中古マンションを探す場合、都心の物件を購入するか、郊外の物件を購入するか悩む方も多いのではないでしょうか。都心か郊外か選ぶときには、それぞれの特徴を把握することが重要です。この記事では、都心のマンションと郊外のマンション、それぞれの特徴を解説します。また、現在のマンション選びの傾向についても取り上げています。マンション選びの際の参考にしてみてください。
1. 「都心のマンション」と「郊外のマンション」どちらを選ぶか
東京などの大都市圏でマンションを購入する場合、「都心にするか」「郊外にするか」という問題が発生します。一度マンションを購入すると、長年にわたって住む可能性も十分にあるため、慎重になるでしょう。
都心か郊外か検討する場合、それぞれの特徴を押さえておくことが大切です。
1-1. 都心のマンションのメリット・デメリット
ここでは、都心のマンションを購入するメリットとデメリットについて解説します。都心の方が利便性に優れているイメージがあるかもしれませんが、デメリットも少なくありません。
1-1-1. 都心のマンションのメリット
都心のマンションの一番のメリットと言えるのが、利便性に優れていることです。スーパーやコンビニ、ドラッグストア、公共交通機関などが徒歩圏内にあるケースが珍しくないため、日常生活を送る上での不便さは、あまり感じないでしょう。また、商業施設や博物館・美術館のような文化施設、さらには医療機関も充実している点も都心のマンションを購入する大きなメリットだと言えるでしょう。
そのほかにも、勤務先が都心であれば、自転車や徒歩での通勤もできます。飲み会に参加して、夜遅くになったとしても、タクシーを使用せずに帰ることもできるでしょう。また、タクシーを利用するとしても、料金はそれほど高くなりません。
1-1-2. 都心のマンションのデメリット
都心のマンションのデメリットには、価格の高さが挙げられます。狭いマンションが高値で販売されているケースも珍しくありません。また、都心のマンションは、投資目的で購入する方、事務所として使用するために購入する方も少なくないため、実際に居住している方が少なく、管理組合の運営が困難になる可能性もあります。
1-2. 郊外のマンションのメリット・デメリット
続いては、郊外のマンションを購入するメリットとデメリットについて解説します。価格面での強みを持つ郊外のマンションですが、どのような特徴を持っているのでしょうか。
1-2-1. 郊外のマンションのメリット
郊外のマンションを購入する最大のメリットは、都心部に比べて物件の価格が安い点です。例えば、同じ条件のマンションであっても、都心と郊外で比較すると郊外の方が都心の半分程度の価格で購入できるケースもあります。同じ予算を掛けるなら郊外の方が広い物件が購入できるのです。
また、郊外の場合は公園や川といった自然環境が多く、ゆったりとした生活を送れるでしょう。都心で働いていらっしゃるのであれば、職場との距離も取れるためオンとオフの切り替えも行いやすいと言えます。
1-2-2. 郊外のマンションのデメリット
郊外のマンションを購入するデメリットとしては、立地次第では車が欠かせなくなる点が挙げられます。また都心で働いていらっしゃる場合、通勤時間が長くなりがちで、終電を逃すとタクシー代金も高くなってしまうでしょう。しかし近年では、在宅勤務を認める企業も少なくないため、場合によっては長時間の通勤という郊外のデメリットを回避できます。
2. 郊外マンションへ需要がシフトしている可能性
東日本不動産流通機構が発表した2020年7月度の「成約単価」「成約件数」のデータからは、中古マンションの市場動向が都心から郊外へと需要がシフトしている可能性を伺えます。2020年7月度の中古マンションの「成約単価」は、首都圏全体で、前年同月と比べて4.7%アップしています。その中でも、上昇率が高かったのが以下のエリアです。
- 埼玉県 東部地区(17.0%アップ)
- 東京都 多摩地区(16.3%アップ)
- 東京都 城北地区(13.7%アップ)
- 神奈川県 県央地区(12.1%アップ)
- 神奈川県 横浜市(11.8%アップ)
上昇率からは、郊外への需要シフトの動きが起こっていると可能性がうかがえます。
※ コロナ禍の状況で郊外の人気が高まっています。FLIE magazineでは、東京郊外で住みやすいおすすめの街をまとめました。
参考記事: 東京郊外に住みたい方にぴったり!暮らしやすいおすすめの街5選
3. 購入するときは将来のことについても考えておく
マンションを購入する場合、どうしても購入時の価格に気を取られてしまいがちですが、将来ついても考えておくようにしましょう。マンションを購入する方の中には、一生そのマンションで生活する方以外にも、途中で売却する方、賃貸に出す方もいらっしゃいます。売却や賃貸に出す場合、資産価値が高くなければニーズは低くなってしまいます。
一般的に都心のマンションは、以下のような理由からニーズがあり、資産価値を維持しやすいとされています。
- 都心に流入してくる人が多い
- 投資家による不動産購入の動きが活発
- 高齢者や富裕層が相続税対策にマンションを購入することがある
このような背景もあり、都心のマンションは資産価値が下落しにくく、将来の売却するときでも、比較的高値で販売できる可能性があります。
一方で郊外のマンションの場合、購入すると資産価値が2割程度下がると言われています。また、郊外は人口も減少しているため、駅前など利便性の良い物件を除くと、資産価値は下落していくと考えられます。そうなると、将来売却するときになかなか買い手が見つからず苦労することになるかもしれません。
このようにマンションを購入するときは、売却や賃貸に出す可能性があることを考慮しておくことも重要です。
4. まとめ
今回はマンションを選ぶときに覚えておきたいポイントとして、都心のマンションと郊外のマンションのメリット・デメリットを解説しました。都心・郊外ともにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが良いと断言することはできません。そのため、今回の内容を踏まえつつ、まずはマンション購入の際に何を重視するのか考えてみてください。