天井の素材はお部屋の印象を左右するため、慎重に選ぶ必要があります。近年では、板張りも人気を集めていますが、どのようなものかご存知でしょうか。
今回は、天井を板張りにするメリットやデメリット・おすすめの設置場所をご紹介していきます。天井にこだわれば、住宅の快適さも格段に上がるため、ぜひ検討してみてください。
天井の板張りを取り入れる際は、施工後に失敗したと後悔することがないように、注意点をしっかりと押さえておくと良いでしょう。
1. 天井を板張りにするメリット
天井の仕上げ材には、クロスが使われるのが一般的です。しかし、木材を張る仕上げ方法も人気で注目を集めています。
天井を板張りにするメリットはどこにあるでしょうか。以下で、主なメリットを5つご紹介していきます。
それぞれの特徴をしっかりと押さえ、施工時に役立てていきましょう。
1-1. 高級感を演出できる
天井を板張りにすることで、重厚感のある造りを演出できます。木目の美しさも際立つため、高級感を感じられるでしょう。
間接照明などと組み合わせると、ムーディーな空間を演出することも可能です。木材の種類や色味にこだわり、特別な空間をつくってみましょう。
1-2. 天井が高くなる
天井の高さを強調できるのも天井を板張りにするメリットです。特に屋根の勾配を活かした勾配天井は、開放感のある空間をつくり出してくれます。
設置する照明にこだわれば、より高さを意識した住宅づくりができるでしょう。温かみのある空間を目指して、上手にコーディネートしてみてください。
1-3. リラックスできる
天井に木材を張ることで、温もりも感じられます。自然素材を取り入れれば、さらに暖かい雰囲気になるでしょう。
ゆったりとくつろぎたいリビングや寝室などに取り入れると、心も落ち着くはずです。ナチュラルな雰囲気を感じたい方は、ぜひ天井を板張りにしてみましょう。
1-4. メンテナンスがしやすい
板張りは1枚1枚の木材を張っているため、メンテナンスがしやすいのが特徴です。傷んだ場合も全体ではなく、一部分の補修で済みます。
ランニングコストも安く抑えられるのは大きなメリットでしょう。使用する木材を選ぶ際は、メンテナンス性も考慮して決めることをおすすめします。
1-5. ダクトを隠せる
天井の板張りはダクトや梁を隠せるのもメリットです。斜めやカーブ状に天井板を張ることで、風合いを活かした魅力的なデザインも実現できるでしょう。
このように邪魔なものを目立ちにくくできるため、より高級感のある空間に仕上がります。全体の雰囲気を考えながら理想の空間をつくっていきましょう。
2. 天井を板張りにするデメリット
続いて、天井を板張りするデメリットをご紹介していきます。メリットばかり見ていると、施工後に失敗する可能性が高いため、注意点もよく見ておきましょう。
2-1. 費用がかかる
まず、天井の板張りは費用がかかることがデメリットです。一般的なクロス仕上げより高額なケースがほとんどで、しっかり計画していないと予算オーバーしてしまう可能性もあります。
天井の状態によっては追加工事が発生する場合もあるため、予算は余裕のある額を設定しておきましょう。
2-2. 圧迫感が出る可能性も
開放的な空間がつくれる板張りですが、木材の色によっては圧迫感が出てしまう可能性もあります。天井を板張りする際は、日当たりの良い空間や吹き抜けを選ぶなど施工場所を工夫するのがコツです。
木材の印象だけで決めてしまうと、逆効果となる可能性があるため、全体のバランスを意識しながら素材やデザインを選んでいきましょう。
2-3. ひび割れが生じやすい
ひび割れが起こりやすいのも板張りのデメリットです。特に乾燥した場所ではひび割れが発生しやすいため、施工面積や場所を工夫しましょう。
ひび割れのしやすさは木材の種類によっても異なるため、耐久性の高いものを選ぶことをおすすめします。木材の中でも、レッドシダーはひび割れが少なく長持ちするため、設計時の参考にしてみてください。
2-4. 暗く見える場合もある
天井の色が濃い空間は狭く、暗い印象を与えます。板張りの天井は空間が暗くなりがちです。
使用する木材はなるべく明るいものを選ぶか、明るい空間に板張りを取り入れるようにしましょう。何も考えずに取り入れてしまうと、逆に生活しづらくなってしまう可能性があります。
2-5. 木材が反りやすい
お部屋の状態によっては、板が反れてしまう可能性もあるでしょう。特に湿気の多い空間は板が曲がりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
施工場所の状態をしっかりと確認し、木材が長持ちするかを考えた上で取り入れることをおすすめします。気になることや疑問点があった場合は設計士などに相談すると、適切なアドバイスがもらえるはずです。
3. 天井を板張りにする場所
最後に、天井の板張りに最適な場所をご紹介していきます。それぞれの魅力をしっかりと押さえ、自宅の設計に役立ててみてください。
3-1. リビング
くつろぎの場所であるリビングは、板張り天井に適しています。木材を天井に張ることで、温もりある空間の中でリラックスできるでしょう。
ダイニングやキッチンとは異なる素材にすると、家族団らんの場が強調されます。空間のゾーニングもできるため、メリハリのある暮らしが叶えられるでしょう。
3-2. 寝室
ゆっくり休みたい寝室にも板張り天井がおすすめです。天井の仕上げ材が木だと、落ち着いた雰囲気を演出できます。
間接照明などを上手に組み合わせると、より理想的な寝室になるでしょう。和室にも馴染むため、自宅に和室がある方はぜひ板張り天井を検討してみてください。
3-3. キッチン
キッチンを目立たせたい方は、天井を板張りにすると良いでしょう。空間のアクセントになるため、お部屋の主役としてキッチンが引き立ちます。
ただ、キッチンは火を使う場所であるため、天然木材を使用すると危険です。準不燃材料の板材を採用するなど工夫して設計することをおすすめします。
3-4. 玄関ポーチ
板張り天井は玄関ポーチにも向いています。室内ではないため、家に上がらない方でも高級感のあるデザインを目にすることができるでしょう。
外観のデザイン性を上げたい方は、玄関ポーチに板張りを採用してみることをおすすめします。木目はホワイトやブルーなどあらゆる色味と相性が良いため、お好きな雰囲気をつくることが可能です。
理想の住まいを現実のものにするためにも、参考事例をたくさん集めて、イメージを固めておきましょう。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、天井を板張りにするメリットとデメリットについてご紹介してきました。木材を天井に張ることで、自然の雰囲気を感じられるため、リラックスした空間がつくれるのが魅力です。
天井も高く感じるため、開放感のある住宅が完成するでしょう。ただ、間取りや選ぶ木材によっては、狭く暗い印象になってしまう場合があります。
また、耐久性のあるものを選ばないと、すぐにひび割れしてしまうため、板張りの木材選びはこだわることが重要です。リビングや寝室・キッチン・玄関ポーチなどに取り入れて、ワンランク上の住宅を目指しましょう。
上手に取り入れれば、よりおしゃれな住宅に仕上がります。