タイルの種類で空間は変わる!キッチンや床に合う選び方を徹底解説

インテリア
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「家のリフォームでおしゃれなタイルを使ってみたい」「キッチンの壁を憧れのカフェ風にしたい」と考えたとき、タイルの種類の多さに圧倒されていませんか?モザイク、サブウェイ、磁器質、陶器質…と選択肢は豊富ですが、デザインだけで選ぶと「掃除が大変」「足元が冷たい」と後悔することも。

理想の空間を実現するための、あなたにぴったりのタイルがきっと見つかるはずです。

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1. そもそもタイルとは?基礎知識と基本の分類

まずは「タイルとは何か」という基本的な知識から押さえていきましょう。タイルの正体を知ることで、なぜキッチンや水回りに多く使われるのか、その理由が見えてきます。

1-1. タイルの定義と揺るぎない魅力

タイルとは、粘土や石などを主成分とした原料を板状に成形し、1000℃以上の高温で焼き固めた建築材料です。高温で焼成されることで、非常に硬度が硬く、優れた特性を持つのが最大の魅力です。

  • 耐久性: 傷や摩耗に強い
  • 耐水性: 水をほとんど吸収せず、水回りに最適
  • 耐火性・耐熱性: 火や熱に強く、コンロ周りでも安心
  • 耐候性: 紫外線による色あせがほとんどない

これらの機能性に加え、色・形・質感のバリエーションが無限にあり、高いデザイン性を実現できる点が、時代を超えて愛され続ける理由です。

1-2. 特性を決める!材質(素地)による3つの基本分類

タイルの性能は、主原料となる「素地(きじ)」によって大きく3つに分類されます。使う場所に適した材質を選ぶことが、後悔しないタイル選びの重要な第一歩となります。

1-2-1. 磁器質:万能で丈夫な優等生

1200℃以上の高温で焼成された、緻密で硬いタイル。吸水率が1%以下と極めて低く、耐久性・耐水性に優れます。屋内外の床・壁、水回りなど、あらゆる場所で使える万能なタイプです。

1-2-2. せっ器質:磁器質と陶器質の中間的バランスタイプ

磁器質と陶器質の中間的な性質を持つタイル。吸水率は5%以下で、素朴で自然な風合いを持つものが多くあります。屋内外の床や壁に使用されます。

1-2-3. 陶器質:温かみのあるデザイン性が魅力

吸水性が高く、強度は他のタイプに劣りますが、その分、鮮やかな発色や美しいデザインを表現しやすいのがメリットです。水が直接かかる場所には不向きで、主に屋内の壁に使用されます。

1-3. 見た目を左右する「施釉(せゆう)」と「無釉(むゆう)」

釉薬(うわぐすり)の有無も、タイルの見た目や性能を大きく分けます。

  • 施釉タイル: 素地の上に釉薬を塗布して焼き固めたタイル。表面がコーティングされ、水や汚れが染み込みにくく手入れが簡単。多彩な色やデザインを表現できます。
  • 無釉タイル: 釉薬をかけず、素地そのものの色や質感を活かしたタイル。素朴で自然な魅力があり、表面が摩耗しても色が変わりません。
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2. 【デザイン別】人気のタイル種類

ここからは、インテリアで特に人気の高いタイルの種類を、その魅力とともにご紹介します。

2-1. モザイクタイル|組み合わせ自由なアートピース

1枚の表面積が50㎠以下の小さなタイルの総称。形や色が豊富で、シート状で施工しやすいのが特徴です。キッチンのアクセントや洗面台の壁など、空間に彩りと個性を与えたい場所に最適です。

2-2. サブウェイタイル|海外風インテリアの定番

ニューヨークの地下鉄で使われたタイルがその名の由来です。光沢のある白い長方形が代表的で、シンプルながら洗練された印象を与えます。カフェ風やブルックリンスタイルなど、幅広いインテリアにマッチします。

2-3. 石材・レンガ調タイル|本物のような重厚感と温かみ

天然の石材やレンガの質感を、セラミックで忠実に再現したタイル。本物より軽量で施工しやすく、コストを抑えられるのがメリット。空間に深みと温かみを与えてくれます。

2-4. デザイン・アクセントタイル|空間に個性をプラス

鮮やかな色彩や幾何学模様などが施された、デザイン性の高いタイル。壁の一部に数枚使うだけで、壁の一部に数枚使うだけで空間がぐっと華やかになり、手軽に個性的なインテリアを楽しみたい方におすすめです。

2-5. テラコッタタイル|素朴な風合いでナチュラルに

イタリア語で「焼いた土」を意味する素焼きのタイル。オレンジやブラウン系の素朴な色合いと温かみのある質感が特徴で、南欧風やカントリー調のインテリアによく合います。

2-6. 大判タイル|高級感と開放感を演出

一辺が60cmを超えるような大きなサイズのタイル。目地が少ないため空間がスッキリと広く見え、ホテルライクでモダンな高級感を演出できます。

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3. 【場所別】タイルの上手な選び方と使い方のポイント

場所ごとに求められる性能が異なるため、適材適所で選ぶことが重要です。

3-1. キッチン|耐熱・耐油性が鍵

  • 壁(コンロ周り): 汚れに強く掃除がしやすい「磁器質」の「施釉タイル」が最適です。
  • : 耐久性が高く滑りにくい「磁器質」が基本です。
  • 天板: 耐熱性・耐傷性に優れたタイルなら、熱い鍋も置けて便利です。

3-2. 洗面所・トイレ|耐水性と清潔感が最優先

水ハネが多く湿気がこもりやすい場所には、吸水性が低くカビに強い「磁器質タイル」が最適。モザイクタイルなどでアクセントを加えるのも人気があります。

3-3. 浴室(バスルーム)|安全性と防カビ性が重要

  • : 必ず「滑り止め加工」が施された浴室専用のタイルを選びましょう。
  • : カビ対策として、吸水性の低い「磁器質タイル」が必須です。大判タイルなら目地が減り、掃除も楽になります。

3-4. リビング・寝室|壁一面で空間の主役に

テレビの背面やベッドヘッド側の壁に、石材調タイルや大判タイルを使うと空間のグレード感がアップします。室内の湿度を調整する「調湿機能」を持つタイルもおすすめです。

3-5. 玄関・アプローチ|家の顔は耐久性で選ぶ

多くの人が出入りする玄関には、傷や摩耗に強い「磁器質」や「せっ器質」のタイルが適しています。屋外のアプローチには、雨に濡れても滑りにくいタイプを選びましょう。

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4. 後悔しないために知るべきタイルのメリット・デメリット

魅力的なタイルですが、導入前にメリット・デメリットの両方をしっかり理解しておきましょう。

4-1. タイルを選ぶメリット

  • 高いデザイン性と自由度: 組み合わせ次第でオリジナル空間を実現できる。
  • 優れた耐久性・耐水性・耐火性: 傷・水・熱に強く、変質しにくい。
  • 手入れが比較的簡単: 汚れが染み込みにくく、サッと拭くだけでキレイになる。
  • 美しさが長持ち: 経年劣化しにくく、長年美しい状態を保てる。

4-2. 導入前に確認したいデメリットと対策

  1. デメリット①:目地の汚れやカビ
    タイル自体は丈夫でも、目地は汚れやカビが発生しやすい部分です。
    【対策】: 防カビ性の目地材や、汚れが目立ちにくい濃い色の目地材を選び、こまめに掃除をすることが重要です。
  2. デメリット②:初期費用が比較的高め
    壁紙などに比べ、材料費と専門の職人による施工費がかかるため、初期費用は高くなる傾向があります。
    【対策】: 全面ではなく、アクセントとして部分的に取り入れると費用を抑えられます。
  3. デメリット③:材質によっては足元が冷えやすい
    熱伝導率が高いため、特に冬場は床がひんやりと感じられます。
    【対策】: ラグを敷いたり、床暖房を併用したりするのがおすすめです。

4-3. キッチンパネルとの違いは?

キッチンの壁材として比較される「キッチンパネル」は、目地がなく掃除が非常に楽なのが最大のメリットです。一方、タイルはデザイン性が圧倒的に高く、オリジナリティを追求できます。掃除のしやすさやコストを優先するならキッチンパネル、デザイン性を追求したいならタイル、というように考えると良いでしょう。

5. まとめ

今回は、タイルの種類について、基本的な分類から選び方のポイントまで解説しました。

  • 基本: 材質は「磁器質」「せっ器質」「陶器質」の3つ。場所に合わせて選ぶ。
  • 選び方: 場所ごとに求められる「耐久性」「耐水性」「安全性」を考慮する。
  • 注意点: デザイン性や耐久性は高いが、目地の汚れやコストには対策が必要。

タイルは、あなたの暮らしに彩りと豊かさを与えてくれる魅力的な建材です。

FLIE magazine 編集部

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