水耕栽培とはその名の通り、土を使わずに水で育てる方法です。土耕栽培と異なり、あらゆる場面で育てられるため、自宅に取り入れたいと考えている方も多いでしょう。
しかし、水耕栽培を行う際は注意点を押さえておかないと、失敗してしまう可能性もあります。特にハーブは繊細な植物であるため、丁寧に育てることが大切です。
そこで今回は、水耕栽培を取り入れるメリットやデメリット・おすすめのハーブをご紹介していきます。ガーデニングや家庭菜園が趣味の方は、ぜひ参考にしてください。
1. ハーブを水耕栽培するメリット
水耕栽培は室内で植物が育てられるため、近年注目を集めている方法です。以下では、ハーブを水耕栽培するときのメリットを5つご紹介していきます。
土耕栽培との違いも踏まえながら見ていきましょう。
1-1. 虫が発生しにくい
まず、水耕栽培は土を使用しないため、害虫が発生するリスクを抑えられます。
植物に発生する害虫として「コバエ」が挙げられますが、それらの害虫は土の表面や受け皿などに卵を産んで繁殖するため駆除の手間がかかるのがデメリットです。
また、水のみを使用することで、除草や土づくりにかける手間を省けるのもメリットでしょう。
1-2. 水やりを忘れる心配がない
水耕栽培では常に水があるため、水分不足で植物が枯れる心配もありません。水の減り具合が目視できる容器を使用すれば、すぐに水を交換できるでしょう。
水やりを忘れる心配がある方は、土耕栽培より水耕栽培を検討することをおすすめします。水分が行き渡った植物は長持ちするでしょう。
1-3. 小さなスペースで育てられる
水耕栽培は土耕栽培と比べて、スペースを取らないこともメリットです。植物の根を水と溶液に浸せば育つため、ペットボトル1つでも楽しめます。
容器を工夫すれば、おしゃれな雰囲気を演出することもできるため、あらゆる楽しみ方ができるでしょう。飾り方など工夫してみてください。
1-4. 天候に左右されない
基本的に室内で育てるため、天候に左右されることがないのも水耕栽培の利点です。大雨や台風が来ても、しっかりと育つため、初心者にも取り入れやすいでしょう。
また、猛暑や厳冬など気候の影響を受ける心配もありません。ハーブの種類によっては、成長スピードが早くなるものもあります。
1-5. インテリアとして飾りやすい
インテリア性があることも水耕栽培の特徴です。土を使った育て方では、ハーブの大きさで鉢のサイズが決まってしまいますが、水耕栽培にすれば試験管や細い瓶で育てることもできます。
あらゆるコーディネートが可能となっているため、お部屋の雰囲気に合わせておしゃれな空間を演出してみましょう。
2. ハーブを水耕栽培するデメリット
続いて、ハーブを水耕栽培するデメリットを5つご紹介していきます。さまざまなメリットがある水耕栽培ですが、注意点をしっかり把握しておかないと、生活する中で不便さを感じてしまうでしょう。
ポイントを押さえて、賢く育てることをおすすめします。
2-1. 水が汚れやすい
水耕栽培は暖かい場所に放置していると、水が汚れやすくなるため注意が必要です。特に多いのは緑色をした藻ですが、そのままにしておくと容器の見た目が悪くなります。
対策として、こまめに水交換をするようにしましょう。また、直射日光が当たるような場所には置かないことをおすすめします。
2-2. がしやすい
水耕栽培では植物が常に水を吸い上げることができるため、徒長がしやすいこともデメリットです。特に乾燥に強い植物は徒長の状態が顕著に現れるため、管理方法を見直しましょう。
事前に、育てるハーブが水耕栽培に向いている種類であるか確認することも重要です。
2-3. 費用がかかる
栽培の規模によっては、水耕栽培専用の装置を準備する必要もあります。家庭で育てるような小規模の栽培でも、キットや培養液の購入が必要です。
場合によっては、土耕栽培で育てた方が低コストな場合もあるため、トータル的なコストを把握した上で導入を検討しましょう。
2-4. 電気を使用する
大規模な栽培や日当たりが悪い場所での栽培では、生育に必要な環境を保つためにLED照明を設置することもあります。LED照明を設置した場合は、毎月の電気代も高くなるため注意が必要です。
ただ、お金をかければ、発育環境も整うため、丈夫に育ってくれる可能性は高まります。
2-5. 良質な水を使う必要がある
丈夫に長持ちするハーブを育てたいなら、使用する水にこだわる必要があります。水が良質であればあるほど、すくすくと育ってくれるでしょう。
どこまで費用をかけるのか、ハーブを取り入れる目的と合わせて検討してみることをおすすめします。上手に水耕栽培できれば、留守がちな方でも長く綺麗な状態が楽しめるでしょう。
3. 水耕栽培におすすめのハーブ
最後に、水耕栽培をするならぜひ取り入れていただきたいハーブを4種類ご紹介していきます。それぞれの特徴をしっかりと理解し、ライフスタイルなど目的に合ったものを選びましょう。
3-1. ミント
初めにご紹介するハーブは「ミント」です。ミントは殺菌効果や鎮痛作用があるため、日々の生活で使用する場面も多いでしょう。
西洋では古くから、軽い病気の薬として健胃・制吐・抗痙攣の効果を発揮してきました。ミントの種は非常に小さいため、取り扱いには注意しましょう。種を植えてから10日~15日程度で芽を出します。
3-2. レモンバーム
レモンのような香りがする「レモンバーム」も初心者におすすめのハーブです。リラックス効果や消化促進の効果が期待できるため、ハーブティーにする方も多いのではないでしょうか。
レモンバームは葉っぱが増えると、風通しが悪くなるためこまめなお手入れが必要です。すぐに枯らしてしまうことがないように、しっかりと管理しましょう。
3-3. ローズマリー
清涼感のある香りが特徴の「ローズマリー」も人気のハーブです。血行促進作用や抗菌効果があるため、日常的に取り入れている方も多いことでしょう。
アレルギー症状の緩和にも効能があるため、肌の弱い方にもおすすめです。乾燥した場所を好むため、育てる際は湿気の多い場所を避けるようにしましょう。
3-4. チャービル
チャービルはパセリに似ているため、フレンチパセリと呼ばれることもあります。甘く爽やかな香りが特徴で、解毒作用や消化促進が主な効能です。
乾燥に弱いため、育てる際は水をたくさん揚げるようにしましょう。土耕栽培より水耕栽培の方が向いている種類のハーブです。
水耕栽培を検討している方は、ぜひ候補の一つとして取り入れてみてください。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、水耕栽培のメリットやデメリット・初心者におすすめのハーブをご紹介してきました。水耕栽培は土耕栽培と違って、水と溶液のみで栽培するため、管理の手間が省けます。
害虫も発生しにくく、丈夫に育てられるでしょう。しかし、置く場所によってはすぐに水が汚れてしまうため、こまめな交換が必要です。
上手に管理できれば、お部屋のインテリアとしても活用できるため、おしゃれな雰囲気を演出できるでしょう。ハーブを入れる容器や飾り方を工夫してみると、より特別な空間になるはずです。