家のリフォームを考えている方の中には、バリアフリーリフォームを検討している方もいるのではないでしょうか。バリアフリーリフォームは住む方が不自由なく暮らすことを目的としたリフォームで、一般的なリフォームと工事内容が異なる場合がほとんどです。
今回は、バリアフリーリフォームに関して、よくある事例や注意点・工事するタイミングをご紹介していきます。バリアフリーリフォームに詳しくない方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. バリアフリーリフォームの工事内容
バリアフリーリフォームと一口にいっても、工事内容は多岐に渡り、部分的なものから住宅全体までさまざまなものがあります。同居する全ての方が安心して暮らすためには、どのような工夫が必要でしょうか。
特に高齢者や小さなお子さんは住宅の中で怪我や事故を起こす可能性が高いため、注意して設計することがポイントです。以下では、バリアフリーリフォームでよく採用される工事を5つご紹介していきます。
1-1. 手すりの設置
バリアフリーリフォームでよく取り入れられている工事の一つは「手すりの設置」です。高齢になると、階段の上り下りが大変になるため、身体を支える手すりの存在が欠かせません。
また、立ち座りするスペースも身体のバランスを崩しやすいため手すりが必要です。使用者の背丈や動きに合わせて、最適な場所に設置しましょう。
特に玄関やトイレ・階段など身体を動かす場所に設置することをおすすめします。
※ 参考記事: 「自宅に手すりを取り付けるメリットは?選び方や設置場所も解説!」
1-2. 段差を解消する
玄関や部屋の境などに段差があると、躓いてしまう危険性もあります。特に高齢者や小さなお子さんは怪我をしやすいため、段差を解消する工夫が必要です。
スロープを設置したり部屋の境を平坦にしたりすることで、安心安全な暮らしが叶えられます。予算を考慮しながら、快適な生活ができるように工夫してみましょう。
1-3. 滑りにくい床に張り替える
フローリングは滑りやすいため、転倒事故を起こす可能性があります。滑りにくい材質や衝撃を和らげるクッション性の床材を使用することで、室内の安全性も高まるでしょう。
キッチンや脱衣所などの水回りは、滑りにくさと合わせて掃除のしやすさも考慮することをおすすめします。
※ 参考記事: 「床材にはどんな種類がある?それぞれの特徴や選び方を解説!」
1-4. 開閉しやすいドアに変更する
家のリフォームで意外と見落としがちなのが「ドア」です。ドアを変更することで、スムーズな動線がつくれるため、より快適な暮らしが営めます。
特に車椅子の方がいる場合は、引き戸など通りやすいドアを設置することが大切です。ドアの形が変えられない場合は、ドアノブを変更するだけでも効果があります。
※ 参考記事: 「室内引き戸とはどんなもの?種類やメリット・デメリットをご紹介!」
1-5. 住宅設備を入れ替える
キッチンやトイレ・浴室などの住宅設備を入れ替えるだけでも、家の安全性は高められます。浴槽の高さを上げたりタンクレスのトイレにしたり、住み心地を意識して工事内容を決めるようにしましょう。
リフォームする箇所や面積によってかかる費用は大きく変わってくるため、事前に相場を把握しておくと失敗するリスクも減らせます。
2. バリアフリーリフォームの注意点
バリアフリーリフォームではさまざまな工事ができますが、注意点を押さえておかないと工事後に不便さを感じてしまうこともあるでしょう。
事故や怪我が起きてからでは遅いため、事前にリフォームのポイントを把握しておくことをおすすめします。
2-1. 視力への配慮をする
まず、バリアフリーリフォームでは視力への配慮も行いましょう。近視や乱視が強い方はもちろん、年齢を重ねて老眼になった方への配慮も必要です。
視力が低下すると、家具にぶつかったり段差に躓いたりと怪我に繋がる恐れがあります。床と壁、家具と床など色の変化をつけて設計するようにしましょう。
2-2. 動線を意識する
リビングからキッチン、各居室から水回りなど動線を意識した設計も重要です。家の中の動きがスムーズでないと、ストレスを感じてしまうだけでなく人がぶつかる危険性も出てきます。
特に朝は身支度などで家の中を動き回ることが多いため、スムーズな動線が確保できるように工夫しましょう。家族がどのように動くか考慮しながら考えることが大切です。
2-3. 必要性を明らかにする
バリアフリーリフォームのよくある失敗として、工事の意味がなかったことが挙げられます。よく考えて工事内容を決めないと、無駄になってしまう可能性もあるでしょう。
リフォームの必要性をしっかりと確認し、目的を持って工事を進めることが重要です。使用する方が何を求めているのか聞いてみるのも良いでしょう。
2-4. 予算を明確にする
バリアフリーリフォームでは、予算を明確にしておくことも重要なポイントです。部分的な工事であれば少ない費用で済みますが、間取りの変更など大掛かりな工事は高額な費用がかかります。
しっかり計画しておかないと、その後の生活を圧迫してしまう可能性もあるため、できるだけ予算内に収まるように計画しましょう。
2-5. 再度変更できるかも考える
バリアフリーリフォームの注意点として、工事の余力を残しておくことも大切です。工事後に再度検討が必要な箇所が出てくる可能性もあるため、いきなり大掛かりな工事をすることはあまりおすすめしません。
それでも大幅な工事をしたい場合は、工事の目的をきちんと考えておくようにしましょう。
3. バリアフリーリフォームを検討するタイミング
最後に、バリアフリーリフォームの検討時期をご紹介していきます。バリアフリーリフォームの時期に迷ったら、以下の4つのタイミングで工事を行うと良いでしょう。
3-1. 同居人が60歳以上になったとき
一緒に住んでいる家族が60歳を超えているなら、早急にバリアフリーリフォームを検討することをおすすめします。高齢になるにつれ、足腰が弱り転倒のリスクも高まるため、工事をして不安をなくしましょう。
リフォームをする前に現状の問題点などを洗い出してみると、より快適な住宅に仕上がります。
3-2. 子どもが独立したとき
子どもが独立して夫婦2人での生活を始めるタイミングもおすすめの時期です。将来的に介護を考える必要も出てくるため、老後どのように過ごしていくか話し合っておくと良いでしょう。
子どもと長年住んでいた家を夫婦2人で使っていくのは広過ぎるという方は、住み替えを検討するのも一つの手段です。
※ 参考記事: 「マンション買い替えの基礎知識!事前に知っておきたい流れやポイント」
3-3. 住宅メンテナンスをするとき
住宅メンテナンスの時期は一般的に建築から20年といわれています。そのタイミングでバリアフリーリフォームを検討するのも良いでしょう。
住宅設備が劣化したタイミングでその都度工事をすると、手間や費用がかかってしまうため、まとめて行うことをおすすめします。
3-4. 家の老朽化に気付いたとき
住宅メンテナンスを待たずとも家の劣化に気付いたときは、そのタイミングでリフォームをしましょう。住宅設備は10年〜20年で寿命が来るため、汚れや傷が目立つ場合は交換のタイミングです。
これを機に、住宅の使いやすさについても考えてみることをおすすめします。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、バリアフリーリフォームについてご紹介しました。バリアフリーリフォームでは、手すりの設置や階段の解消など暮らしを考慮して工事内容を決めることが大切です。
また、近年では高齢者や体が不自由な方のためだけでなく、その家に住む誰もが暮らしやすくなるよう、ユニバーサルデザインを取り入れた住宅もみられるようになりました。ユニバーサルデザイン住宅も、快適さを追求できるため、長く住める住宅として重宝します。
※ 参考記事: 「ユニバーサルデザインの家とは?メリット・デメリットをご紹介!」
家族全員が安全に暮らせるように、事前の計画は入念に行いましょう。