住宅選びで重視するポイントは間取りや立地などさまざまなものがありますが、よりスタイリッシュな空間に住みたい方は土間のある家に住むことをおすすめします。
土間は日本古来の住宅から取り入れられており、土足で歩けるスペースが多く確保できます。それによってあらゆるメリットを生み出すため、より快適な空間になることでしょう。
しかし、デメリットについても知っておかないと、住んでから後悔します。そこで今回は、土間のある家に住む魅力や注意点をご紹介していきます。
1. 土間のある家に住むメリット
まず、土間のある家に住むメリットから見ていきましょう。土間の魅力は最大限活かしていくことで、より豊かな暮らしが手に入ります。一つ一つの特徴を押さえ、ライフスタイルに合わせて組み合わせていきましょう。
1-1. 外部との一体感が生まれる
土間は庭やバルコニーなど外部との繋がりを感じられるため、開放的な造りを演出できます。玄関や庭と連結させれば靴を履いたままでも作業ができるため、雨の日にも便利です。雨で濡れた傘やレインコートを仮置きすることもできるため、スペースを有効活用できます。
1-2. デザイン性を高められる
土間のある空間は家全体のデザイン性を高められるのも魅力です。モダンな印象もつくりやすいため、大人っぽい印象の空間を作れるでしょう。
土間がある部分はアクセントにもなるため、お部屋の中でも特に目立たせたい場所に施工することをおすすめします。そのためにも家の全体的なイメージを思い描いておきましょう。
土間にモルタルを使用するとスタイリッシュな空間を演出できます。
※ 参考記事: 「モルタル床の魅力とは?デメリットやおすすめの施工場所もご紹介!」
1-3. メンテナンスが簡単
土間はメンテナンスが簡単にできるところもメリットです。耐水性もあるため、水拭きもできます。泥や土などをサッと拭き取れるため、清潔な状態を保つことが可能です。
お子さんが汚れて帰ってきても、汚れを室内に持ち込む心配もありません。土間は子育て世代に安心の設備ともいえるでしょう。
1-4. 収納スペースを増やせる
玄関に土間があると、収納スペースが増やせるためスッキリとした空間が保てます。自転車やベビーカー、スポーツ用品など大きなものや背の高いものも気軽に収納可能です。
自宅の収納スペースに困っている方は、土間の設置を検討してみても良いでしょう。その際は、どんなものを置きたいか事前に把握することをおすすめします。
※ 玄関の土間収納については、「玄関に土間収納を設置するメリットは?設置のポイントも解説!」で詳しく解説しています。
1-5. フレキシブルに活用できる
土間はパブリック・プライベートどちらにも利用しやすい空間です。友人や親戚が来た際にもてなす空間としても活用できるため、リビングを片付ける必要もありません。
また、インナーバルコニーとしても活用でき、コミュニケーションの場を増やすことも可能です。それぞれの用途に合わせてフレキシブルに利用できるのは大きな魅力でしょう。
2. 土間のある家に住むデメリット
続いて、土間のある家に住むデメリットについてご紹介していきます。土間は使い方によって不便さを感じてしまう場合もあるため、ここで注意点やその対策について知っておきましょう。
2-1. 冬場は寒い
土間は地面に近いため、冬場は冷え込みます。物を置くだけのスペースなら問題ありませんが、頻繁に使用したり長居したりする場合には対策が必要です。
床暖房を設置したり断熱材を取り入れたりして温かさが持続する環境を整えましょう。あまり費用を掛けられないという方は、ロールカーテンやパーテーションなどで間仕切りを行うことをおすすめします。
2-2. 床に段差ができる
土間が設置されるのは生活空間から一段下がった場所になります。床に段差ができるため、つまずく恐れもあるでしょう。
特に高齢者や小さなお子さんがいるご家庭では、段差の少ない造りにすることをおすすめします。将来的には、バリアフリーに対応できるような構造にしておくと便利です。
2-3. 汚れが目立つ
土間は水洗いできる反面、お手入れをしていないと土や泥・ホコリなどの汚れが目立ちやすい特徴があります。軽い汚れであれば掃き掃除をするだけでも綺麗になるため、定期的にメンテナンスをするようにしましょう。
水道設備や排水溝を周辺につくっておくと楽にお手入れができます。
2-4. 居室との行き来が大変
土間の設置場所によっては、動線が確保しづらく行き来が大変になってしまう可能性もあるでしょう。特にリビングやキッチンなど居室の間に土間を設置してしまうと、移動の度に靴の脱ぎ履きをしなければなりません。
移動のしやすさを考えるなら玄関と繋がる形で土間を設置するのがおすすめですが、居室との間につくりたい場合は脱ぎ履きしやすいサンダルなどを用意しておくと良いでしょう。
2-5. 湿気がこもりやすい
土間は屋内の温かい空気と屋外の冷たい空気が交差するスペースであるため、湿気がこもりやすいこともデメリットです。
特に冬場は結露や凍結が発生しやすいため、壁材に吸湿性の高い珪藻土を利用するなど工夫することが大切です。また、湿気がこもらないように換気を徹底するのも良いでしょう。
※ 珪藻土の壁材については、「珪藻土の壁でよくある後悔とは?失敗しない選び方をご紹介!」で詳しく解説しています。
3. 土間のある家に住む際の注意点
最後に土間のある家にするときに考慮すべきポイントについてご紹介していきます。土間を賢く使うためにも、以下の点に注意して物件を選ぶようにしましょう。
3-1. 使用目的を考える
自宅に土間が欲しいなら、まずは使用目的を考えましょう。開放的な空間がほしいのか収納スペースを確保したいのかでも選ぶ間取りは異なります。
家族構成やライフスタイルなどあらゆる条件を整理し、理想的な暮らしができるようにイメージしてみましょう。そのためにも、たくさんの事例を参考にする必要があります。
3-2. 置く物を把握する
土間を収納として活用する場合は置く物を把握しておくと良いでしょう。
何も考えずにアイテムを置いてしまうと、整理が上手く出来ずにごちゃついた雰囲気になってしまう可能性もあります。スッキリと片付いた空間を保つためにも荷物がどれくらいあるのか事前に確認しておきましょう。
3-3. 掃除しやすいか確認する
土間のある住宅はメンテナンス性も考慮して物件を選ばなければなりません。水道や排水溝などが遠い場合、掃除に手間が掛かってしまいます。
お手入れを怠ると、見栄えも悪くなるため、こまめなメンテナンスが必要です。お手入れのしやすさも考慮してデザインを選ぶようにしましょう。
3-4. 動線を考慮して間取りを決める
快適な暮らしを送るためには、スムーズな動線が確保されていなければなりません。行き来が大変だと移動の度にストレスを感じてしまいます。
土間をどんなシーンで使いたいかが見えてくると、自然と最適な間取りも分かります。実際の暮らしをイメージしながら物件を選んでいきましょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、土間のある家のメリットやデメリットについてご紹介していきました。土間はお部屋の開放感やデザイン性を高められるため、よりおしゃれな空間が演出できます。しかし、湿気が溜まりやすい場所でもあるため、対策していないとカビや結露が発生してしまうでしょう。
壁や床などの性能にこだわり、安心して長く暮らせる環境を整えていくことが大切です。そのためにも、譲れない条件を絞っておくと良いでしょう。