冬になり外の気温が低くなってくると、玄関の冷えが気になります。通る度に冷気を感じるため、不快に感じる方も多いのではないでしょうか。
対策したくても、原因が分からなければ適切な対処ができません。そこで今回は、玄関が寒くなる原因やその対策・玄関ドアのリフォームについてご紹介していきます。
玄関の冷えが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 玄関が寒くなる原因
まず、玄関が寒くなる原因から見ていきましょう。玄関の寒さは、以下の5つが主な原因です。
それぞれの特徴を把握し、適切な対策を取っていきましょう。
1-1. 表面が冷たくなる素材を使用している
玄関ドアは開閉の回数が多いため、頑丈さと軽量性を持ち合わせたアルミ製が普及しています。アルミ製のドアは熱伝導率が高いため、すぐに周辺温度の影響を受けてしまうことがデメリットです。
アルミ製のドアが戸外の冷気に24時間触れていると、その冷気が室内に渡り、玄関の冷えの原因となります。
1-2. 隙間風が入ってくる
隙間風が入ってくることも、玄関が寒い原因です。築年数が経ってくると、ドアやその周辺は経年劣化を起こします。
玄関ドアとドア枠の間に隙間もできやすく、閉め切っているつもりでも外の冷たい空気が室内に侵入してしまうのです。日当たりの良い場所であっても、常に冷気が入ってくるため、玄関付近は寒く感じるでしょう。
1-3. 日当たりが悪い
日当たりが悪い玄関は、非常に寒い傾向にあります。北や北東・北西など日照時間が短い方角に玄関を設置している住宅は注意しましょう。
設計時には、冬場の快適さも考慮しながら間取りを決めることをおすすめします。リビングやダイニングの位置など優先順位を考えながら設計していきましょう。
1-4. 暖房設備が設置されていない
エアコンやストーブ・床暖房などの暖房設備が設置されていないことも玄関が寒い原因の一つでしょう。LDKや個室などは暖房設備で空間を暖められますが、玄関は気温が下がる一方です。
間取りや広さによっては暖房設備を設置できる場合もあるため、寒さ対策として考えてみるのも良いでしょう。
1-5. 大きな窓が付いている
大きな窓が設置されている玄関は、冷気が入りやすいため寒くなりがちです。特に冬の日照時間は短く、ガラス本体が熱を持って温められる時間よりも、日が沈んだ後冷気によってガラスが冷やされる時間の方が長い特徴があります。
住宅を設計する際は、冬場の寒さ対策も考えながら窓の設置場所を検討していきましょう。
2. 玄関の寒さ対策
続いて、玄関の寒さ対策についてご紹介していきます。手軽にできる方法から順に解説していくため、それぞれのやり方を把握しておきましょう。
2-1. カーテンを設置する
玄関の寒さ対策として手軽にできる方法は、カーテンを設置することです。突っ張り棒などを使ってカーテンを垂らすだけでも、冷気の侵入を防げます。
見た目が気になるという方は、玄関専用のカーテンをオーダーしてみるのも良いでしょう。色味やデザインにこだわれば、おしゃれな玄関がつくれます。
2-2. 敷物を敷く
玄関の床や土間部分にマットなど敷物を敷くのもおすすめです。深夜から早朝までの間で、玄関の床や土間のコンクリート部分は冷え切ってしまいます。
このような部分をカバーしておけば、室内に冷気が広がる心配もありません。できるだけ厚い敷物を敷いて、寒さを凌ぎましょう。
2-3. 隙間テープを取り付ける
玄関ドアの隙間対策として、隙間テープを取り付けるのも良いでしょう。隙間テープの種類はさまざまで、ホームセンターなどに行けば購入できます。
玄関以外にも室内の建具に使用できるため、玄関の冷えが気になる場合に貼ってみると効果を実感できるはずです。テープを購入する際には、隙間がどのくらい空いているのかしっかりと計測しておくようにしましょう。
2-4. 発泡スチロールを貼る
玄関ドアに発泡スチロールを貼るのも効果的な方法です。玄関ドアに直接発泡スチロールを貼り付ければ、冷たくなった玄関ドアの冷気が室内に侵入する心配はありません。
空気の層があるダンボールを使うと、より効果を実感できるでしょう。ただ、見た目は悪くなるため、暖かさを重視したい方におすすめです。
2-5. 断熱リフォームをする
手間や費用はかかりますが、玄関ドアの断熱リフォームを行うのも良いでしょう。断熱性の高い扉に変更したり、窓に気密性の高い素材を貼り付けたりして対策しましょう。
ただ、工事内容にこだわると費用が高くなるため、予算と照らし合わせながら計画していくことが重要です。
3. 玄関ドアリフォームの種類
最後に、玄関ドアリフォームの種類をご紹介していきます。代表的な玄関のドアリフォームは、カバー工法によるもの・外装工事を伴うもの・内装工事を伴うもの・間仕切りを行うものの4つです。
それぞれ特徴を見ていきましょう。
3-1. カバー工法によるリフォーム
カバー工法によるリフォームは、玄関ドアの枠を撤去せずに上から新しい枠組みを取り付けてドアを取り替える方法です。近年の玄関ドアリフォームではカバー工法が主流となっており、外装工事や内装工事を伴う従来のドアリフォームに比べて、工期も工事費用も抑えられるメリットがあります。
ただ、既存のドアの上から新しい枠組みを取り付けるため、ドアが小さくなることはデメリットです。
3-2. 外装工事を伴うリフォーム
リフォームで間口を広げたい場合や新しいドアのサイズが合わない場合は、玄関周辺の外壁を補修する必要があります。カバー工法よりも工期が長くなる分、費用もかかることは押さえておきましょう。
また、既存のドアを撤去する際に産廃処分費用がかかるため、予算は多めに設定しておくのがおすすめです。
3-3. 内装工事を伴うリフォーム
床の状態が悪い場合は補強工事が必要になるため、カバー工法でのリフォームはできません。外装工事を伴うリフォームと同様に、費用がかかります。
工事費用は玄関ドアの種類によっても異なるため、ライフスタイルや家族構成に合わせて最適なタイプを選ぶようにしましょう。
3-4. 間仕切りリフォーム
玄関と室内に間仕切りをして寒さを防ぐリフォームもあります。アコーディオンドアやパネルドアを設置すれば、冷気が室内に侵入するのを防ぐことが可能です。
リフォームの際は、下地の強度を確認することを忘れないようにしましょう。強度が低い場合は補強工事が必要になり、工事期間が延びる可能性があります。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、玄関が寒い原因やその対策・玄関ドアリフォームの種類をご紹介しました。玄関の寒さは、ドアの素材や隙間風・立地などが影響します。
カーテンを設置したりマットを敷いて対策する他、断熱リフォームを行うのも有効です。工事の内容として代表的なものは、カバー工法によるリフォーム・外装工事を伴うリフォーム・内装工事を伴うリフォーム・間仕切りリフォームの4つがあります。
工事内容や面積によって費用が異なるため、予算や改善したい問題を考慮しながら選んでいくと良いでしょう。カバー工法は費用や工期を抑えられるため、人気があります。