「団地をリノベーションする」という選択肢、その魅力や注意点

リノベーション
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自分好みの住まいをリーズナブルに手に入れることのできる住まいの選択肢として、一般的になりつつあるリノベーション。その究極と言っていいのが団地リノベーションと言えるかもしれません。
価格の安さだけではなく、団地ならではの魅力にハマって、あえて団地を選択する方も少なくありません。
今回は、団地リノベーションの魅力やメリット、注意すべき点について解説していきます。

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1. 団地とは?

皆さんが知っている「団地」について、あらためて詳しく見ていきましょう。

団地とは、一つの土地に複数の住宅が建つ住宅の集合体を意味するもの。定義から言えば戸建ての集合体でも団地と呼ばれることになりますが、一般的には自治体が管理運営する公営団地や、UR都市機構(旧:日本住宅公団)が管理運営する公団住宅を指します。

団地は、戦後の住宅不足を解消するために供給されたもので、高度成長が始まって間もない昭和31年に初めて生まれました。

当時は人気だった団地も、民間住宅の供給が進んだことや、建物の老朽化によって「時代遅れ」的な印象を持つ方も多く住人離れも進んでいきましたが、近年リノベーションが普及したこともあり、団地本来の魅力・価値が見直され、住まいとして注目されつつあります。

また、近年、大学や民間企業などと連携した大規模な団地再生プロジェクトも複数推進されています。有名なものでは、UR都市再生機構と無印良品の団地リノベーションプロジェクトがあり、皆さんもメディアで見かけたことがあるのではないでしょうか。

ちなみに、団地というと賃貸のイメージが強いと思いますが、分譲タイプも多くあるため、中古マンションを買ってリノベーションしたいという方にもおすすめです。

参考: https://www.muji.net/ie/mujiur/

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2. 団地の魅力って?

団地には、価格の安さだけでなく、団地でしか手に入らないような様々な魅力があります。

ゆとりのある敷地

やはり、なんといってもゆとりのある敷地が一番の魅力と言えるでしょう。

団地というと、緑の芝生や敷地内の公園、一棟一棟が離れて建っているといったイメージをお持ちではないでしょうか。

民間のマンションは、敷地をなるべく有効に使いたいため、建物や駐車場が目いっぱい建てられるのが一般的です。

一方で、団地は一棟一棟の間隔も広くゆったりとした敷地を持ち、緑豊かで住環境も良好。周囲に高い建物もないため、採光や風通しの良さもよく、住まいとしての好条件がそろっています。小さなお子様がいらっしゃるファミリーにもぴったりですね。

また、容積率、建蔽率も低いため、将来建て替えということになっても住戸数を増やすことができるというのもメリットです。

価格の安さ

そして、物件を手頃な価格で購入できることも大きな魅力です。

団地は、高度経済成長期に建てられた物件が多く、築30~40年以上のものがほとんどです。

マンションの価格は、新築から中古になった途端に2割ほど下落し、その後築年とともに価格が徐々に下落。築20年くらいで下げ止まり、それ以降は横ばいというのが一般的な価格の推移となるため、物件の購入費用を安く抑えられるのです。

価格が安くなる分、リノベーションや新居のインテリア費用に充てたり、将来のライフイベントのために貯金したりと、賢くお金を使うことができますね。

利便性、アクセスの良さ

団地の敷地内や周辺には、スーパーや医療機関、商店が建ち、まるで小さな町を形成しているような団地も少なくありません。
また、駅の近くに建てられているものや、駅から離れている物件でもバス便が充実しているなど、交通アクセスの良さもメリットです。
こうした周辺環境やアクセス条件の良さは、不動産の資産価値を保つ上でも大きな魅力となります。

建物構造の強さ

築年数が古い物件であれば、建物の耐久性や耐震性を心配される方も多いと思います。
団地は、建物を壁・床・天井で支える構造「壁式構造」で作られている物件が多く、また耐震診断や耐震補強が行われているケースが多いため、比較的耐震性に優れていると言えます。

住民間のコミュニティが形成されている

団地には、共用部の管理や季節の行事などを行う自治会が存在しているところも多く、住民同士のコミュニティが形成されているのも魅力です。都会ではご近所づきあいがほとんど見られなくなりましたが、何かあったときに助け合える関係性があるというのも心強いですよね。

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3. 団地リノベーションで注意すべき点

様々な魅力やメリットがある団地ですが、リノベーションを行う際には注意すべき点があります。購入してから、希望のリノベーションが叶わなかったということにならないよう、あらかじめ注意点を確認しておきましょう。

壁式構造の場合は、大幅な間取り変更ができないことも

団地の建築構造には「壁式構造」のものが多いことは、団地の魅力の中でもご説明しました。
しかし、壁式構造は耐震性に優れている一方で、構造躯体となっている壁は壊すことができないために、リノベーションを行う上でデメリットとなる可能性が高いと言えます。

区切られていた部屋の壁を取り払って広々としたリビングにしたいといった場合に、壁が壊せないために希望が叶わないという可能性もあるのです。

特に、浴室は小さく区切られていることが多いため、既成のユニットバスが入らないというケースもあります。

建物の構造や壁が壊せるものかどうかは、現地を確認してみれば事前にわかるものです。気になる団地物件が見つかったら、リノベーションのプロに現地を見てもらい、希望の間取りが叶いそうか相談することをおすすめします。

断熱性能が低い

築浅のマンションであれば、断熱対策があらかじめ施されているものがほとんどですが、築30~40年の団地の場合、断熱性能がほとんどされていません。リノベーションでお部屋を綺麗にしても、結露や寒さに悩まされては意味がありませんよね。
そのため、リノベーションの際には断熱性を高める施工を行う費用は、あらかじめ多めに見ておく必要があります。

水回りが動かせないことも

築年が古い物件の構造として、床スラブに配管が貫通しているものがあります。
その場合、すべての配管を交換することが難しく、また水回りの移動を行うことが難しくなります。
すべての物件に限ったものではありませんが、団地などの古い物件では多く見られるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

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4. まとめ

今回は、団地リノベーションの魅力やメリット、リノベーションをする上で注意しておきたい点について解説してきました。
団地でしか手に入れられない住環境はやっぱり魅力的ですよね。物件購入費を安く抑えられる分、こだわりのリノベーションで住空間にお金を掛けることもできます。団地リノベーションは、賢く、楽しく、気持ちよく暮らすことのできる住まいの選択肢と言えますね。

団地インテリアについても別の記事でご紹介しています。是非あわせてご覧ください。

※ 参考記事: 「団地に向いているインテリアとは?コーディネートのコツを解説!