マンションの大規模修繕工事って何?内容や費用、行われる期間等

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マンションは耐久性に優れた建物ですが、雨や風、太陽からの紫外線等の影響による経年劣化はどんな優れた建材や資材を使った建物にも必ず生じます。
そのため、マンションを長く安全に使っていくためには、定期的なメンテンナンスが重要です。そうした中でも大掛かりな工事を含むものを大規模修繕工事と言います。

マンションの状況によっても異なりますが、大規模修繕工事は概ね10数年ごとに実施されることになるため、現在お住まいの方だけでなくマンションの購入をこれから検討される方も、実施される内容等についてきちんと把握しておく必要があります。

今回は、マンションの大規模修繕工事について、主な工事内容や費用、実施される周期などの概要と、その必要性について詳しく解説していきます。

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1. 大規模修繕工事って何?

大規模修繕工事とは、マンションの経年劣化を防ぐために行われる、共用部分を対象とした大掛かりな工事のこと。建物や設備を建築当時の状態まで回復させることを目的とした修繕工事から、時代にあった機能や性能に更新するような改修工事も含みます。

マンションの機能や性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠であるため、長期にわたる適切な修繕計画が立てられることが推奨されており、国でも長期修繕計画についてのガイドラインを策定しています。

長期修繕計画は、管理組合が主体となり作成されるもので、どの時期に、どういった内容の工事を、どのくらいの費用をかけて行うかを計画するものです。
中でも、外壁等の塗装、屋上防水、給排水管等の大規模修繕工事は、費用や工事期間等の住民への負担も大きくなるため、あらかじめ立てられた長期修繕計画に沿って行われることになります。

参考: https://www.mlit.go.jp/common/001172730.pdf

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2. なぜ大規模修繕工事が必要なの?

国土交通省の調査結果では、鉄筋コンクリート造のマンションの平均寿命は68年と公表されています。また、鉄筋コンクリート自体の物理的な寿命ということで言えば100年以上であるという調査研究もあり、マンションの寿命は比較的長いと言えます。

ただし、これらはコンクリートの構造部分について、適切なメンテナンスを行ったうえでの寿命です。

毎日、直射日光や雨や風といった外的影響を受け続けている建物は、当然日々劣化していきます。設備等の構造部以外の寿命はもっと短いですから、定期的なメンテナンスや更新工事を行わなければ、建物全体の耐久性、安全性を保つことはできないのです。

また、建物の設備や見た目等が痛んでいれば、マンションの資産価値の低下にもつながりますよね。

大規模修繕工事を適切に行うことは、建物を長持ちさせるだけでなく、資産価値を保つためにも非常に重要なのです。

参考: https://www.mlit.go.jp/common/001014514.pdf

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3. 大規模修繕工事の概要は?(主な内容、費用、周期)

では、実際に行われる大規模修繕工事の具体的な内容について、国土交通省で行った「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」を参考にご説明していきます。

3-1. 大規模修繕工事の主な内容

大規模修繕工事にあたる主な工事内容は、外壁塗装、外壁タイル補修、屋根・床防水、鉄部塗装、建具・金物等の工事、給排水設備となり、それに加えて工事を行うために必要な足場やシート等の仮設工事も行われます。

大規模修繕工事の行われた回数によって実施される部位や内容が若干異なり、2回目は給水設備、3回目以上は建具・金物等が多くなる傾向があるようです。築年が経過するにつれ、基本的な外周りの工事に加えて、劣化した設備面の更新が必要になるということですね。

3-2. 各住戸あたりの工事費用負担

次に工事金額を見てみると、一戸あたり75~100万円が30.6%、100~125万円が24.7%、50~75万円が13.8%となっており、平均して100万円前後の金額が掛かっていることになります。
やはり、実際の金額を見ても、住民への負担は大きいことがわかりますね。

ちなみに、こうした大規模修繕の費用はどこから捻出されるかというと、住民が毎月支払うことになる「修繕積立費」から充当されます。物件によっては、駐車場収入の余剰金を組み入れることもあります。

同じく毎月支払う「管理費」は日々の清掃やメンテナンス費用に充てられ、修繕積立金は大規模修繕工事の実施のために計画的に積み立てられているのです。
修繕積立金の金額設定は、マンションの状況や規模によっても異なりますが、国交省の「マンション総合調査」によると、平均は11,000~12,000円となっています。

多くのマンションでは、新築時は金額が安く設定され、段階的に増額される方式をとる場合が多いようです。
また、建物の状況によって定期的に修繕計画が見直されることや、社会情勢により工事費用が高騰するなど、計画していた修繕費用がアップし、各住戸の費用負担が増額することもあることは覚えておきましょう。

3-3. 大規模修繕工事の行われる周期

大規模修繕工事の行われる周期については、1回目は築13~16年前後、2回目は築26~33年前後、3回目以上は築37~45年前後で実施されているという結果になっており、大体10数年を周期に大規模修繕工事が行われていることがわかります。
先述した国交省の長期修繕計画ガイドラインの修繕周期でも設定されていることもあり、12年周期で行われるのが一般的です。

参考: https://www.mlit.go.jp/common/001234283.pdf
参考: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

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4. マンションの管理状態を見極める目安

「マンションは管理を買え」とよく言われるように、マンションは管理体制が非常に重要です。
これからマンション購入を検討される方であれば、物件がどんな管理がされているかを見極めるためにも、大規模修繕工事実施履歴や長期修繕計画について事前に確認することをおすすめします。

マンションの修繕履歴は、不動産仲介会社に依頼すれば取り寄せることができるため、事前に内容を確認し、どのような実施状況であるかを確認しておきましょう。

確認のポイントとしては、長期修繕計画に沿ってきちんと実施されているか、また修繕積立金が滞納なく徴収されているか、残高が予算を下回っていないかなどが重要です。

中々内容の理解が難しい場合もあるため、不動産仲介の担当者にも確認してみるとよいでしょう。

5. まとめ

今回は、マンションの大規模修繕工事について詳しく解説してきました。
今マンションに暮らしている方はもちろん、これから購入を検討する方にとっても非常に重要な内容になります。

マンションがきちんと管理された物件は、資産価値が落ちづらく、長く安心して暮らせるでしょう。
ぜひ、お住まいのマンションの管理や今後の物件購入の際にお役立てください。