天井と壁の繋ぎ目にあるのが「廻り縁」です。最近の住宅は廻り縁を取り入れていることが多く、リビングや寝室などあらゆる場所で役立ちます。
自宅に廻り縁を設置する魅力はどこにあるのでしょうか。今回は、廻り縁のメリットやおすすめの選び方・主な種類をご紹介していきます。
廻り縁を取り入れた住宅に住みたいという方やおしゃれな内装をつくりたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。廻り縁があるとないでは印象も大きく異なるため、自宅を設計する際は慎重に選んでいくと良いでしょう。
1. 廻り縁の魅力とは
まずは、廻り縁を設置するメリットから見ていきましょう。廻り縁は壁と天井の見切りとして施行される部材で、以下のような役割を持っています。
それぞれの特徴をしっかりと押さえ、自宅の設計に活かしてみてください。
1-1. インテリア性が高まる
廻り縁は天井と壁をしっかりと区切るため、メリハリの付いた室内を演出できます。廻り縁がない住宅だと締まりがないため、野暮ったい印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。
お部屋のインテリア性も高まるため、おしゃれな空間をつくりやすいのが特徴です。内装のアクセントにもなるため、空間がくっきり見えます。
1-2. 高級感を演出できる
廻り縁の種類によっては、高級感のある内装に仕上げることも可能です。特に、白を基調とした洋風の建物に仕上げるときは、敢えて厚みのある廻り縁を選ぶことで高級感が増します。
また、デザイン性の高い廻り縁を選べば、インテリアの一部として空間を引き立てることができるでしょう。
1-3. 隙間をなくせる
廻り縁は空間の隙間をなくせることもメリットです。天井付近をしっかりと隠せるため、木に動きがあった場合でも綺麗な雰囲気をつくれます。
クロスが剥がれてしまった際も壁と天井の間にある隙間を隠すため、清潔感を維持できるでしょう。その他、施工後の隙間隠しとしても重宝します。
1-4. スッキリとした印象がつくれる
スッキリとした印象がつくれるのも廻り縁の魅力でしょう。狭い空間であっても、廻り縁があれば部材の間に隙間がないため、開放感を感じられるはずです。
ただ、色味によっては圧迫感が出やすいため、なるべく明るい色を選ぶことをおすすめします。シンプルな内装にしたい場合はホワイトの廻り縁が良いでしょう。
1-5. 種類によって雰囲気が異なる
廻り縁は、シンプルなものから曲線的でエレガントなものまでデザインの種類が豊富です。商品によってさまざまな雰囲気をつくれるため、用途や好みに合わせて取り入れてみましょう。
廻り縁を選ぶ際は、部材の太さにも注目すると、より高級感のある空間が演出できます。
2. おしゃれな廻り縁の選び方
おしゃれな室内をつくるためには、どのように廻り縁を選んだら良いでしょうか。以下では、おすすめの選び方をご紹介していきます。
それぞれ要点を押さえて、実際の住宅づくりで役立てていきましょう。
2-1. 床の色と合わせる
1つ目にご紹介するのは床の色と合わせる方法です。床の色と廻り縁を統一することで、空間全体が包み込まれているような印象になります。
ナチュラルブラウンの床なら廻り縁もナチュラルな色合いにするなど、コーディネートにこだわりを持ってみましょう。お部屋のテーマを決めておくと選びやすくなります。
2-2. 壁の色と合わせる
壁の色と合わせる方法もおすすめです。廻り縁と壁の色を統一すると、壁面が広く感じられ、天井も高く感じるでしょう。
開放的な空間を演出できるため、狭いお部屋にも向いています。ただ、暗い色にしてしまうと窮屈さが出てしまうため、なるべく明るい色を採用しましょう。
2-3. 天井の色と合わせる
6畳以下の比較的狭いお部屋に廻り縁を設置する場合は、天井の色と合わせると良いでしょう。空間が広く感じられ、開放的な雰囲気が楽しめます。
逆に広いお部屋では、天井の色と合わせない方が空間が安定するでしょう。廻り縁はアクセントとしてはっきり見せることをおすすめします。
2-4. 全体の雰囲気で選ぶ
空間全体の雰囲気で決めるのも良いでしょう。ヨーロッパ調の内装なら豪華な装飾のある廻り縁を、シンプルモダンの内装なら飾りのない落ち着いた廻り縁を選ぶのがおすすめです。
お気に入りのインテリア画像などをたくさん集め、どんな空間にしたいか考えていくことが大切です。
2-5. サイズで選ぶ
高さや厚みで選ぶのもおすすめです。高さや厚みが異なれば、印象も大きく左右されるため慎重に選ぶようにしましょう。
お部屋の広さや間取りを考慮して、適切なサイズを検討することが大切です。事前に設置できる廻り縁のサイズを計測しておくと、購入時に失敗することも少ないでしょう。
3. 廻り縁の種類
最後に、廻り縁の種類をご紹介していきます。種類によって空間の印象が大きく左右されるため、しっかりと特徴を押さえておくことが大切です。
3-1. 木製
自然な印象をつくりたいのであれば、木製の廻り縁を選びましょう。温かみのある木目や質感が楽しめるため、ナチュラルスタイルに向いています。
存在感もあるため、天井や壁の間に取り付ける装飾品としての活用も可能です。無垢材を選べば、経年変化も楽しめます。
3-2. 塩化樹脂
塩化樹脂の廻り縁も住宅で取り入れられることが多い種類の一つです。清潔なホワイトを基調としたシンプルなデザインが一般的で、曲げられる製品もあります。
曲線の天井と壁の隙間にフィットするため、あらゆる場面で活躍するでしょう。木製よりも火に強く、環境にも優しい素材として人気です。
3-3. 金属
金属の廻り縁はツヤのある光沢感が特徴です。アルミやステンレスを用いているため、高級感のある住宅を演出できます。
ただ、他の種類より高価で、内装デザインと合わないと浮いてしまう可能性があることは注意点です。金属の廻り縁を採用する際は、全体のバランスをしっかりと考慮しましょう。
3-4. 形状
廻り縁の形状は大きく、コ型廻り縁と十手廻り縁の2種類に分けられます。
コ型廻り縁は天井と壁に当たる部分がカタカナの「コ」に似ているため、そのような名前が付けられているのが特徴です。隙間を綺麗に埋められるため、スッキリとした内装に仕上がります。
また、十手廻り縁は壁面に底を設けた形状です。「隠し廻り縁」や「目透かしタイプ」と呼ばれることもあります。廻り縁が壁や天井の隙間から少し見えるため、壁仕上材・天井仕上材の間がやや奥まっているのが特徴です。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、廻り縁の役割やおすすめの選び方・主な種類についてご紹介しました。廻り縁は種類によって空間の印象が大きく異なるため、素材の特徴を理解した上で、慎重に選ぶことが大切です。
廻り縁の選び方としては、床や天井・壁などと合わせる方法やサイズで選ぶ方法・インテリアスタイルから決める方法などがあります。それぞれのライフスタイルや好みに合わせて考えていきましょう。
商品を選ぶ際は、素材の他にも形状や高さ・太さにも注目すると、より快適な空間がつくれます。設置してから後悔することがないように、事前に確認しておきましょう。
廻り縁はお部屋の見た目を左右する要素であるため、あるとないでは生活のしやすさが変わってくるはずです。
※ 併せて「幅木(巾木)とはどのような役割がある?選び方や施工時の注意点を解説!」もご覧ください。