マンション選びで悩むポイントの一つが「階」の選択です。快適な暮らしのために避けるべき階があることをご存知でしょうか？
本記事では、不動産のプロが「マンションで住んではいけない階」について解説し、後悔しない物件選びのための5つの重要な注意点をお伝えします。
これから物件を探す方はもちろん、現在マンション住まいの方も必見の情報です。
1. マンションの階選びが重要な理由
マンション選びにおいて、間取りや立地と同じくらい重要なのが「階」の選択です。同じ建物内でも、階によって住環境が大きく変わるため、慎重に選ぶ必要があります。
1-1. 階による住環境の違い
マンションの階によって、以下のような点で住環境が変化します：
- 日当たりと眺望
- 騒音レベル
- 防犯性
- 災害時のリスク
- 生活の利便性
1-2. 階選びが生活の質に与える影響
適切な階を選ぶことで、快適な住環境を手に入れられる一方、不適切な階を選んでしまうと、日々の生活に支障をきたす可能性があります。例えば、騒音や防犯面での不安、災害時の避難の困難さなどが挙げられます。
2. マンションで住んではいけない階：5つの注意点
ここからは、マンション選びの際に避けるべき階について、5つの重要な注意点を解説します。
2-1. 1階：防犯面と湿気の問題
2-1-1. 防犯リスクの高さ
1階の最大の問題点は、防犯面でのリスクです。窓やベランダからの侵入が比較的容易なため、空き巣などの犯罪のターゲットになりやすいと言えます。
2-1-2. 湿気対策の必要性
地面に近いため湿気が多く、カビやダニの発生リスクが高くなります。除湿器の常用や定期的な換気が欠かせません。
2-1-3. プライバシーの確保が困難
道路に面している場合、歩行者からの視線が気になり、カーテンを開けづらくなる可能性があります。
2-2. 最上階：夏の暑さと冬の寒さ
2-2-1. 夏季の猛暑対策
最上階は直射日光を受けやすく、夏季は非常に暑くなります。エアコンの使用頻度が高くなり、電気代の上昇につながる可能性があります。
2-2-2. 冬季の暖房効率
冬は屋上からの冷気で部屋が冷えやすく、暖房効率が悪くなりがちです。断熱性能に注意が必要です。
2-2-3. 台風や強風への対策
最上階は風の影響を受けやすいため、台風時には窓や物干し竿の対策が必要になります。
2-3. エレベーター停止階：騒音と交通量
2-3-1. エレベーター利用者の騒音
エレベーターが停止する階は、利用者の話し声や足音が気になる可能性があります。特に深夜や早朝の騒音には注意が必要です。
2-3-2. 人の往来による不快感
エレベーター前の廊下は人の往来が多くなるため、プライバシーが保ちにくくなる可能性があります。
2-4. 13階：消防法の影響
2-4-1. 消防法による制限
消防法により、11階以上の階には非常用エレベーターの設置が義務付けられています。13階は非常用エレベーターの停止階となることが多く、以下のような問題が生じる可能性があります。
2-4-2. 非常時の騒音と混雑
火災などの非常時には、13階が避難や消防活動の拠点となるため、騒音や混雑が発生する可能性があります。
2-5. 低層階（2〜3階）：虫の侵入と騒音問題
2-5-1. 虫の侵入リスク
低層階は地面に近いため、虫が侵入しやすくなります。特に夏季は注意が必要です。
2-5-2. 街路樹による日照不足
街路樹が成長すると、低層階では日照不足になる可能性があります。将来的な環境の変化も考慮する必要があります。
2-5-3. 道路からの騒音
低層階は道路からの騒音が気になりやすいです。交通量の多い道路に面している場合は特に注意が必要です。
3. 理想的なマンションの階の選び方
避けるべき階を知ったうえで、どのように理想的な階を選べばよいのでしょうか。以下にポイントをまとめます。
3-1. 自身のライフスタイルの考慮
3-1-1. 家族構成による選択
小さな子どもがいる場合は、エレベーターの待ち時間が少ない低〜中層階が適しているかもしれません。一方、静かな環境を求める単身者や高齢者には、高層階がおすすめです。
3-1-2. 在宅時間の長さ
在宅時間が長い場合は、日当たりや眺望のよい階を選ぶことで、快適に過ごせる可能性が高まります。
3-2. 建物の特性を把握する
3-2-1. 建物の高さと階数
超高層マンションと中層マンションでは、同じ階数でも住環境が大きく異なります。建物全体の特性を考慮して選択しましょう。
3-2-2. 建物の向きと日当たり
建物の向きによって、同じ階数でも日当たりが大きく変わります。南向きか東向きの部屋が一般的に日当たりが良いとされています。
3-3. 周辺環境の確認
3-3-1. 近隣の建物との関係
近隣に高層ビルがある場合、中層階でも日当たりや眺望が悪くなる可能性があります。周辺の建物の配置や高さを確認しましょう。
3-3-2. 将来の開発計画
周辺地域の開発計画を確認し、将来的な環境の変化も考慮に入れましょう。
3-4. 実際に見学して確認する
3-4-1. モデルルームだけでなく実際の階を見学
可能であれば、実際に住む予定の階や近い階を見学し、騒音や日当たり、眺望を確認しましょう。
3-4-2. 異なる時間帯での見学
朝、昼、夜と異なる時間帯で見学することで、一日を通じての住環境の変化を把握できます。
4. マンションの階選びに関するよくある質問
4-1. 中層階（4〜9階）は住みやすい？
中層階は、低層階の騒音問題や最上階の温度問題を避けられる比較的バランスの取れた選択肢です。ただし、建物の高さや周辺環境によって適切な階数は変わるため、一概に中層階が最適とは言えません。
4-2. 角部屋は避けるべき？
角部屋は採光や通風に優れていますが、外気に触れる面積が大きいため、夏は暑く冬は寒くなりやすいというデメリットがあります。また、エレベーター近くの角部屋は騒音が気になる可能性があります。メリット・デメリットを考慮して選択しましょう。
4-3. 最上階の資産価値は高い？
一般的に最上階は眺望や日当たりの良さから人気が高く、資産価値も高くなる傾向にあります。しかし、建物の経年劣化や設備の老朽化による修繕費用の増加なども考慮する必要があります。
4-4. エレベーターの数は階選びに影響する？
高層階に住む場合、エレベーターの数は重要な要素です。エレベーターが少ないと、混雑時の待ち時間が長くなる可能性があります。特に朝のラッシュ時や、買い物帰りなどの荷物が多い時に不便を感じることがあります。
4-5. ペット可のマンションでの階選びのポイントは？
ペットと暮らす場合、以下の点を考慮しましょう：
- 散歩の利便性：低層階のほうが出入りが楽
- 騒音問題：上下階や隣接する部屋への配慮が必要
- エレベーターの混雑：高層階の場合、ペットとの乗り合わせに注意
5. まとめ：後悔しないマンションの階選び
マンション選びにおいて、住んではいけない階を避けることは重要ですが、それ以上に自分にとって最適な階を選ぶことが大切です。以下の点を意識して選択しましょう。
- 自身のライフスタイルと優先順位を明確にする
- 建物全体の特性と周辺環境を十分に調査する
- 可能な限り実際に見学し、体感する
- 将来的な変化も考慮に入れる
- 専門家のアドバイスを積極的に活用する
適切な階選びは、長期的な住み心地と資産価値に大きく影響します。時間をかけて慎重に選択することで、快適なマンションライフを送ることができるでしょう。
最後に、マンション選びは個人の価値観や生活スタイルによって大きく異なります。この記事で紹介した情報を参考にしつつ、自分自身にとって最適な選択をすることが何よりも重要です。プロの意見を聞いたり、複数の物件を比較したりしながら、納得のいく階選びをしてください。
