開放感のある吹き抜けは住宅の中でも人気の間取りです。採光もしやすく、比較的明るい空間が保てます。しかし、掃除がしづらかったり寒さを感じたりとデメリットがあるのも事実です。吹き抜けのデメリットはどのように解消していけば良いのでしょうか。
この記事では吹き抜けを自宅に取り入れるデメリットとその対策を解説していきます。新築時やリノベーション時に吹き抜けを取り入れようと考えている方はぜひ吹き抜けの活用方法もあわせて読んでみてください。
1. 吹き抜けのデメリット
吹き抜けのデメリットは主に以下の5つが挙げられます。それぞれ生活の中でどのような影響があるのか詳しく見ていきましょう。
1-1. メンテナンスしづらい
まず1つ目はメンテナンスのしづらさです。吹き抜けのある住宅は高い位置に窓や梁があるため、掃除ができない部分ができてしまいます。照明器具の交換やクロスの張り替えなども困難です。手が届かない場所は業者に依頼するなど手間が掛かってしまいます。
1-2. 電気代が高くなる
吹き抜けがある住宅は明るく、日中は電気を付けずに生活できる場合があります。その点においては、光熱費を抑えられるためメリットとなるでしょう。しかし、空間が広いため、エアコンの効きが一般的な住宅より悪いことがほとんどです。冷暖房を頻繁に付ける場合は光熱費が高くなる恐れがあります。
1-3. 音が響く
吹き抜けは空間が仕切られていない分、音が伝わりやすく、生活音で悩まされることも。リビングにあるテレビの音や家族の会話が響き、勉強や睡眠の妨げとなる場合もあります。家族の中で生活の仕方が大きく異なる場合は吹き抜けをつくる場所にも注意しましょう。
1-4. ニオイが気になる
吹き抜けは音だけでなくニオイも伝えます。特に料理中に出るニオイは温かい空気と一緒に上に溜まるため、室内全体にニオイが染み付いてしまうでしょう。吹き抜け近くで洗濯物を干すとニオイ移りの原因となるため、脱衣所やベランダは吹き抜けと離した間取りがおすすめです。
1-5. 2階部分が狭くなる
吹き抜けを自宅につくると、2階部分の床面積が狭くなってしまいます。2階につくれる部屋数も限られるため、間取りを設計する際はどのように生活するか条件を明確にしておきましょう。その際、部屋の広さだけでなく収納スペースも考慮することを忘れないようにしてください。住宅を建築した後に後悔しないためにも工事前の計画は入念に行いましょう。
2. 吹き抜けのデメリットを解消するには
吹き抜けのデメリットは以下の方法を試すことで解消されます。自分に合ったやり方で吹き抜けを最大限に活かしましょう。
2-1. 遮音性を強化する
吹き抜けは音を伝えやすいため、2階部分の防音性を高めることをおすすめします。防音性の高い壁や窓を取り付け、プライベート空間を守りましょう。予算を抑えたいという方は防音カーテンを設置するのもおすすめです。吹き抜けをつくる目的を明確にすると、必要な対策も見えてくるため、悩んだら一度整理してみましょう。
2-2. 床暖房を設置する
吹き抜けがある住宅は室内が冷えがちです。その対策として床暖房を取り入れてみましょう。床暖房は足元から温まるため、エアコンを付けるより効率的で光熱費を削減できます。最近では、床暖房と連動しているエアコンもあるため、ライフスタイルに合わせて商品を選んでみてください。
※ 参考記事: 「マイホームに床暖房は必要?メリットとデメリットを解説!」
2-3. キッチンの間取りを工夫する
料理のニオイが室内に広がるのを防ぐにはキッチンの間取りを工夫することが大切です。キッチンと吹き抜け部分が繋がっていないクローズドキッチンを設置したり24時間換気システムを導入したりとニオイが広がらない仕組みを整えましょう。また、キッチンだけでなく吹き抜けに換気扇や換気窓を設置するのもおすすめです。
3. 吹き抜けの活用方法
吹き抜けは住宅のあらゆる場所に活用できます。ベストな使い方を見つけるには用途や目的を組み合わせてみることが大切です。ここではおすすめの活用方法を3つ解説していきます。自宅を建築する際に参考にしてみてください。
3-1. 吹き抜け×玄関
吹き抜けを玄関につくるメリットはドアを開けた瞬間の開放感にあると言います。廊下の配置や階段の手すりにこだわれば、より明るい玄関をつくることが可能です。自然光が入ってくる玄関なら観葉植物を置いてみるのも素敵ですよ。
ただ、玄関に吹き抜けをつくってしまうと、2階が丸見えになってしまうため、ある程度、間取りの工夫は必要です。壁や部屋の位置をよく考え、訪問客から見えない工夫をしましょう。
3-2. 吹き抜け×階段
吹き抜けを階段につくるのもおすすめです。吹き抜けのある階段はライブラリーコーナーにしたり収納スペースにしたりとさまざまな使い方ができます。リビングに階段がある住宅ならスペースを有効活用できるため、デッドスペースを極力減らせます。2階にいる家族との会話もスムーズにできるため、オープンな暮らしができるでしょう。
3-3. 吹き抜け×窓
開放感を出したいのであれば、吹き抜けに窓をたくさん設置することをおすすめします。天井にシーリングファンを取り付けることで空気の循環も上手くいくため、設計時に役立ててみてください。ただ、シーリングファンはホコリを溜めやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。自分で掃除をするのは難しく、業者に依頼する必要があります。メンテナンス費用など把握した上で取り入れるようにしましょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は吹き抜けのデメリットとその対策を解説してきました。吹き抜けは開放感を感じられたり室内が明るくなったりと魅力的な部部分が多いですが、欠点となる部分も頭に入れておかないと、設置後に後悔をしてしまうでしょう。今回ご紹介したデメリットとその対策をしっかりと覚えておき、実生活で取り入れてみてください。
また、吹き抜けは自宅のあらゆる場所に設置可能です。好みや用途に合わせて、お気に入りの空間をつくってみてくださいね。想像だけではピンと来ない方はお近くの展示場に行ってみることをおすすめします。展示場では、最新の住宅デザインを見たり、専門家のアドバイスを聞いたりできます。