コンクリートスラブとは一体どんなもの?役割や種類を解説!

リノベーション
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コンクリートスラブという言葉をご存知でしょうか。マンションに住んでいる方や所有している方は聞いたことがあるかもしれませんね。コンクリートスラブとはコンクリート製の板のことで、床材や屋根材に使用されます。それらの部材にはどのような特徴があるのでしょうか。

コンクリートスラブの役割や種類、施工時の注意点などを解説していきます。コンクリートスラブはリフォームやリノベーションをする際や物件探しの際にも役立つため、知っておくと便利ですよ。

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1. コンクリートスラブとは

コンクリートスラブは鉄筋コンクリート造の床や屋根のことを指し、平板や石板を意味します。間取り図などでは単に「スラブ」と表記されることもあるため、賃貸物件をお探しの方は見かけたことがあるかもしれませんね。そんなコンクリートスラブにはどのような役割があるのでしょうか。以下でコンクリートスラブの役割と特徴を詳しく見ていきましょう。

1-1. コンクリートスラブの役割

コンクリートスラブはマンションを建築する際に建物や人を支えるために必要不可欠な部材です。強度が低い地盤でもコンクリートスラブを取り入れれば、沈下する心配もありません。災害時の備えとして大きな役割を担っています。

また、コンクリートスラブは音を吸収する働きがあります。住宅トラブルで問題になりやすい床衝撃音や重量床衝撃音も抑えられるため、安心して暮らせる環境がつくれるでしょう。コンクリートスラブは遮音性を高めるため、新築マンションなどでは、コンクリートスラブの厚みは20cm以上が一般的です。

高品質なマンションであれば、コンクリートスラブの厚みも大きいため、生活音はほととんど気になりません。周囲の音を抑制できるため、周りを気にせずに静かな暮らしが楽しめるでしょう。

1-2. コンクリートスラブの特徴

コンクリートスラブは強度を保つために鉄筋が格子状に組み込まれています。そのため、厚みが増すほど、重量も大きくなります。重たくて面積の広いコンクリートスラブは歪みやすいため、注意が必要です。コンクリートスラブの耐重量を考慮しながら設計しましょう。コンクリートスラブの耐重量は各部屋の用途によって異なりますが、リビングや寝室で1平方メートルあたり180kg、玄関や共用部などでは350kg程度必要です。

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2. コンクリートスラブの種類

コンクリートスラブにはいくつか種類があります。以下で代表的な4種類をご紹介していきます。それぞれ特徴を知り、新築時やリフォーム時に役立ててみましょう。

2-1. 構造スラブ

梁や柱によって支えられているコンクリートスラブです。スラブ自体に重量が掛かるため、より強固な鉄筋でつくられます。そのため、地盤沈下が起きても、影響を受けにくく、耐震性も期待できるでしょう。

2-2. フラットスラブ

梁のないコンクリートスラブのことをフラットスラブと言います。柱のみで支えるため、天井を高く設計することが可能です。開放的な住宅をつくりたい方に向いています。ただ、他のコンクリートスラブより衝撃に弱く、あらゆるトラブルが起こるのもフラットスラブの特徴です。地震などの災害が起きた際は支えている柱がコンクリートスラブを突き抜け、倒壊に繋がる恐れがあります。

2-3. 二重スラブ

二重スラブは2つのコンクリートスラブで構成されているものを指します。スラブとスラブの間に隙間ができるため、その間に配管を通すことも可能です。配管を剥き出しにせず、施工できるため、よりクオリティの高い住宅が完成するでしょう。消化水槽をつくることも可能で、火災時の消化にも役立ちます。万が一に備えられるのは嬉しい設備ですね。

2-4. 片持ちスラブ

片持ちスラブは片面だけが壁で支えられているコンクリートスラブのことです。窓に付いている庇や雨除けなどが該当します。ほとんどの場合が強度が弱いため、設置する際には建物の構造をよく見直すことが大切です。また、木造建築では接合部分を梁などと一体化できないため、必ず鉄筋コンクリート造の建物で使用しましょう。

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3. コンクリートスラブ打設の注意点

最後にコンクリートスラブを打設する場合の注意点を解説していきます。コンクリートスラブは建物の基礎となる部分で失敗は許されません。下手な工事をしてしまうと、建物の倒壊や腐食の原因となるため、入念な計画が必要です。以下で打ち込み時・締固時・養生時の3つの観点から押さえておくべきポイントをご紹介します。きちんと工事がされているか施工時にチェックしてみましょう。

3-1. 打ち込み時

コンクリートスラブを打ち込みする際は受入調査をすることをおすすめします。調査はスランプ試験、空気量測定、塩化物量測定などを行い、コンクリートスラブの強度が保たれているか確認しましょう。

3-2. 締固時

締固とはコンクリートスラブを棒で突いて余分な空気や水分を抜く作業です。コンクリートの中には砂利や軽石が紛れ込んでいる場合があるため、その分の空洞ができてしまいます。締固が不十分だとコンクリートスラブの強度が低下してしまうため、板の隅々までコンクリートを充填させましょう。

3-3. 養生時

コンクリートスラブの養生期間はセメントの種類によって異なります。より強固なコンクリートスラブにするためには、ある程度の湿潤を保つ必要があるため、余裕のある工事期間を設定しましょう。また、過度な乾燥や振動はコンクリートの強度にも影響するため、天候などにも配慮してくださいね。

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4. まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はコンクリートスラブについて紹介しました。コンクリートスラブは主に鉄筋コンリート造の床材のことを指します。建物を支えるために必要な部材であるため、計画時も慎重に決めなければなりません。リフォームやリノベーションをする際はサイズや厚さなど細かい部分にも配慮していきましょう。

また、今回ご紹介したコンクリートスラブの他にもさまざまな種類があります。それぞれの特徴をよく理解し、スタイルに合ったコンクリートスラブを取り入れて、より快適な住まいをつくってくださいね。コンクリートスラブを検討する際は遮音性や耐震性など必要な住宅機能を明確にすることをおすすめします。自身のライフスタイルに合わせて検討していきましょう。