部屋の乾燥には保湿器を取り入れるのが一般的ですが、保湿器でも乾燥が防げないケースがあります。肌がカサカサになってしまったり、喉がカラカラになってしまったりと困った経験をした方もいらっしゃるはずです。
特に冬場は乾燥が著しく、何か対策できないかと悩まれている方もたくさんいらっしゃいます。部屋で乾燥が引き起される原因はなんでしょうか。乾燥の危険性と対策を解説していきます。部屋の乾燥にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
1. 部屋が乾燥する原因
乾燥は大気の温度変化によって引き起こされます。人間が快適に過ごせる温度は20度から28度です。
しかし、冬場の気温は日中で10度前後、夜になると氷点下になる場合もあります。この温度変化により、相対湿度が低下することで乾燥している状態が続きます。
1-1. 冬に乾燥する仕組み
冬といえば乾燥するイメージですが、それは一部の地域に限ります。冬になると、シベリア気団という冷たい空気の高気圧が日本を横断します。それが日本海を通過する際に湿った空気となり、そのほとんどが雪となります。雪は日本海側でよく降り、太平洋側には乾燥した空気が流れ込みます。つまり、冬場に乾燥するのは太平洋側にある地域に多い話です。日本海側は太平洋側ほど乾燥しません。
1-2. エアコンの付けっぱなしは危険
エアコンは室内を快適な温度に保つ最適な機械ですが、乾燥という面では相応しくありません。一般的に室内の気温が上がるほど、相対湿度が低下するといわれています。エアコンで急速に室内温度を上げてしまうと、屋外と室内の温度差が著しく出てしまうため、乾燥しやすくなります。
さらにエアコンを付けっぱなしにすることで空気の循環が上手くいきません。空気の流れが悪い場所での過度な温度上昇や長時間の加湿は結露の原因にもなるため、避けるようにしましょう。
防寒対策をするなら、エアコンなど機械を使うのではなく、湯たんぽを使用したり重ね着したりしましょう。カーテンを厚手のものにするのも有効的ですよ。
2. 部屋の乾燥によるトラブル
部屋が乾燥するとどのような問題が起こるのでしょうか?主な身体症状や災害を解説していきます。
2-1. 肌荒れを起こす
皮膚は皮脂膜と角質層で守られています。しかし、乾燥によって角質層の水分が不足してくると、ひび割れやかさつきなど肌荒れを起こしやすくなってしまいます。特に敏感肌の方はニキビや吹き出物など炎症を引き起こす可能性もあるため、充分に注意しましょう。
2-2. 脱水症状になる
脱水症状は夏場になるというイメージですが、冬場でも症状があらわれる可能性があります。乾燥により、皮膚から水分が蒸発してしまうと、気が付かないうちに脱水症状を起こしていることもあります。脱水症状が起きてしまうと、手足のしびれや頭痛などを引き起こしてしまうため、こまめな水分補給で体調の変化を見逃さないようにしましょう。
2-3. 風邪になりやすい
ウイルスは乾燥すると活発化します。インフルエンザもその一つです。乾燥によって、身体のあらゆる部分の粘膜が弱まってしまいます。そのため、ウイルスが侵入しやすいのです。部屋の乾燥を防ぎ、健康的な身体で日々を過ごしましょう。喉のケアをしておくのもおすすめです。
2-4. ドライアイになりやすい
ドライアイも乾燥が原因です。部屋の乾燥が続くと、目の水分が奪われてしまい、眼球や角膜、結膜の乾燥を引き起こしてしまいます。エアコンの風が当たる場所に長時間いるとドライアイになりやすいため、注意しましょう。定期的に目薬を点すこともおすすめです。
2-5. 火災の原因になる
部屋が乾燥していると火災を引き起こしやすくなります。冬場に火事が多いのも乾燥しているためです。乾燥している状態は水分が少ないため、一度ついた火は一気に燃え広がります。近隣の住宅まで被害が及ばないように、暖房器具やコンロの後始末は徹底しましょう。
3. 部屋の乾燥を防ぐ方法
部屋の乾燥を防ぐ方法は主に以下の5つ。
どれもすぐに取り入れられる簡単なものです。積極的に取り入れてみましょう。
3-1. 洗濯物を干す
洗濯したばかりの衣類やタオルは水分をたくさん含んでいます。室内に洗濯物を干すことで水分がゆっくりと蒸発するため、加湿効果も高まりますよ。ただ、室内に洗濯物を干すと、生乾き臭も発生します。日差しが入る窓辺に干したり、部屋干し用の洗剤を使ったりして対策しましょう。
3-2. 霧吹きをかける
原始的な方法ですが、室内で霧吹きをかけるのもおすすめです。霧吹きは100円ショップでも購入できるため、気軽に取り入れられますね。1日の中で数回に分け、カーテンやカーペットなど水分を含みやすい素材に吹きかけましょう。霧吹きは目が細かい方が拡散するため、ファブリックを汚さずに室内全体を加湿できます。
3-3. 床を水拭きする
床を雑巾で水拭きするのも有効的です。乾燥予防のためにこまめに掃除を行いましょう。室内のホコリを取り除くことでウイルス対策もできます。
3-4. 植物を置く
植物には水分を吸い上げ、外部に放出する蒸散の作用があります。この蒸散によって、室内の水分も増えますよ。インテリアとしての効果もあるため、観葉植物を飾っておくのも良いのではないでしょうか。植物の種類によりますが、水あげをこまめにしなければならないこともあるため、ご注意ください。
※ 参考記事: 「グリーンを身近に感じよう。観葉植物のある暮らしを紹介」
3-5. 室内でもマスクをつける
マスクをつけると、呼吸によって湿気がマスク内に留まります。保湿効果もあるため、室内でマスクを着用するのも乾燥対策として有効的です。起床時に乾燥で喉が痛いなどの症状がある方は就寝時にマスクをつけることをおすすめします。最近では、リラックス効果のある香り付きマスクや耳が痛くならないゴムなしのマスクなどさまざまな種類のマスクが展開されていますよ。自分に合うものを探してみましょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は部屋の乾燥が起こる原因と問題点、解決策を解説しました。乾燥対策はすでに乾燥でお困りの方はもちろん、健康状態を保つために必要なことです。ここで紹介した対策方法を実践し、快適な生活を送りましょう。
湿度が上がると体感温度も高くなるため、寒さを和らげることもできます。乾燥に効果的な方法は他にもたくさんありますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。
※ 参考記事: 「暖かいお部屋作りの秘訣は湿度と窓!暖房の節約方法も紹介」