマンションでも、一方向の窓を開け、さらに風向きに合わせサーキュレーターを使用すれば、風の通り道を作れるのです。
エアコンとの相性もバッチリです。エアコンと併用することで、室内の空気を循環させ、結果的にお部屋の温度を一定に保てます。暑さとは別のお話ですが、サーキュレーターがあれば、洗濯物を室内干しする際も乾きやすくなるメリットがありますよ。
※ サーキュレーターとエアコンを併用する際の注意点は、「冷房とサーキュレーターを同時に使うのは逆効果?その理由を解説!」で詳しく解説しています。
価格は比較的リーズナブルで、1万円以内で購入できる商品も多くあります。コンパクトなものを選べば、場所もそれほど取りませんし、冬も暖房を循環させるために利用できるなど、1台あると1年中使える便利アイテムです。
2-2. やっぱりこれ!遮光カーテンで暑さの根本原因をシャットアウト
屋外から室内に入る熱の約70%が窓からによるものといわれています。日中に窓から入る熱を遮断できれば、熱がこもる原因を大きく減少できます。
そこで効果的なのが遮光カーテンです。UVカット効果のある商品を選べば、お肌にもうれしいですし、家具の日焼け防止にもなります。日中の熱が入りにくくなれば、結果的にエアコンの効率もアップさせ、エコにもつながりますよ。
とはいえ、すべてのカーテンを買い替えるのは費用も掛かりますし、なかなか勇気がいりますよね。それに、日中家にいる方の場合、遮光カーテンを締め切ったままというのは、部屋が暗くなるため抵抗があるでしょう。
そんな場合は、レースのカーテンだけを遮光カーテンに替えてみるのはいかがですか?レースの遮光カーテンは種類も豊富。見た目も機能的も、優秀な商品が多く販売されています。お値段も厚手の遮光カーテンより抑えられますから、一度試してみる価値はあるはずですよ。
2-3. 遮光フィルムは遮光だけじゃない?!プラスアルファの効果も期待
遮光カーテン同様、外からの熱を防ぐことで、根本原因となる熱そのものを減らします。遮光カーテンだと部屋が暗くなるのは嫌という方は、遮光フィルムが向いているでしょう。種類にもよりますが、外からの光を適度に取り入れつつ、遮光もしてくれる優れモノ。
遮光フィルムとは窓に直接貼り付けるシート状の商品です。窓に直接貼るというと、賃貸の場合は難しいのでは?と思われるかもしれませんが、きれいにはがせるタイプの商品を選択すれば、賃貸の方でも大丈夫ですよ。
また仕上がりや性能重視の方は、専門業者さんに依頼する方法もあります。その分費用はかさみますが、見た目の美しさは抜群です。
遮光フィルムの場合、外から家の中が見えにくくなる素材や、UVカット機能が期待できるタイプなど、遮光プラスアルファの効果がある商品もあります。価格は安いもので数千円からと比較的リーズナブルですよ。カーテンを閉めきると部屋が暗くなるのでいやだな…と思っている方には、遮光フィルムがおすすめです。
2-4. すだれはリーズナブルかつ効果的な万能アイテム
すだれはご存じのとおり、一番身近な遮光アイテムのひとつですね。基本的には窓の外側に設置します。賃貸や分譲、または窓の形状に関わらず、取り入れやすいアイテムのひとつ。
価格も比較的リーズナブルです。昔ながらのデザインだけではなく、最近ではカラーバリエーションも豊富、性能もさまざまなタイプが販売されています。一度検討してみる価値はありますよ!
2-5. ベランダに打ち水や換気扇を回すなど、アイテムが無くてもできる方法がある
最後に定番の打ち水や換気扇など、特別なアイテムを使用しない方法もご紹介します。
ベランダに打ち水をする方法ですが、大きな効果は期待できないものの、コツをおさえれば多少の暑さ軽減になるでしょう。コツは打ち水の時間帯です。打ち水を行うのは朝の時間帯(暑くなる前)と夕方(気温が下がる時間帯)が一番効果的ですよ。
また、忘れがちですが、キッチンの換気扇も活用しましょう。窓を開けて、換気扇を回す方法だけでも、ある程度風の通り道ができますよ。換気扇はお料理の時だけと思っていた方も、ぜひ試してくださいね。
3. マンションの熱帯夜は少しのコツで上手に乗り切りましょう!
今回はマンションが暑くなる原因と対策についてご紹介しました。マンションだからしょうがない、熱帯夜はひと時だけの辛抱と諦めていた方も、今回ご紹介した方法を無理なく取り入れ、夏の暑さを快適に過ごしていただければうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。