化粧梁のメリット・デメリットは何?設計時のコツもご紹介!

リノベーション
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マイホームの建築でこだわるポイントはたくさんありますが、特に見落としがちなのが「天井」ではないでしょうか。天井の構造やデザインにこだわることで、より快適な空間がつくれるはずです。

今回は、自宅の天井に取り入れていただきたい化粧梁(けしょうばり)についてメリット・デメリットや設計のコツをご紹介していきます。憧れのマイホームをお気に入りの空間にするためにも、ぜひ取り入れてみてください。

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1. 化粧梁のメリット

梁は柱の上で棟木と直行する方向から横に渡す構造材のことで、上からの荷重を支えるために使用されます。通常、梁は室内から見えないように設置されていますが、デザインのアクセントとして敢えて見えるように設置されているものが「化粧梁」です。

化粧梁は「見せ梁」と呼ばれることもあり、さまざまなメリットがあります。以下では、代表的な5つのメリットをご紹介していきましょう。

1-1. 天井が高くなる

化粧梁は梁下に天井材を張る必要がないため、その分天井が高くなります。天井が高い空間は開放感があり、広々とした空間の中で過ごすことができるでしょう。

吹き抜けとの相性も良いため、家族が多くてもゆとりのある暮らしが叶えられます。室内に立体感が生まれるのも大きなメリットです。

1-2. おしゃれな空間が演出できる

化粧梁はインテリアの一部としても楽しむことが可能です。梁にハンモックや遊具を設置することもできるため、お子さんがいる家庭にも向いています。

もともと住宅を支える部材であり、耐久性があるのも特徴です。安全性をしっかりと確保しながらインテリアを充実させることができるでしょう。

1-3. 木の温もりを感じられる

剥き出しの梁は木の温もりを感じられるところもメリットです。温かみのある空間を演出できるため、ナチュラルな家づくりができます。和装な住宅であれば古民家のような空間をつくることも可能です。

床材や家具の色味と合わせて、天井空間をおしゃれにコーディネートしてみましょう。

1-4. 空気が循環しやすい

天井材を張ると室内で空気が循環するスペースが狭くなってしまいます。しかし、化粧梁なら空間が広がるため、新鮮な空気を室内に取り込むことが可能です。さらに天窓を設置すれば、より快適な空間になっていくでしょう。

天井部分の構造を考える際は、空気の巡りやすさも考慮することをおすすめします。

1-5. 室内が明るくなる

天井が高くなることで、開放感が得られるだけでなく室内の明るさもしっかりと保たれるようになります。吹き抜けのある設計にすれば上階からの光も差し込んでくるため、より明るい空間がつくれるでしょう。

マイホームの建築で明るさを重視している方は、ぜひ化粧梁の導入を検討してみてください。

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2. 化粧梁のデメリット

化粧梁にはもちろんデメリットもあります。対策次第では気にならなくなる場合もあるため、設計前に確認しておきましょう。特に以下の注意点は押さえていないと、設計で失敗してしまう可能性があります。

2-1. 掃除しにくい

梁を見せてしまうことでホコリが溜まりやすくなってしまうのは大きなデメリットです。しかも、高い位置に設置されているため掃除しづらく、放置しておくと下に落ちてくる可能性もあります。

対策として、天井に梁をぴったりとくっつければホコリが溜まる心配もなくなるでしょう。

2-2. 行動が制限される

おしゃれなイメージの化粧梁ですが、合わせられる照明や設備に制限が掛かることも注意点です。

設計時にできないことが増え、妥協しながら家づくりを進めることになってしまうため、あらかじめ設置できる設備の種類を明らかにしておくことをおすすめします。それを踏まえ、優先順位を決めていきましょう。

2-3. 防音性が下がる

化粧梁の住宅は天井に防音材を入れることができないため、防音性が下がる可能性があります。入居後に2階からの足音や生活音が気になる場合もあるため、設計前にリスクを考えておきましょう。

家族構成やライフスタイルに合わせて、化粧梁を導入するか検討するのもおすすめです。

2-4. 断熱性が劣る

1階のリビングに化粧梁を使用する際は、入れられる断熱材の量が減ることを押さえておきましょう。結果的に、住宅の断熱性が劣ってしまうため「夏は暑く、冬は寒い」環境が続きます。

住宅の断熱性が下がることで自治体からの補助を受けることもできなくなってしまうため注意しましょう。

2-5. エアコンや照明の設置に影響が出る

エアコンや照明の設置場所が悪いと、梁で影になってしまい、室内が暗くなってしまう可能性があります。また、構造用の梁は一度施工してしまうと動かすことができないため、エアコンを後付けできない場合もあるでしょう。

工事後に頭を悩ませることがないように、化粧梁のデメリットは事前に把握しておくことをおすすめします。

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3. 化粧梁を取り入れる際のコツ

ここからは、化粧梁を自宅に取り入れる際に知っておきたいポイントをご紹介していきます。それぞれの注意点を押さえて、失敗することがないように慎重に設計していきましょう。

3-1. 空調機器は空間の広さを考慮する

化粧梁の設置で天井高が上がると、室内における空気の量が増えます。室内の広さでエアコンを選んでいると、効きが悪い場合があるため、性能に余裕がある空調機器を導入するようにしましょう。

吹き抜けなどで天井が高い場合は、実際の広さより少し大きめのエアコンを設置することをおすすめします。

3-2. 照明は梁に合わせてデザインを選ぶ

化粧梁は天井にデコボコができるため、梁の間隔が狭い場合は天井付けのシーリングライトが設置できない可能性もあります。そのため、化粧梁を設置した住宅ではダウンライトやダクトレールの照明を取り付けることがほとんどです。

梁の特徴を活かした照明計画でおしゃれな空間を演出しましょう。

3-3. 天井高にこだわる

化粧梁のデザインを決める基準といっても過言ではないのが「天井高」です。一般的な天井高の場合、梁の存在感を出し過ぎると逆に窮屈さを感じてしまう場合もあるでしょう。

大胆な梁を取り入れたいなら、吹き抜けや勾配天井など高さのある設計を心掛けることが大切です。梁と天井のバランスを考慮しながら設計していきましょう。

3-4. 費用を抑えたいならDIYも可能

化粧梁は設計段階から施工業者と念入りに相談していく必要があるように見えますが、実は自分でも施工可能です。一般的には木材を使用しますが、発泡スチロールや断熱材でも代用できるため費用を最大限抑えられます。つくる過程から楽しむことができるため、室内に愛着も湧いてくるでしょう。

費用を抑えて化粧梁をつくりたい方は、ぜひDIYも検討してみてください。

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4. まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、化粧梁のメリットやデメリットについてご紹介してきました。化粧梁のある住宅は開放的で明るい空間をつくれます。しかし、設計によってはホコリが溜まりやすかったり防音性が劣ってしまったりすることも。

快適な暮らしを手に入れるためにも、条件や必要な性能を見直すことが大切です。住んでから後悔することがないように、入念な計画を立てていきましょう。