自宅をリフォームする際に室内引き戸を取り入れたいと考えている方は大勢いらっしゃるでしょう。室内引き戸にはどのような特徴があるのでしょうか。
室内引き戸は設置する場所によっても向き不向きがあるため、それぞれ種類ごとに特徴を押さえておく必要があります。自宅に室内引き戸を取り入れたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
1. 室内引き戸のメリット
引き戸とはスライド式の扉のことです。戸を溝やレースに嵌めて、その上を往復させます。床に設置することが一般的ですが、最近では天井から吊り下げるタイプの商品もあります。
室内引き戸はリビングや玄関、脱衣所など住宅のあらゆる場所に設置可能で生活の幅が広がります。そんな室内引き戸のメリットは何でしょうか。代表的なメリットを5つご紹介します。
1-1. 開閉がスムーズ
室内引き戸は戸を横にスライドさせて開閉させます。開き戸のようにドアノブがあるわけではないため、小さなお子さんや高齢者でも簡単に開閉可能です。少ないスペースで開閉できるため、空間を広く使え、人やものにぶつかる心配もありません。人がよく出入りするリビングや玄関にもおすすめです。
1-2. いろいろな空間の使い方ができる
室内引き戸は空間の使い方が自由です。戸を開き、広い1つの空間にしたり、戸を閉め、各空間で使い分けたりとさまざまな使い方ができます。開き戸ではデッドスペースになるようなスペースも無駄なく活用できるでしょう。空間を有効活用できるのは引き戸の大きな魅力です。家族の多いファミリー層に重宝します。
1-3. バリアフリーに対応している
車椅子やベビーカーでの移動がしやすいのも室内引き戸のメリットです。バリアフリーに対応した造りであるため、二世帯住宅などに多く取り入れられていますよ。荷物の多い日でも引き戸ならスムーズに動線が確保できますね。
1-4. 怪我や事故のリスクが低くなる
最近では、ゆっくり開閉するタイプの室内引き戸もあります。怪我や事故のリスクも減り、安全に暮らせる仕組みが整います。また、引き戸はスライド式です。手を扉に挟むリスクも軽減されますよ。怪我や事故の観点から引き戸を選ぶ方もたくさんいらっしゃいます。状況に合わせて、商品を決めていきましょう。
1-5. 採光や風の量を調節できる
室内引き戸は状況に合わせて開閉具合を調節できます。ストッパーを使わなくても、採光や風を調節可能です。より自然な暮らしが叶えられるでしょう。室内引き戸の設置場所は窓やお部屋の向きに合わせることをおすすめします。
2. 室内引き戸のデメリット
室内引き戸はさまざまなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。デメリットとなる部分を事前に知っておくことで後悔なく引き戸のある生活を楽しめます。以下で室内引き戸の代表的なデメリットを5つ見ていきましょう。
2-1. 気密性は劣る
室内引き戸は開き戸に比べると、気密性や断熱性が低く、機能面では少し物足りなさを感じるかもしれません。冷暖房効果が薄れてまう可能性もあります。ただ、その分、通気性は良いため、脱衣所など湿気の篭りやすい場所ではメリットになるでしょう。目的に合わせて扉の種類を使い分けましょう。
2-2. 開閉時に音が出る
室内引き戸は開閉をする際に音が出やすく、生活の中で気になる場合もあります。特に寝室に設置する際は寝ている人を起こさないように開閉時の音には気を付けましょう。
2-3. 設置できる場所が限られる
室内引き戸は戸を引き込むスペースが必要です。引き戸を検討している方はその場所が設置可能か事前に確認しましょう。また、引き込むスペースは壁として使えないため、インテリアの邪魔になる可能性もあります。
2-4. 防音性が低い
引き戸は扉と扉の間に隙間ができるため、音が漏れやすい特徴があります。客間などに引き戸を取り付けるのはあまりおすすめしません。メリットとデメリットを考慮した上で設置するか判断しましょう。デザインだけで選ばないようにしてください。
2-5. 掃除が手間
室内引き戸には溝やレールがあります。掃除を怠っていると、ホコリも溜まりやすいため、掃除はこまめにしなければなりません。埃が溜まり、それらを引き摺りながら開閉していると、引き戸自体が壊れてしまうことも。長く使うためにもお手入れは定期的に行いましょう。
3.室内引き戸の種類
室内引き戸には開閉スタイルによって、以下の4種類に分けられます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。ライフスタイルに合わせて適切な商品を選んでくださいね。
3-1. 片引き戸
1枚の戸を左右どちらかにスライドするタイプの引き戸です。最も一般的な種類で賃貸物件にも多く取り入れられています。戸の数は1枚だけでなく、2枚や3枚など複数取り付けられている商品もあります。
3-2. 両引き戸
左右にスライドさせるタイプの引き戸です。間仕切り扉としても活用できるため、さまざまな空間の使い方ができます。デザインに関してもパネル状のものや採光ができるものなど豊富です。用途に応じて、お気に入りのデザインを選びましょう。
3-3. 引き違い戸
2枚の戸をスライドさせ開閉できるタイプの引き戸です。左右どちらにも開閉できるため、生活の動線を自由に組むことができます。ただ、設置には2枚分の費用が必要です。開閉スペースがない場合はその分のスペースを広げなくてはならないため、追加工事が必要になる場合もあります。
3-4. 引き込み戸
戸を壁の中に引き込むタイプの引き戸です。扉は戸袋に収納するため、見た目がスッキリします。ただ、引き込み戸は戸袋を設置するための改修工事が必要です。工期が長く、費用も高額になる可能性が考えられます。戸袋はゴミが溜まりやすい特徴もあるため、掃除は手間が掛かるかもしれません。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は室内引き戸のメリットやデメリットについて解説しました。室内引き戸は空間を有効活用できるため、バリアフリー住宅にはおすすめですが、よく考えて設置しないと、お手入れや性能面でストレスが溜まってしまうこともあります。
室内引き戸を設置する際は目的をよく考え、必要な場所に設置しましょう。
※ 室内ドアの種類やリフォームについては、「室内ドアのリフォーム事例とは?種類やケース別の費用を解説!」で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。