床の間は和室でよく見かけますが、使い方が難しいと抵抗を感じている方も多いはずです。「床の間の役割が分からない」「せっかくのスペースを有効活用したい」との声もよく聞くため、事前に床の間の概要を押さえておくと良いでしょう。
そこで今回は、床の間の主な役割やおすすめの活用方法・コーディネートの注意点をご紹介していきます。自宅に床の間がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 床の間の役割
そもそも「床の間」とは、和室の畳よりも一段高く造られた場所のことを指します。正式名称は「床」と言い、身分の高い殿様が座る場所や仏壇の形式が変化したものが起源です。
床の間の主な役割には、以下の5つがあります。それぞれ特徴を見ていきましょう。
1-1. 掛け軸を飾る
一般的に床の間には、掛け軸を飾ります。日本には昔から季節に合わせて掛け軸を飾る文化があるため、四季折々の景色が楽しめるでしょう。
掛け軸にはさまざまな種類があるため、時期に合わせて色味やデザインを工夫することが大切です。縁起物や彩色山水の画は年中飾れる掛け軸となっています。
1-2. 生花を生ける
生花を生けるのも床の間の役割です。掛け軸と同じように、季節に合わせてそれぞれ花を飾ります。
時期によって生けてはならないものもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。近年では現代的なデザインをした生花もあるため、空間の雰囲気に合わせて最適なものを選べます。
存在感がありお手入れが簡単な植物を飾るのがおすすめです。
※ 参考記事: 「ドウダンツツジの魅力とは?インテリアとして飾る方法をご紹介!」
1-3. 来客をもてなす
床の間には、来客をもてなす役割もあります。来客の好みに合わせた掛け軸や生け花などを床の間に飾れば、おもてなしの気持ちを伝えることができるでしょう。
また、床の間に来客の好きな花や作家・思い出のエピソードなどに沿った飾り付けをすれば、会話のきっかけになることもあります。
1-4. 和の雰囲気を演出する
床の間は、和の雰囲気をつくる手助けをしてくれます。掛け軸や生花の他、灯りにもこだわってみると良いでしょう。
コーディネートの際は、全体の雰囲気を考えながら配色を決めていくと、まとまりのある空間をつくれます。洋室とのバランスも考慮しながらおしゃれな空間を演出してみましょう。
1-5. 骨董品を置く
骨董品を置くのも、床の間の一般的な使い方です。空間の雰囲気に合わせて、オブジェや流木などを飾ってみましょう。
掛け軸や生花などとの相性も考慮すると、ワンランク上のインテリアが楽しめます。家族や来客の好みに合わせて、落ち着く空間を演出してみましょう。
2. 床の間の有効的な飾り方
続いて、床の間を飾る際の工夫をご紹介していきます。床の間のコーディネートに迷ったら、以下の方法を試してみましょう。
簡単に真似できる方法をご紹介していくため、取り入れやすいはずです。
2-1. シンプルなデザインにする
洋風住宅なら、白色のシンプルな床の間にすることをおすすめします。白色なら和室に床の間があっても、そこだけ浮く心配がありません。
特に白色は清潔感があるため、開放的な雰囲気をつくれます。飾る掛け軸や生花も選びやすいため、あらゆる雰囲気がつくれるでしょう。
2-2. 隠し収納を設置する
床の間を有効活用したい場合は、隠し収納を設置することをおすすめします。普段は扉を閉めて収納しておけば、和室に荷物を置いたままスッキリとした室内を演出できるはずです。
モダンな空間をつくりたい場合は、扉の色や床の間の床の色をシックにまとめると良いでしょう。
2-3. 本棚にアレンジする
床の間のある空間に本棚を設置するのもおすすめです。本棚を後付けしてしっかりと固定すれば、使っていない床の間も書斎として活用できます。
本だけでなく小物や雑貨などインテリアの置き場所にもなるため、おしゃれな雰囲気をつくりやすくなるでしょう。空間のアクセントに最適です。
2-4. 季節を感じるアイテムを置く
使っていない床の間には、季節を感じるアイテムを置くのも良いでしょう。掛け軸や生花など伝統的なものだけでなく、現代的なものもしっかりと馴染みます。
モダンなインテリアを置けば、和モダンな空間もつくれるでしょう。全体のバランスを考えながら、ワンランク上のインテリアを演出してみてください。
2-5. 温かみのある照明を取り付ける
おしゃれな和室を演出したいなら、温かみのある照明を設置してみましょう。間接照明を上手に活用すれば、柔らかい空間が演出できます。
床の間にさりげなく間接照明を置いてみるのも、おすすめの活用方法です。どのような空間をつくりたいか具体的にイメージしながらコーディネートしていきましょう。
3. 床の間をコーディネートする際の注意点
最後に、床の間のコーディネートをするときの注意点を4つご紹介していきます。床の間を上手に活用するためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
3-1. サイズを計測する
床の間を最大限活用したいなら、事前にサイズを計測しておくことが重要です。床の間のサイズは住宅によって異なるため、それぞれのタイプを確認しておきましょう。
細長いタイプもあれば、横幅がたっぷり取られたものもあるため、縦・横・奥行きのサイズを計測した上でコーディネートを考えることが大切です。
3-2. 床の間に物を置き過ぎない
おしゃれな和室をつくりたいなら、床の間に物を起き過ぎないことも大切です。床の間に複数のアイテムを並べてしまうと、ごちゃついた印象を与えてしまうため、飾るアイテムはできる限り厳選しましょう。
メインとなるアイテムを決めておくと、スムーズにコーディネートできます。
3-3. 全体のイメージを考える
床の間のコーディネートでは、全体のイメージを考えることも重要なポイントです。床の間のデザインだけでコーディネートしてしまうと、そこだけ浮いてしまう可能性があります。
和室や家全体のバランスを考慮して、おしゃれな家づくりをしていきましょう。つくりたい空間の完成イメージを思い描いておくと、失敗を少なくできます。
3-4. リフォームも検討する
床の間を使う予定がない方は、リフォームを検討するのも良いでしょう。床の間のスペースに扉を付けるだけでも、収納場所が確保できます。
印象を変えたい場合は、壁紙の色を変えたり照明を設置したりするのがおすすめです。ただ、リフォームには費用がかかるため、予算を事前に決めておくと良いでしょう。
設定する予算は、使える上限と希望の金額の2種類です。それぞれ納得のいく額をあらかじめ設定しておきましょう。
※ 床の間の活用方法については、「床の間を有効活用する方法!リフォーム費用や注意点も解説!」で詳しく解説しています。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、床の間の役割やおすすめの活用方法・コーディネートする際の注意点をご紹介してきました。床の間は掛け軸を飾ったり生花を飾ったりとさまざまな使い道があります。
来客をもてなす役割もあるため、季節や好みに合わせてコーディネートしてみましょう。床の間を使う予定がない方は、収納スペースにしたり本棚にしたり工夫することが大切です。
温かみのある照明を設置すると、より落ち着き感のある空間を演出できます。コーディネートの際は事前にサイズを計測しておくと、理想の空間がスムーズに演出できるはずです。
全体のイメージを考えながら上手にコーディネートしていきましょう。