近年では、まだ子どもがいないうちに住宅を建てる方が増えています。そのようなケースでは、子どもの人数や生活スタイルを把握できないため、間取りで後悔してしまう可能性があるでしょう。新築後も後悔することなく間取りを設計するには、どのようなことに注意していけば良いのでしょうか。
今回は、子供部屋の間取りでよくある失敗事例や設計時のポイントなどを解説していきます。自宅を建てる際に子供部屋をつくる予定のある方は、ぜひおすすめの間取りも参考にしてみてください。
1. 子供部屋の間取りで後悔するポイント
子供部屋の間取りを考える際のポイントを解説していく前に、まずは良くある失敗事例を知っておきましょう。後悔しやすいポイントを把握しておくことで、事前に対策ができます。より快適な暮らしを営むためにも、注意点を押さえておくことが大切です。
1-1. 部屋の奪い合いになる
子供部屋の間取りで多い失敗には、同じ広さにできなかったことが挙げられます。子どもが2人以上いる場合は、どちらがより広い空間を使うのか喧嘩にしなってしまう場合もあるのでしょう。
また、窓の位置や日当たり具合も奪い合いになる原因となっているため、子供部屋はなるべく同じ条件で設計するようにしましょう。
1-2. 起こしにくいのが大変
子育てをしている方は子どもを起こしにいく場面多いはずです。リビングと子供部屋が離れている間取りだと、毎朝起こしに行くのが大変になってしまうため、LDKと近い位置に子供部屋を設置することをおすすめします。
特に3階に子供部屋がある間取りは1階まで降りるのに手間が掛かってしまうでしょう。
1-3. インテリアに飽きてしまう
子供部屋にアクセントクロスを取り入れるなど個性的な空間をつくってしまうと、お子さんの好みによってはすぐに飽きてしまう可能性があります。
子どもができる前に住宅を新築するなら、さまざまな場面に対応できるシンプルな空間をつくるのが良いでしょう。家具やインテリアを導入する際は、お子さんの好みも考慮しつつ空間をコーディネートしていく必要があります。
1-4. 子どもが引きこもるようになった
子どものためを思って子供部屋をつくったけれど、快適な空間であるが故に子どもが部屋から出てこないという後悔もあります。
親の価値観で意見が分かれるところではありますが、ある程度のコミュニケーションが取れるように間取りを工夫することが大切です。家族の顔が見られるようにリビングを中心とした間取りなどが良いでしょう。
1-5. 足音が響く
子供部屋の位置によっては下階に足音が響く可能性もあります。ベッドの上で飛び跳ねてしまうこともあるため、子供部屋の壁や床は防音性が優れたものを使用しましょう。
吸音天井板でも効果が期待できるため、子供部屋をつくる予定がある方は住宅性能にもこだわってみることをおすすめします。
2. 子供部屋の間取りを考える際に考慮すること
続いて、子供部屋の間取りを設計する際のポイントを解説していきます。子供部屋をつくる予定がある方は、以下の条件を考慮して間取りを考えると失敗することも少なくなるでしょう。
2-1. 広さ
子供部屋をつくる際に、まず決めなければならないのが「広さ」です。間仕切りのないオープンな子供部屋にすると将来的にも対応しやすくなりますが、個室にする場合にはどのくらいの広さが必要なのでしょうか。
子供部屋に必要なものは机やベッド、本棚などです。これらの家具を置いておくだけなら4.5帖程度でも問題ありませんが、ゆとりを持たせたいなら6帖あると安心です。
2-2. 日当たり
次に考えなければならないポイントとして「日当たり」があります。お子さんの生活スタイルに合わせて位置や窓の向きを考えていきましょう。
子どもができる前なら南向きや東向きにしておくのが無難です。明るく日差しがたっぷり差し込む空間は過ごしやすく、のびのびと成長してくれるでしょう。
2-3. 生活習慣
子供部屋の間取りを決める際は、お子さんの生活習慣も意識しなければなりません。住宅を建てる時期がどのタイミングかによりますが、お子さんの将来を見据えた設計を心掛けていきましょう。
子供部屋で勉強する習慣がある場合には、集中できるように落ち着いた空間をつくってあげることが大切です。
2-4. 収納スペース
収納が多いお部屋はスッキリとした空間が保てるため、快適な生活を送りやすくなります。子供部屋の間取りを考えるときは、収納の量や位置にも注目しましょう。
その際は、どんなものを仕舞うのか具体的にイメージしておくことが大切です。入念に練られた収納計画で片付けがしやすい空間を目指しましょう。
2-5. ドアの位置
子供部屋のドアの位置によっては、家具が上手にレイアウトできない場合があります。設計の際にはある程度の家具レイアウトを決めておき、スムーズに搬入できるようにしておきましょう。
そのためにも、どんな空間にしたいのか最終的なイメージを思い描いておくことが大切です。
3. 子供部屋におすすめの間取り
最後に、子供部屋におすすめの間取りをご紹介していきます。ここでは、お子さんの構成別に最適な間取りを見ていきましょう。子供部屋を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
3-1. 兄弟の場合
子どもの性別が同じ場合、小さい頃は空間を区切らずに広々とした1つの空間を子供達で使ってもらうのが良いでしょう。
成長とともに仲の良さなどが変化してくる可能性もあるため、そのような場合には仕切板などを導入して個室をつくってあげるとプライベート空間が保てます。
3-2. 姉妹の場合
女の子も場合も男の子のケースと同様ですが、姉妹の個室には収納を多くつくることが大切です。
女の子は男の子より物が増えることが多いため、成長に合わせて対応できるように大容量のクローゼットを設置しておきましょう。完全な個室をつくらなくても良いなら、可動式の棚を間仕切りとして利用するのもおすすめです。
※ 参考記事: 「子供部屋を2人で使う場合のレイアウトは?コツや注意点を解説!」
3-3. 兄妹・姉弟の場合
子どもの性別が異なる場合は将来的に個室をつくる必要が出てくるでしょう。
住宅を新築する際は、仕切板を設置することを想定して設計することがポイントです。子供達がストレスを溜めることなく自由に暮らせるように、初めの段階から間取りを工夫しておくことをおすすめします。
※ 参考記事: 「可動式間仕切りとは?自宅に取り入れるメリットや注意点を解説!」
3-4. 3人以上の場合
子どもが3人以上いる場合は広い家でない限り、それぞれの個室は狭くなってしまうでしょう。
そのため、敢えて独立した空間をつくらずに広い1つの空間にするケースも多いのです。パーテーションや棚、カーテンなどを活用すれば、プライベート空間もしっかりと確保できます。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、子供部屋の間取りについて後悔事例や設計する際のポイントをご紹介していきました。
子供部屋は広さや日当たり、収納スペースなどさまざまなポイントを考慮して設計しないと、生活する中で不便さを感じてしまいます。お子さんにより快適な環境で過ごしてもらうためにも、計画はしっかりと行いましょう。
お子さんの構成や年齢によっても必要な条件は異なるため、どのような暮らしをしていきたいか一緒に考えることも大切です。お子さんが物事を考えられる年頃であれば、親だけで決めずに家族みんなで話し合っていくことをおすすめします。