住宅選びで失敗するポイントにはさまざまなものがありますが、その中でもよく考えなければならないのが「コンセントの位置」でしょう。
冷蔵庫や掃除機・テレビ・パソコンなど家の中で使用する家電は多く、コンセントが必要不可欠です。コンセントの位置が悪いと、生活する中で不便さを感じてしまうこともあるため、しっかりと計画しておく必要があります。
そこで今回は、住宅選びにおけるコンセントの失敗事例や設置場所の決め方・注意点などをご紹介していきます。これからお部屋探しをする方やマイホームを新築する方はぜひ参考にしてみてください。
1. コンセントの位置でよくある失敗
まず、コンセントの位置でよくある失敗事例を見ていきましょう。事前によくある失敗を知っておけば、お部屋探しや設計の際に同じ失敗をすることもなくなります。
入居後に後悔することがないように、しっかりと計画していきましょう。
1-1. 低くて使いづらい
住宅のコンセント問題でよくある失敗の一つは、コンセントの高さです。低い場所にあるコンセントは何かと使いづらく、家電を使用したときに不便さを感じてしまいます。
家のコンセントは多ければ良いというものでもないため、使い勝手の良い高さに設置するようにしましょう。
1-2. 欲しい場所に設置されていない
コンセントの使用目的をしっかりと考えておらず、欲しい場所にないという失敗も多い傾向にあります。住宅の中でコンセントが必要な場所はたくさんありますが、廊下や玄関・駐車場・納戸は特に忘れやすいため注意が必要です。
お部屋を探す際や住宅を新築する際は、暮らしを想像しながら適切な場所にコンセントが設置されているか確認するようにしましょう。
1-3. 家具を置く場所に設置されている
家具のレイアウトによっては、家具とコンセントが被ってしまうこともあります。家具の裏でも工夫すればコンセントは使用できますが、長期間抜き差ししなくなるため、ホコリが溜まりやすくなるでしょう。
このような状態は火災の原因ともなり得るため、家具はコンセントから離して置くことをおすすめします。
1-4. ブレーカーが落ちてしまった
コンセントの設置場所によっては、ブレーカーが落ちてしまうケースもあります。コンセントの数が増えても、上限となる電気容量は変わらないため、消費電力の多いものを使用する際は配線を見直すことが大切です。特にコンセントを増設する場合には注意が必要でしょう。
2. コンセントの設置場所
続いて、コンセントの設置場所を空間別に解説していきます。それぞれの空間で必要な個数や適切な場所は変わってくるため、用途を考えながら計画していきましょう。
2-1. 玄関
玄関のコンセントは少ない数で済むように感じますが、実は使用用途が多い空間です。電動自転車の充電やアロマディフューザー・虫取り器などコンセントを使用する場面が意外にもたくさんあります。
適切なコンセントの位置は家電ごとに異なるため、どのように使用するか考えて設置すると良いでしょう。充電を目的とするなら下の方、防虫や脱臭を目的とするなら腰高がおすすめです。
2-2. リビング
リビングで使用する家電は掃除機やテレビ・パソコンなどさまざまなものがあります。こちらも使用する目的をしっかりと考えて、コンセントの位置を決めることが大切です。
リビングの広さによって必要なコンセントの個数も変わってきますが、10帖ほどなら5個程度が良いでしょう。
2-3. キッチン
キッチンで使用する家電は冷蔵庫や電子レンジ・ケトル・トースターなどです。家電を設置する場所に合わせてコンセントを付けることで、スムーズな動線が確保できるでしょう。
キッチンで必要なコンセントの個数は6個前後です。どのように暮らしていくか優先順位を明確にしておくと良いでしょう。
2-4. 寝室
寝室もあまりコンセントを使用しないと思いがちですが、スマートフォンの充電など意外にもコンセントが必要です。スピーカーやテレビなど音響機器を導入する場合は、床から20cm程度上に設置すると良いでしょう。
また、高齢者や小さなお子さんがいる場合は、フットライトを設置するのもおすすめです。ドア付近にコンセントを付け、足元を明るくしましょう。
2-5. ベランダ
ベランダで使用する家電は、高圧洗浄機や照明器具・防犯カメラなどです。ベランダでのコンセント設置は雨天時のことも考慮する必要があります。
床面に近いと雨の日に濡れやすくなるため、床面より40cmほど離して設置しましょう。ベランダで家電を使用することが多い方は、外にもコンセントが設置されているか確認することをおすすめします。
3. コンセントの位置を決める際の注意点
最後に、コンセントの位置を決める際の注意点をご紹介していきます。以下のポイントを押さえておけば、コンセント問題で失敗する心配もなくなるでしょう。
3-1. 迷ったら設置しておく
コンセントを後から増設する場合の費用は1万円〜2万円前後です。一方、初めから付ける場合は5千円程度で済みます。
コンセントは多く設置しても後悔することが少ないため、迷ったら設置しておくと良いでしょう。その際は、将来の生活も見越した上で位置を決めることが大切です。
3-2. 目につきやすい場所は避ける
コンセントを目につきやすい場所に設置することはおすすめできません。コンセント自体は目立たなくても、コードが付いていると部屋の印象を悪くしてしまいます。
ごちゃごちゃした空間になってしまうため、目につきやすい場所にコンセントは設置しないようにしましょう。
3-3. 使う家電の高さを考慮する
使用する家電の高さを考えてコンセントを設置するのも大切です。一般的なコンセントの高さは床から25㎝ですが、使用する家電によっては使いづらい場合もあります。
特に棚の上や机の下は使い勝手が悪くなるため、コンセントの位置を見直しましょう。冷蔵庫や洗濯機で使用するコンセントは特に配線がごちゃつきやすいため、適切な位置を検討する必要があります。
3-4. 将来的な変化も考える
コンセントの位置を決める際は、将来的な変化も考慮することが重要です。家族構成が変わったり便利な家電が登場したりする可能性もあります。
コンセントは多過ぎても困ることは少ないため、ある程度余裕を持ったプランを立てることがポイントです。間取り変更にも対応できる設計だとなお良いでしょう。
3-5. 収納の中に設置するのもおすすめ
引き出しの中や階段下・床下収納など収納の中にコンセントを設置すると、スッキリとした印象になります。コードも隠せるため、ごちゃついた雰囲気も解消できるでしょう。
見栄えを気にしてコンセントを抜き差しする必要もないため、手間を省けます。コンセントを設置する際は収納家具への設置も検討してみてください。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、コンセントの位置に関して失敗事例や設置場所を考える際のポイントをご紹介してきました。使用する家電によって適切なコンセントの位置は変わってくるため、それぞれの目的に合わせて設置場所を決めるようにしましょう。
その際は、将来的な変化にも対応できる設計を練ることをおすすめします。