不動産の賃貸や購入の際には必ず物件見学を行いますよね。不動産用語では「内見」と言いますが、近年「セルフ内見」というサービスが広がっているのは皆さんご存じでしょうか。
コロナウィルス感染症の拡大により、なるべく人と人との接触を避けたいという世の中の状況も後押しとなり、セルフ内見のサービスを取り入れる不動産会社も増えています。
今回は、このセルフ内見のメリットやデメリット、セルフ内見の方法等について詳しく解説していきます。
1. セルフ内見とは?
セルフ内見とは、物件の内見を不動産会社が立ち合わず、内見希望者だけで行うことを言います。
一般的な不動産の内見の場合、物件を紹介した不動産会社の営業担当がお客様と一緒に物件を案内しますが、セルフ内見は予約から現地への移動、お部屋の見学まですべて内見希望者だけで行うというもの。
なお、現状セルフ内見サービスは、賃貸物件を対象にしたものが主となっています。
2. 「VR内見」や「オンライン内見」との違い
セルフ内見と同じく、これまでとは異なる方法で物件の内見ができるサービスに「オンライン内見」や「VR内見」があります。
オンライン内見は、現地に足を運ばずにパソコンやスマートフォンのビデオ通話機能を使ってオンラインで物件を内見できるというもの。こちらも内見希望者が不動産会社担当者と非対面で内見できることや、オンラインなので現地に行く手間や時間が掛からないといったメリットがあります。
また、VR内見は、VR(バーチャルリアリティー)の技術を利用し、VRのゴーグルやグラスを装着すると、まるで自分がお部屋を実際に訪れたような感覚で物件の内見ができるもの。こちらも現地に行かずに家や不動産会社の店舗等で内見が気軽にできるのが特徴です。
3. セルフ内見はどんな方に向いている?メリットも併せて確認
では、セルフ内見はどんな方に向いているのか。特徴やメリットについても詳しく見ていきましょう。
3-1. 気兼ねなく自分のペースで物件見学がしたい
セルフ内見の1番のメリットは、自分のペースでお部屋が見学できるということでしょう。
人それぞれ物件に対して重要視する部分は異なるもの。ご自身で気になるお部屋のチェックポイントをじっくりと確認して検討できるのはうれしいですよね。
また、不動産会社の担当者から営業されてしまうのではないかと思い、内見自体にハードルがあるという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
そうした方にも、誰にも気兼ねすることなく内見ができるためおすすめです。
3-2. 忙しくて不動産会社との日程調整が難しい
お仕事や家庭の事情で、前もって日程調整をすることが難しいという方もいらっしゃると思います。
自分の都合だけでなく、不動産担当者との都合をすり合わせる必要があると、内見の日程が決まりづらいですよね。
セルフ内見であれば、自分のタイミングで内見の予約ができるため、煩わしい日程調整に頭を悩ます必要もありません。気軽に物件の内見が予約できる点もメリットと言えますね。
3-3. もう一度物件や周辺環境を確認したい
一度案内してもらった物件をもう一回見に行きたいという場合、また不動産担当者に依頼するのは気が引けるということもありますよね。
お部屋の採寸をし忘れたところがある、通勤時間帯にもう一回見に行ってみたい、周辺環境も確認したいという要望も多いと思います。
慎重に物件選びをしたいと思う方にも、セルフ内見は向いています。不動産会社へ気を遣うことなく、ご自身のタイミングで再内見が可能です。
4. セルフ内見のデメリットと注意点
気軽に自分のペースで内見ができるセルフ内見ですが、デメリットや注意すべき点もあります。
まず、不動産担当者が同行しないため、その場で物件の詳しい説明を聞いたり、質問することができない点はデメリットとなるでしょう。
また、通常通りに内見を不動産会社に依頼した場合、希望物件と似た条件を持つ他の物件を数件まとめて案内してもらうこともできますが、セルフ内見ではこうしたサービスを受けることはできません。
比較しながら1日でいくつか物件を回りたい、不動産担当者に色々と説明や提案をしてほしい、という方にはセルフ内見は向かないかもしれません。
そして注意すべき点としては、一般的な内見ではその場で物件の申し込み状況が確認できるのに対し、セルフ内見の場合はどうしてもタイムラグが発生するため、予約をしていてもその間に物件の申し込みが入ってしまう可能性があるということが挙げられます。
内見し購入したいと思った際はその場から電話するなど、すぐにアプローチをした方がいいでしょう。
また、物件内で飲食や喫煙は絶対に行わないといったマナーは絶対に守ること、電気の消し忘れや鍵の閉め忘れにも十分に注意が必要です。
5. セルフ内見~予約から内見の流れ
セルフ内見の申し込みから内見までの流れを確認していきましょう。
実際には、サービスを提供する会社によっても異なるため事前に確認してください。
- サービスを提供する不動産会社のウェブサイトで物件を探す
- ウェブや電話等で予約を行う
- 内見方法、鍵の解除方法を確認する
- 予約時間に直接現地に行き内見する
- 消灯、戸締り、施錠を行う
- 内見後、不動産会社に終了の旨連絡する
鍵の解除方法はサービスを提供する会社によって異なりますが、不動産会社で鍵を借りて内見後に返却する方法や、現地に設置されたキーボックス等に暗証番号を入れて中の鍵を取り出し解錠する方法。
また、最近では現地に設置されたスマートロックを操作して解錠するという方法もあります。
6. まとめ
今回は、「セルフ内見」について詳しく解説してきました。気軽に物件が内見できる手法として、希望者にとってはうれしいサービスと言えますよね。
現状、セルフ内見は賃貸物件を対象とするものが多いのですが、売買を対象としたサービスも登場しています。
物件の売主と買主が直接取引できる不動産直販プラットフォームを運営する「FLIE(フリエ)」では、お手持ちのスマートフォン1つで部屋の鍵だけでなく共用部のオートロックも解錠できるセルフ内見サービス「Smaview(スマビュー)」を提供しています。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。