住宅の壁にはどんな種類があるかご存知でしょうか。構造や素材などによってさまざまな種類があります。
今回は新築時やリフォーム時に役立つ壁の種類をご紹介します。それぞれの特徴を押さえることで物件探しや設計時もスムーズに決まるでしょう。住まいを探している方やリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
1. 壁の種類①構造
壁の構造には主に4種類あります。それぞれメリットやデメリットがあるため、それらを理解しておくことで自分に合った物件がスムーズに選べるようになります。
以下で鉄骨・鉄筋コンクリート・鉄筋鉄骨コンクリート・壁式鉄筋コンクリートの基本的な特徴をご紹介します。
1-1. 鉄骨
鉄骨は柱や梁に鉄骨を使用した構造です。S造と呼ばれることもあります。
鉄骨造の特徴は建物の重量を軽くできる点です。耐久性も優れており、きちんと定期的にメンテナンスを行っていれば60年程度持つと言われています。
ただ、部材が軽量であるため防音性や耐火性が劣っているというデメリットはあります。耐震性は住宅の耐震等級によって異なるため、その他の構造と同様に考えてみましょう。耐震等級1であれば震度6の地震でも耐えられますよ。
1-2. 鉄筋コンクリート
鉄筋を芯にしてコンクリートを流し込む構造が鉄筋コンクリートです。
マンションでも最も一般的な構造で、耐火性や耐久性に優れています。メンテナンスをしっかりと行っていれば耐久年数は120年と言われており、永く住み続けられる構造の一つです。防音性も高く、生活音や外部からの音漏れは気にならない程度でしょう。
デメリットとしては、工期が長くなる点です。鉄筋コンクリートはコンクリートの打設など現場で作業する工程が多く、完成まで時間が掛かります。
1-3. 鉄筋鉄骨コンクリート
鉄筋コンクリートにH型鋼を追加した構造が鉄筋鉄骨コンクリートです。SRC造と呼ばれることもあり、耐久性としなやかさに優れています。
鉄骨造と鉄筋コンクリートの特徴をバランス良く兼ね備えた構造だと言えるでしょう。主軸は鉄骨であるため、建物自体の重量は軽く設定されています。
その分、部材費が高くなることがデメリットです。そのため、鉄筋鉄骨コンクリート造は高層マンションに使われることがほとんどです。
1-4. 壁式鉄筋コンクリート
壁式鉄筋コンクリートは鉄筋コンクリートと似たような構造ですが、開口上の壁と同じ暑さの梁で構成されています。室内のデッドスペースは少なくなるメリットがあり、空間を有効活用することが可能です。
ただ、耐震性を保つためにドアや窓を設置できる場所が限られます。間取りが制限されてしまうデメリットがあるため、設計時には注意しましょう。
2. 壁の種類②素材
続いて、壁の素材を見ていきましょう。一般的に壁の素材には以下の6種類があります。それぞれ特徴をご紹介します。
2-1. ビニールクロス
室内の壁紙で最も使用されているのがビニールクロスです。色や柄などデザインが豊富でさまざまなインテリアスタイルに合わせることができます。
比較的施工がしやすく、DIYで壁紙を張る方もいらっしゃいますよ。メンテナンス性や調湿性など生活を豊かにしてくれる機能が備わった商品もあり、選べる幅が広いのも特徴です。
経年劣化によって剥がれやすいため、定期的にお手入れをするように心掛けましょう。
2-2. ペーパークロス
欧米で人気のあるペーパークロスは紙の質感を感じることのできるデザインです。特にケナフや亜麻などのペーパークロスは二酸化炭素を吸収する働きもあります。環境にも優しい素材でエコな暮らしが実現できるでしょう。
ただ、ペーパークロスは耐水性がないため、汚れがつきやすいデメリットがあります。非常に繊細な素材であるため、お手入れ時も優しく丁寧に扱いましょう。
2-3. 織物クロス
温かみのあるテクスチャーが魅力の織物クロスは、麻や綿などの天然素材を紙を裏打ちしてつくります。見た目が美しく、耐久性にも優れているため、長く使える壁紙です。
静電気を発生させない特徴を持っているため、ホコリや汚れが付きにくいのもメリットでしょう。ただ、一度汚れが付いてしまうとなかなか落ちません。価格も高く、張り替えにはまとまった費用が必要です。
2-4. タイル
タイルは耐水性に優れているため、水回りによく使用されます。調湿機能や消臭効果も期待でき、より快適な空間をつくってくれることでしょう。
最近ではデザインのバリエーションも増えており、さまざまな雰囲気の壁紙が販売されています。自宅のインテリアと合わせて最適な商品を検討してみましょう。
2-5. パネル
ウッドパネルやパネルシートなど板状に成形した壁材も人気です。パネルの壁はデザイン性だけでなく、消臭・撥水・防音などさまざまな効果が期待できます。建物の強度を上げる役割もあり、耐力壁などに使用されていることもありますよ。
ただ、パネルは隙間にホコリが溜まりやすいデメリットも。掃除はこまめに行うようにしましょう。
※ ウッドパネルについては、「ウッドパネルを壁に貼るメリットは?おすすめのDIY方法をご紹介!」で詳しく解説しています。
2-6. 木材
無垢材や天然化粧板などをアクセントで使用することもあります。腰壁の一部などに使われることが多く、ナチュラルな空間になるでしょう。
木材は調湿効果があるため、室内の空気もスムーズに循環するはずです。ただ、水に弱いため、メンテナンス時には細心の注意を払いましょう。
3. 壁のリフォームにはどんな種類がある?
ここからは壁のリフォームについて解説していきます。壁のリフォームは主に以下の4種類があります。それぞれ特徴を押さえていきましょう。
3-1. 仕上げ材を新品にする
最も一般的な壁のリフォームは壁材を新しくすることです。壁材を新品にすることで、壁紙の張り替えや塗り直しができるようになるため室内の雰囲気をガラリと変えることができます。お部屋の模様替えをする際に役立つでしょう。
壁紙の張り替えや塗り直しはDIYも可能です。業者に依頼せず、自分で行う方も増えていますよ。
3-2. 壁を取り壊す
ライフスタイルの変化で壁を取り壊すリフォームをする方も一定数います。リビングを広げたい方や収納スペースを増やしたい方におすすめです。壁を取り壊せば、採光や風通しも良くなり、明るい空間になります。
ただ、壁式構造の住宅は壁を撤去することができません。リフォーム前に耐力壁かどうか確認するようにしましょう。
3-3. 新たに壁を設置する
子どもの成長や仕事の状況に応じて間仕切りを導入するのも良いでしょう。新たに壁をつくるため費用は掛かりますが、壁一つで簡単にプライバシーが確保できます。
目的に合わせて色や柄、素材などデザインを決めていきましょう。
※ 壁を設置するリフォームについては、「部屋に壁を作るリフォームの費用は?注意点やDIYのメリットも解説!」で詳しく解説しています。
3-4. 壁面収納をつくる
壁を利用して収納スペースをつくるリフォームも増えています。デッドスペースを有効活用できるため、床面積が限られている場合でも容易に工事が可能です。
家族が多い世帯や収納スペースが足りない方はぜひ壁面収納の設置を検討してみてください。
※ 壁面収納については、「壁面収納のメリット・デメリットとは?オーダー時の注意点は?」で詳しく解説しています。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は壁の種類を構造・素材・リフォーム内容の3点から解説してきました。それぞれ種類によって、メリットもあればデメリットもあります。一つ一つの特徴を押さえ、工事内容に合わせて検討していきましょう。
壁は住宅を支えるだけでなく、インテリアや生活をサポートする役割も担っています。値段だけで決めずにあらゆる視点から総合的に判断していくことをおすすめします。商品を選ぶ際はサンプルなどで色味や質感をすると、購入後にイメージと違ったと後悔することも少なくなります。
不安な方は専門業者に相談してみると良いでしょう。