近年、戸建てのフルリフォームに関してメディアで取り上げられることも多くなってきましたが、どのようなものなのかご存知でしょうか。場合によってはスケルトンリフォームと呼ばれることもあるため、何となくイメージできるかもしれませんね。しかし、フルリフォームの特徴を知らないために戸建てを建築する際に費用面やデザイン面で後悔してしまうことも。そのようなことがないようにこの記事では、戸建てフルリフォームのメリットやデメリット、相場などを解説していきます。
1. フルリフォームとは
フルリフォームでは住宅の内装や設備を解体し、躯体だけにします。その後、リフォームやリノベーションをするため、建物を造り替える必要がありません。ただ、ツーバイフォーやプレハブ工法で造られた建物は壁の面で支えているため、解体工事はできますが、間取りの変更は不可能です。フルリフォームのメリット・デメリットを知り、希望に沿ったリフォームか検討していきましょう。
1-1. フルリフォームのメリット
物件探しが時間も労力も掛かります。特に新築物件を探している場合は選べる物件も少なくなるため、妥協点が出てくるかもしれません。しかし、初めからフルリフォームを考えて、物件探しをしていけば選べる範囲も広がります。中古物件であっても内装や間取りは後で変更できるため、早く希望の物件に出会えるでしょう。
また、フルリフォームをすることで固定資産税が抑えられるメリットもあります。建物の価値は新築時が最も高いため、築年数が古いからといって、建て直しをしてしまうと固定資産税も高くなってしまいます。固定資産税は床面積が増えるときも上がるため、間取りを変更する際は注意しましょう。
さらに、フルリフォームでは設備や配管を新品同様にできます。より快適な暮らしを送るためにもフルリフォームを検討する方が増えていますよ。外壁を剥がしての工事となるため、断熱材を追加するなど断熱対策も可能です。フルリフォームで建物全体の断熱性を強化すれば、冷暖房効果も上がり、結果的に省エネに繋がります。
1-2. フルリフォームのデメリット
フルリフォームにはデメリットもあります。デメリットをよく理解し、自分に合ったリフォームを行いましょう。
フルリフォームでは建物の内装や設備を解体します。そのため、見た目や使い勝手の面では新築同様です。しかし、完全に新築にすることはできないため、新築より強度が落ちる場合もあります。耐震補強に関しても、基礎を強化することはできても、地盤を変えることは困難です。
築年数が古く、相当な補強をしなければないないときはその分、費用も上がります。建物の構造自体はしっかりしていても、柱や床が劣化している場合もあり、想定外の追加工事が行われるケースも。新築や建て替えを依頼する場合より費用が掛かることを想定しておくのが良いでしょう。
また、追加工事などの理由で工事が長引く可能性もあります。依頼する業者によりますが、4ヶ月から6ヶ月程度掛かるため、仮住まいを探さなければなりません。複雑な造りになればなるほど、打ち合わせにも時間が掛かり、工事も長引きます。余裕を持った計画でフルリフォームを検討しましょう。
※ 参考記事: 「リフォームの期間はどのくらい?工期が延びる原因やポイントを解説!」
2. フルリフォームの費用
続いて、フルリフォームの費用を解説していきます。建物の大きさや条件、デザインによって金額や内訳は大きく変わりますが、フルリフォームの費用は解体工事・補強工事・設備設置の3つが大きな内訳として挙げられます。その他にも、部材や備品の運搬代や仮住まいの費用、税金などが掛かってくるため、詳しい費用は依頼する業者に見積もりを出してもらいましょう。
以下ではフルリフォーム費用の大きな内訳である解体工事・補強工事・設備設置の内容をご紹介していきます。
2-1. 解体工事
建物を解体するときの費用です。フルリフォームでは骨組みだけを残すため、細かい作業は手作業で行います。そのための人件費や工事期間が計画していたものより延びる可能性があります。
2-2. 補強工事
床材や壁材に腐食が見られた場合は内装や設備を造る前に綺麗に補強や強化をしなければなりません。部材が古くなればなるほど、強化しなければならないため、費用も上がってきます。建物の状態が悪ければ、新築するのと費用は大差ありません。建物の強度診断を行った上で、工事内容を決めても良いですね。
2-3. 設備設置
キッチンや浴室、トイレなどの水回りの設備を新しく設置するための費用です。設置するための配管や配線の工事も必要になってくるため、ある程度の相場は知っておきましょう。設備のグレードによって、全体の費用も大きく左右されますよ。
3. フルリフォームの費用を抑える方法
フルリフォームは気を付けていないと、莫大な費用が掛かります。ここでご紹介するポイントを抑えて、賢くリフォームをしていきましょう。
3-1. 設定予算と上限予算を決める
せっかく理想の間取りや内装、設備を自宅に取り入れても、高額な住宅ローンが残ってしまっては支払いに長年悩まされてしまいます。自分がきちんと責任を持って、支払いができるか無理のない予算設定をしましょう。
リフォームの予算を決める際は工事に掛かる最低限の設定予算と生活や病気、災害などが起こる可能性を考慮した上限予算を考えるのがおすすめです。打ち合わせなどで初めに考えていた設定予算より超えてしまうことは仕方がないですが、上限予算を超えると生活ができなくなってしまうため、絶対に上限予算はオーバーしないようにしましょう。
3-2. 譲れない条件をまとめる
予算を大幅に超えないためにも自分の中で優先順位をつけておくことが大切です。リフォームをするにあたって、譲れない条件を細かくまとめていきましょう。どこでコストを抑えるのか、どこで力を入れたいのか明確にしておくと、打ち合わせもスムーズに進みますよ。
3-3. 間取りを変えない
フルリフォームをコストダウンさせるためにも、既存の間取りを活かした工事をおすすめします。制限があると、思いがけないところで斬新なアイデアが浮かぶこともありますよ。
3-4. DIYを取り入れる
最近ではDIYを取り入れた自分らしい住まいづくりが人気です。簡単な家具であれば、自分で製作できますよ。業者に家具設置を依頼するより費用も抑えられるでしょう。
3-5. 専門家に相談する
工事内容やリフォーム費用で悩んだら、プロの力を借りるのもおすすめです。場合によっては値引き交渉も可能ですが、無理に交渉するよりかは工事内容を工夫した方が結果的に満足度も高くなるでしょう。そのためにも、妥協できないポイントや上限予算は明確にしておいてくださいね。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
フルリフォームは建て替えよりも経済的で自由に住まいを造り直せます。建物の老朽化などで大掛かりなリフォームを検討している方はぜひフルリフォームの視野に入れて考えてみてください。実際にフルリフォームを依頼したいという場合は具体的なイメージを膨らませてから、業者を探すと良いですよ。