不動産を探していると、広さの単位に「坪」「平米(㎡)」という記載を目にしますよね。
そもそもこの単位の違いは何なのか、どのくらいの広さなのかイメージがつかない、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、坪と平米(㎡)の違い、そして広さをイメージできるように畳の畳数の広さも含めて、それぞれの単位への換算や計算方法についてご紹介します。
1.「坪」ってなに?
まず、「坪」について見ていきましょう。
「坪」は、日本独自の尺貫法による面積の単位。メートル法が普及する前に使用されていた単位です。
一般的な商取引において、この尺貫法による表示は昭和34年以降禁止されており、土地建物の取引においても、不動産広告では必ずメートル法によって面積を表示することが決められています。
しかし、不動産や建築業界では現在でも慣習的に坪単位が使用されているため、メートル法の表記にあわせて坪表示が広告上にも記載されるものもあり、皆さんが目にする機会も多いのです。
2. 1坪は何平米?畳数に換算すると?
では、1坪は平米数や畳数で換算するとどのくらいになるのでしょうか。
先述したように、不動産広告の面積は基本的には平米数で表記されます。
平米の表記は「㎡」、正式には平方メートルといい、1辺の長さが1mの正方形の面積のことを指します。日本では昔からメートルを「米」で漢字表記していたため、そのまま今でも使われています。
1坪は平米数に換算するとどのくらいになるのか、その広さをイメージするために、わかりやすく畳の畳数で換算してみると、
1坪=3.31㎡。畳数にすると約2畳分の広さになります。
これで大体の広さのイメージはお分かりいただけると思います。
そして、実際の間取りでよく見かけるお部屋の広さで換算した表が下記になります。
畳数 ※ | 平米数(㎡) | 坪数 |
6畳 | 9.93㎡ | 3坪 |
8畳 | 13.24㎡ | 4坪 |
10畳 | 16.55㎡ | 5坪 |
20畳 | 33.1㎡ | 10坪 |
※ 畳の大きさは地域によって少しずつサイズが異なるため、不動産公正取引協議会では1.62㎡と面積表記を定めています。
参考: 不動産の表示に関する公正競争規約施行規則
http://www.rftc.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2019/02/h_sekoukisoku.pdf
3. 坪数と平米数 換算の計算方法
先ほど、大体の広さのイメージを持つために換算表をご紹介しましたが、簡単に他の面積単位に換算する計算方法も知っていると便利です。
では、坪数を平米数に、平米数を坪数に、換算する際の計算方法をご紹介します。
坪数を平米数(㎡)に換算するには、坪数÷0.3025
平米数(㎡)を坪数に換算するには、平米数(㎡)×0.3025
1坪、1平米(㎡)、1畳の面積換算をすると下記になります。
1坪=3.31㎡=2畳
1㎡=0.3坪=0.6畳
1畳=0.5坪=1.65㎡
面積表示を見る際に、覚えておくと便利です。
4. 坪単価とは?
坪単価という言葉も不動産業界ではよく使われるため、皆さんも耳にしたことがあると思います。
言葉の意味は、一坪当たりの単価のこと。工事費や土地価格の相場を調べるのに良く使われるものですが、マンションの価格を比較する際にもとても便利です。
坪単価は、部屋の平米数を坪に換算(平米数㎡×0.3025)し、物件価格で割れば簡単に出すことができます。
たとえば、同じエリアで専有面積の異なるマンションを比較する際、価格だけを比べても広さが違うためわかりづらいですよね。そうした際に坪単価を算出すれば、一坪あたりの価格で比較ができます。駅からの距離や立地条件、その他マンショングレードなど、条件が異なる物件の比較が簡単にできて大変便利です。
また、同じマンション内でも、所在階や方角、角部屋やルーフバルコニー付き、といった条件の異なる部屋の価格の比較もでき、価格に条件がどう反映されているかを知ることができます。
ぜひ、不動産探しの際に価格を比較する目安として利用してみてください。
5. ライフスタイルや世帯人数に応じた住まいの広さ
ご家族の構成や人数、ライフスタイルによっても住宅に必要となる広さは異なりますが、目安となる広さはどのくらいでしょうか。
国の住宅政策の基本となる住生活基本計画では、世帯別の居住面積水準を定めています。居住面積水準には最低居住面積水準と誘導居住面積水準の二種類があります。
最低居住面積水準
世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準
誘導居住面積水準
世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準
また、誘導居住面積水準は、都市の中心および周辺の共同住宅を想定した「都市居住型誘導居住面積水準」と、郊外や都市部以外の一般地域における戸建て住宅を想定した「一般型誘導居住面積水準」の二種類に分かれます。
単身に快適な居住空間の目安は40~55㎡
単身の場合、最低居住面積水準は25㎡。よく単身者向けの賃貸などで見かける1K、ワンルームのような間取りのイメージですね。
より快適に暮らすための広さとしては、都市部の共同住宅で40㎡、郊外などの一戸建てでは55㎡となっており、坪数は約12~16坪。1LDK~2LDKの間取りのお部屋というイメージです。
2人暮らしの快適な居住空間の目安は55~75㎡
2人暮らしの場合、最低居住面積水準は30㎡。そして、都市居住型の共同住宅で55㎡、郊外等の一戸建てで75㎡となっています。坪数は、16~22坪程で、1LDK,2LDKから3LDKなどの間取りのイメージです。
2人暮らし以上の居住空間の目安
2人暮らし以上世帯の居住面積水準は、下記のように定めています。
都市部共同住宅(都市居住型誘導居住面積水準): 20㎡×世帯人数+15㎡
郊外等戸建て(一般型誘導居住面積水準): 25㎡×世帯人数+25㎡
こちらに当てはめてみると、例えば3人暮らしの場合は、75~100㎡。5人暮らしの場合は、115~150㎡となります。
お子様の年齢、家族構成やライフスタイルによっても異なるため、こちらはあくまでも広さの目安として参考にしていただき、ご自身のご家族やライフプランに当てはめて、快適な居住面積を検討してください。
参考: https://www.mlit.go.jp/common/001098415.pdf
6. まとめ
今回は、面積表示の「坪」と「平米」について、広さのイメージや面積単位の換算式、そして快適な住まいの目安となる広さについてご紹介してきました。
広さのイメージや価格の比較をする際にも、便利に使える情報だと思います。
ぜひ、ご自身のライフスタイルに合わせた住まいの広さを検討する際にお役立てください。