収納にはさまざまなタイプがありますが、特に人気なのはハンガーパイプを設置したものです。しかし、設置する高さによっては動線の邪魔になるなど使い勝手が悪くなります。
ハンガーパイプの適切な高さはどのようにして決めるのでしょうか。今回は、ハンガーパイプの種類や高さを決める基準・設置時の注意点をご紹介していきます。
使いやすい収納にしていくためにも、予備知識を付けておきましょう。
1. ハンガーパイプの種類
ハンガーパイプの適切な高さを把握していく前に、まずはハンガーパイプの種類について解説します。ハンガーパイプの主な種類は、以下の5つです。
それぞれ特徴を押さえておきましょう。
1-1. 壁に取り付けるタイプ
初めにご紹介するのが、壁に取り付けるタイプのハンガーパイプです。省スペースで済み、設置場所も選びません。
空いている場所に取り付けられるため、さまざまなシーンで活用できます。押し入れやクローゼットなどのデッドスペースを上手に使い、収納場所を増やしていきましょう。
1-2. 高さを動かせるタイプ
高さを動かせるタイプのハンガーパイプもあります。このタイプは、荷物の大きさに合わせて位置を調節できるところがメリットです。
洋服やコート・スーツなどあらゆる衣類をかけられるため、クローゼットの中もスッキリまとまるでしょう。種類ごとに荷物を分けたい方は、高さが変えられるタイプのハンガーパイプを選ぶことをおすすめします。
1-3. 棚下に設置するタイプ
棚下に設置するタイプのハンガーパイプもあらゆるシーンで活用できます。ワードローブや食器棚・キッチンなど設置場所を選ばないため、マルチに活躍してくれるでしょう。
取り付け方法も簡単で、棚下にフックを引っ掛けるだけのシンプルな仕様です。移動させたいときもスムーズに運び出しができます。
1-4. 耐荷量が大きいタイプ
大きな荷物やたくさんの衣類をかける場合は、耐荷量が大きいタイプを選びましょう。近年では、機能だけでなく見た目も重視された商品が数多く販売されているため、お気に入りのものを選んでみてください。
空間全体の雰囲気を考慮しながら商品を決めると、統一感のある空間がつくれます。
1-5. 長さが変えられるタイプ
かけるものが多い場合は、長さを変えられるタイプがおすすめです。収納の大きさやお部屋の広さに合わせて伸縮できるため、見栄えもスッキリするしょう。
ハンガーパイプを選ぶ際は、ライフスタイルや使用目的を考えながら商品を決めていくと、購入後の後悔も避けられます。ハンガーパイプの使いやすさは、家事の負担にも影響してくるため、慎重に選ぶことが大切です。
2. ハンガーパイプの高さを決める基準
続いて、ハンガーパイプの高さを決める基準についてご紹介していきます。ハンガーパイプの適切な高さは使い方によって異なるため、以下の基準を参考にしてみましょう。
2-1. 収納するもので決める
まず、収納するもので決める方法があります。ハンガーパイプにかけるものとして挙げられるのは、衣類やカバン・帽子などです。
普段着る洋服をたくさんかけるのか、着る機会が少ないコートやスーツをかけるのかでも高さが異なります。かけるものが床に付かない位置にハンガーパイプを設置するようにしましょう。
2-2. 動線で決める
生活動線や家事動線で高さを決めるのもおすすめです。ハンガーパイプの位置が低過ぎると頭がぶつかる可能性があり、逆に高過ぎると手が届かない可能性があります。
クローゼットの設計をする際は、家族の身長や行動パターンを考慮してハンガーパイプの位置を決めましょう。安全な位置であれば、怪我をする心配もありません。
2-3. 収納の大きさで決める
収納の大きさで決定するのも良いでしょう。収納が狭い場合、高い位置にハンガーパイプを設置してしまうと、衣類をかけた際に窮屈な印象になってしまいます。
荷物の出し入れもしにくくなってしまうため、ハンガーパイプの高さは収納の大きさも考慮するようにしましょう。一般的なハンガーパイプの高さは、175cmで、奥行きは30cmほどです。
2-4. 設置方法で決める
ハンガーパイプを2段にして設置する場合は、各100cm程度が基準です。この高さなら平均的な身長の男性用ジャケットをかけても床や下段のパイプにこすれません。
ただし、あくまで目安となるため、使う方の身長を考慮する必要もあります。高さに余裕があるかシミュレーションしながら設計していきましょう。
2-5. 身長で決める
ハンガーパイプの高さは身長を基準に決めるのが最適です。家族全員の身長を計算しておくと、生活で不便さを感じることも少ないはずです。
主に誰が使用するのかを考えながら最適な高さを導きましょう。
3. ハンガーパイプを設置する際の注意点
最後に、ハンガーパイプを設置する際の注意点をご紹介していきます。設置後に失敗したと後悔することがないように、細心の注意を払って取り付けましょう。
3-1. 下地材を確認する
ハンガーパイプは、設置する場所の耐荷重によって強度が変化します。下地がしっかりしていないと、重さに耐え切れず落下してしまう恐れがあるため注意しましょう。
しかし、下地の確認は素人では上手にできない場合があります。不安な方は業者に依頼するなど対策しましょう。
3-2. 付属品の材質をチェックする
下地の確認を終えたら、今度はハンガーパイプや付属品の材質をチェックすることが大切です。特に耐久性があるのは、ステンレスパイプでしょう。
強度が優れているだけでなく、錆びにくい特徴もあります。また、両端の留め具だけでは強度が弱い可能性があるため、パイプの中間に固定用の金具を設置することもポイントです。
3-3. 設置にかかる費用相場を把握する
ハンガーパイプの設置にかかる費用は、設置場所や広さ・下地補強の有無などによって変動するため、一概にはいえません。業者に依頼するときの目安は1万円〜4万円となっているため、予算と照らし合わせながら工事内容を考えていきましょう。
工事が複雑になるほど費用は高額になるため、人件費や処分費用なども把握しておくことをおすすめします。
3-4. 2人以上で作業する
ハンガーパイプの設置を業者に依頼せず自分たちで行う際は、2人以上で作業するようにしましょう。ハンガーパイプの長さや重さによっては1人で無理に作業すると、怪我をする恐れがあります。
事故に繋がらないように、安全性を確保した上で作業を進めることが大切です。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、ハンガーパイプの種類や高さを決める基準・設置時の注意点をご紹介していきました。ハンガーパイプは自宅の収納力を上げてくれるアイテムですが、設置の仕方を間違えると使い勝手が悪くなります。
収納するものや動線・使う方の身長などを考慮して適切な高さに設置するようにしましょう。ハンガーパイプを取り付けるときは、下地や材質をしっかりとチェックすることも重要です。
工事にかかる費用をあらかじめ把握しておくと、金銭面で失敗することも少ないでしょう。