近年、不動産業界の中でも導入が増えている「VR内見」。物件探しをされている方の中には既に体験したことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現地に行かなくても物件の内見ができるため、コロナ禍の状況においても注目されている内見サービスの一つです。でも、本当にちゃんと内見ができるのか不安という方も多いですよね。
今回は「VR内見」とはどんなものなのか、内見の仕組み、メリット・デメリット、活用方法についても詳しく解説していきます。
1. VR内見とは?
まず、「VR内見」とは何かについて詳しく見ていきましょう。
1-1. VRとは?
そもそもVRは何かと言うと、Virtual Reality(バーチャルリアリティー)の略称です。和訳では「仮想現実」と言われており、現実に近い体験を得ることができる技術を意味します。
ゲームや映画、アニメーションといったエンターテインメントコンテンツだけでなく、昨今では不動産、医療や教育、観光、広告等の様々な領域で活用が広がっている技術です。
1-2. VR内見の仕組み、内見方法
VR内見は、先述したVR技術を利用することによって、現地に行かなくても物件を訪れて内見をしているような体験ができるサービスになります。
最近では撮影機材も安くて良いものが市場に流通しているため、多くの不動産会社がVR内見を導入する傾向にあり、ウェブサイトでも物件紹介の重要なコンテンツとして活用されています。
予めVR動画が撮影できる特殊なカメラを使用して撮影された物件動画を、スマートフォンやVRゴーグル、VRグラスなどを使用して内見を行います。
また、ゴーグル等の機器を使用せずに、360度の3Dの物件映像をウェブ上で自由に動かしながら閲覧することも可能です。
VR内見の方法は、ご自宅やインターネット環境のある場所でオンラインでVR内見をするという方法、不動産会社の店舗でVRゴーグルを使用して内見する方法があります。
1-3. 「オンライン内見」との違い
VR内見のように、現地に行かずにご自宅等で物件の内見ができるサービスとして「オンライン内見」があります。
違いとしては、VR内見は予め用意された物件のVR動画を見るものであるのに対し、「オンライン内見」は不動産会社の担当者が現地でビデオ通話ツール等を使って内見希望者とオンラインで繋ぎ、画面を通して見学や説明を受けることができるというものになります。
3. VR内見のメリット
では、VR内見のメリットについて見ていきましょう。
3-1. 物件に足を運ばずに気軽に内見ができる
VR内見の1番のメリットとは、現地に行かなくても物件の内見ができるということでしょう。現地に行く時間がない、遠方から物件を探さなければならないという方でも、自宅やインターネット環境が整った場所から物件の内見が可能です。
既に用意されたVR動画を閲覧するため、実際の物件内見とは違って担当者とのスケジュール調整や予約も不要なので気軽に内見が可能です。
3-2. 非対面で内見ができる
なるべく人との対面を避けて物件の内見をしたい方も多いですよね。また、不動産会社の担当者と一緒に内見するのにハードルを感じるという方もいらっしゃると思います。
ご自宅からのVR内見であれば、人との接触を避けて気兼ねなく物件の内見が可能です。
3-3. 内装中でも完成イメージを見ることができる
VR内見のサービスを提供している不動産会社の中には、内装工事中にCGの完成イメージをVR内見できるコンテンツや、実際には家具やインテリアがない状態のお部屋でも設置されているイメージが体感できるようなコンテンツを作成して提供している不動産会社もあります。
これこそ、VR内見にしかないメリットと言えるでしょう。
4. VR内見のデメリット
では、VR内見のデメリットや注意点についても確認していきましょう。
4-1. 自分の目や感覚を使って物件を確認することができない
やはり最もデメリットと感じるのは、実際に自分の目や五感を使って物件を確認できないことでしょう。
お部屋のある程度の部分までは内見ができますが、あくまでも用意された動画の中での内見になるため、もっと詳細まで見たいという要望があっても叶わないということです。
また、設備の高さや大きさも具体的には感じづらく、陽当りや風通し、匂いといったものも映像を通してでは感じることができません。
4-2. 物件の共用部、周辺環境が確認できない
VR内見は、部屋の内部を撮影したものになるため、物件の外や共用部の確認をすることはできません
物件の管理状況や周辺環境は物件を選ぶ際にも重要な要素と言えます。そこが確認できないのはデメリットと言えるでしょう。
5. VR内見をより活用するには?
VR内見の良さは、気軽に現地に足を運ぶことなく、ある程度リアルな状態に近い内見ができることですよね。そのメリットを最大限活用するおすすめの方法が、リアルな物件内見と併用してVR内見を活用するというものです。
気になる物件がたくさんあって、すべて現地まで行って確認をすることはできないという場合に、VR内見を利用して物件の絞り込みを行います。こうすることで、効率的に物件探しをすることができますね。
6. 実際に物件を見たい方には「セルフ内見」がおすすめ
VR内見やオンライン内見のように、非対面で内見ができるサービスに「セルフ内見」があります。
「セルフ内見」とは、物件の内見を内見希望者のみで行うというもの。VR内見もオンライン内見も気軽に物件内見が可能ですが、どちらも実際に物件を見ることができない点はどうしても解消できませんよね。
セルフ内見では、実際に物件内見ができることはもちろん、担当者が同行しないためスケジュール調整も不要になり予約も比較的簡単にできます。
現時点では、主に賃貸物件を対象にしたものが多いのが実情なのですが、売買物件を対象としたサービスも新たに登場しています。
物件の売主と買主が直接取引できる不動産直販プラットフォームを運営する「FLIE(フリエ)」では、お手持ちのスマートフォン1つで部屋の鍵だけでなく共用部のオートロックも解錠できるセルフ内見サービス「Smaview(スマビュー)」を提供しています。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
6. まとめ
今回は、「VR内見」について詳しく見てきました。平面的な画像や動画では分かりづらいお部屋の中を、VR技術によってよりリアルに物件内見が気軽にできる点はメリットですね。
現地の物件内見と併用し、上手に活用して効率的に物件探しをするのがおすすめです。