家を買うベストタイミングとは?2024年の不動産市況と購入戦略

不動産知識
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マイホームの購入は人生の大きな決断の一つです。「今が買い時なのか」「もう少し待った方がいいのか」多くの人がこの問いに悩むことでしょう。特に近年は、物価上昇や住宅価格の高騰、金利の変動など、経済環境が目まぐるしく変化しており、判断が難しくなっています。

この記事では、統計データやライフステージ、住宅ローンの観点から家を買うベストタイミングを分析します。さらに、2024年の不動産市況を踏まえて、今後の見通しと購入のポイントをお伝えします。

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1. データで見る「家を買うタイミング」

1-1. 家を買う「年齢」の平均

国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、初めて住宅を購入する人(一次取得者)の平均年齢は以下の通りです。

  • 新築分譲集合住宅:39.9歳
  • 中古集合住宅:43.7歳
  • 新築分譲一戸建て:37.5歳

全体的に見ると、30代後半から40代前半が住宅購入の中心となっています。この年齢層は、キャリアが安定し、家族形成期と重なることが多いため、住宅購入を検討する人が増えるのでしょう。

1-2. 家を買った人の「平均年収」

同じく国土交通省の調査によると、住宅一次取得者の世帯年収は以下の通りです。

  • 新築分譲集合住宅:960万円
  • 中古集合住宅:657万円
  • 新築分譲一戸建て:750万円

新築マンション購入者の平均年収が最も高くなっています。これは、近年の新築マンション価格の高騰を反映しているといえるでしょう。

一方で、中古住宅購入者の年収は比較的低くなっています。中古住宅は新築に比べて価格が抑えられるため、より幅広い所得層が購入できることがわかります。

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2. ライフステージから考える「家を買うタイミング」

人生の節目となるイベントは、しばしば住宅購入のきっかけとなります。主なタイミングを見ていきましょう。

2-1. 就職のタイミング

社会人になったばかりの若い世代でも、住宅購入を検討する人が増えています。特に都市部では、家賃の高騰により「家賃を払うくらいなら住宅ローンを払った方が良い」と考える人も少なくありません。

若いうちに購入するメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • 長期の住宅ローンを組みやすい
  • 返済期間が長いため、月々の返済額を抑えられる
  • 早くから資産形成ができる

一方で、デメリットもあります。

  • 転職や転勤のリスクがある
  • ライフスタイルの変化に対応しづらい
  • 頭金の準備が難しい場合がある

2-2. 結婚のタイミング

結婚を機に新居を購入する夫婦は多いです。二人の収入を合わせることで住宅ローンを組みやすくなり、より良い物件を選択できる可能性が高まります。

ただし、結婚直後は将来の生活設計がまだ固まっていない場合も多いので、慎重に検討する必要があります。子供の有無や人数、共働きを続けるかなど、今後のライフプランを十分に話し合ってから購入を決めましょう。

2-3. 子供の誕生や成長に合わせたタイミング

子供の誕生や成長は、住宅購入の大きなきっかけとなります。主な理由としては

  • 家族が増えて今の住まいが手狭になる
  • 子育てに適した環境を求める
  • 教育環境(学区)を重視したい

などが挙げられます。

ただし、子育て世帯は教育費など出費が増える時期でもあるので、無理のない資金計画を立てることが重要です。

2-4. 退職前後のタイミング

50代以降になると、老後の生活を見据えて住宅購入を考える人も増えてきます。子育てが一段落し、退職金の見通しが立ちやすくなるこの時期は、資金面での余裕が出やすいでしょう。

しかし、年齢が高くなると住宅ローンを組みにくくなる点には注意が必要です。多くの金融機関では、ローン返済終了時の年齢に上限を設けています。

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3. 住宅ローンの返済から見た「家を買うタイミング」

住宅ローンは通常、最長35年の返済期間が設定されています。ほとんどの金融機関では、返済終了時の年齢に上限(多くは80歳)を設けているため、年齢によって借入可能期間が変わってきます。

例えば、35年ローンを組める年齢の上限は概ね45歳くらいです。それ以降は返済期間が短くなるため、月々の返済額が増加します。

また、健康面も重要なポイントです。多くの住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が条件となっています。年齢が高くなるほど、また持病がある場合は加入が難しくなる可能性があります。

これらの点を考慮すると、可能な限り若いうちに住宅購入を検討するのが賢明といえるでしょう。

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4. 2024年は家を買うべき?待つべき?

2024年の住宅市場を考える上で、重要なポイントは以下の2点です。

  1. 不動産価格の動向
  2. 住宅ローン金利の変化

4-1. 2024年、不動産価格は上がる?

近年、特に都市部では不動産価格が上昇を続けています。国土交通省の不動産価格指数によると、2013年以降、マンション・戸建てともに価格は右肩上がりです。特にマンション価格の上昇が顕著となっています。

不動産経済研究所の調査では、2023年上半期の首都圏新築マンションの平均価格は8,873万円、平米単価は132.1万円と、過去最高を更新しました。2013年と比較すると、わずか10年で価格が1.8倍になっています。

中古マンション市場も同様の傾向にあります。2023年7-9月期の首都圏中古マンションの平均成約価格は4,621万円で、前年比6.1%上昇。44期連続で前年同期を上回っています。

この価格上昇の背景には、以下のような要因があります。

  • 低金利政策による資金需要の増加
  • 世界的な資材価格の高騰
  • 建設業界の人手不足による建築費上昇
  • 都市部での用地不足

これらの要因は短期間で解消される見込みが低いため、2024年以降も不動産価格は緩やかに上昇を続ける可能性が高いと考えられます。

4-2. 住宅ローンの金利は上がる?

2024年3月、日本銀行は2016年から続いてきたマイナス金利政策を解除しました。これを受けて、主要銀行は固定金利型住宅ローンの金利を引き上げています。

しかし、変動金利型住宅ローンについては、多くの金融機関が金利の引き上げを見送っています。優遇後の適用金利は依然として年0.3%台と、歴史的な低水準を維持しています。

日本の住宅ローン利用者の約7割が変動金利型を選択しているため、現時点では多くの人にとって金利上昇の影響は限定的といえます。

ただし、日本銀行は金融政策の正常化を目指しており、今後も段階的な利上げが予想されます。経済状況や物価動向によっては、変動金利型の金利も上昇する可能性があります。

5. まとめ:2024年の住宅購入、どう考えるべきか

以上の分析を踏まえると、2024年の住宅購入について以下のようにまとめられます。

  1. 不動産価格は当面上昇傾向が続く可能性が高い
  2. 住宅ローン金利は緩やかに上昇する可能性がある
  3. 個人のライフステージや経済状況が最も重要な判断基準

これらを考慮すると、以下のような人にとっては2024年の住宅購入を積極的に検討する価値があるでしょう。

  • 安定した収入があり、長期的な居住を考えている人
  • 家族形成期を迎え、広い住居や良好な住環境を求めている人
  • 老後の生活を見据えて、住み替えや資産形成を考えている人

一方で、以下のような人は慎重に検討する必要があります。

  • 収入が不安定な人
  • 近い将来、転職や転勤の可能性がある人
  • 十分な頭金や緊急時の資金が準備できていない人

最終的には、ご自身のライフプランや経済状況を十分に考慮し、無理のない範囲で判断することが大切です。不動産購入は長期的な視点で考えるべき投資ですので、短期的な市況の変動に一喜一憂せず、じっくりと検討しましょう。

専門家のアドバイスを受けることも有効です。ファイナンシャルプランナーや不動産の専門家に相談し、客観的な視点からアドバイスをもらうことで、より良い判断ができるでしょう。

2024年の住宅市場は不確実性が高いものの、個人にとってのベストタイミングは必ずしも市況だけで決まるものではありません。自分自身のニーズと将来設計をしっかりと見極め、慎重かつ前向きに住宅購入を検討していきましょう。

FLIE magazine 編集部

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