「ヴィンテージ」という言葉はインテリアやファッション、ワイン、車などで聞いたことがある方も多いはずです。
ヴィンテージは古くなればなるほど価値が上がるものですが、それは建築物にも言えます。
通常、マンションなどの住宅は築年数が経つほど、価値が下がるものです。しかし、ヴィンテージマンションにおいては価値が時代に左右されません。条件次第では価値が上がり続けることも。
そんなヴィンテージマンションの条件とは一体何なのでしょうか?
この記事では、ヴィンテージマンションの定義や賢い選び方を解説していきます。
1. ヴィンテージマンションの定義
ヴィンテージマンションには共通する定義がありません。それぞれの不動産会社や専門業者によって条件が異なるのが現状です。
ここでは、一般的にヴィンテージマンションだと位置付けられている条件を解説していきます。
1-1. 立地が良い
まず、初めに挙げられるのが立地です。最寄りの駅が人気のエリアにあることは必須条件です。
東京でいうと、六本木や麻布十番などの高級住宅地がそこに当てはまります。
また、東京駅や渋谷駅、新宿駅などターミナル駅に近いことも条件の一つです。
しかし、必ずしも駅近くのマンションだけがヴィンテージマンションに当てはまるわけではないので注意しましょう。
利便性がなくとも、それ以上の価値がある場所に建てられていれば、ヴィンテージマンションと扱われることもあります。
1-2. デザインが優れている
ヴィンテージマンションはデザイン性も重要です。
いつの時代も古くさいと思われないことが前提条件です。
年代物を上手に活かしたクラシックなデザインやスタイリッシュなモルタル仕上げなどデザイン性の高いマンションは価値が落ちません。その建物ならではの空間を楽しむことができるでしょう。
1-3. 管理体制が整っている
立地やデザインが良くても、管理が滞っていればヴィンテージマンションとは言えません。外壁が崩れていたり、草が伸び放題だったりした場合はマンション自体の価値も下がっていきます。
しっかりと管理が行き届いたマンションを選ぶようにしましょう。
1-4. 高価格帯
ヴィンテージマンションは金額でも判断できます。周辺の地域を比べても、高価格帯で貸し出されていたり売られていたりします。
ヴィンテージマンションには築年数には負けない価値や魅力が備わっており、古い建物でも需要があります。ヴィンテージマンションをお探しの方は築年数と価格を見てみると良いでしょう。
2. ヴィンテージマンションの選び方
ヴィンテージマンションの4つの条件が分かったところで、今度はヴィンテージマンションの賢い選び方を解説していきます。ヴィンテージマンションに住みたい方やマンションを購入したいという方はぜひ参考にしてみてください。
※ 中古マンションの購入については「中古マンションを安心して購入するために!購入時のポイントを解説」をご覧ください。
2-1. 大規模修繕が定期的に行われているか
一般的にマンションは大体10年間隔で、大規模な修繕工事を行います。マンションを管理している不動産会社に聞いてみましょう。
内見時には外壁や共用部を見る他、集合ポストなど細かい部分まで見ることをおすすめします。綺麗であることはもちろん、自動ドアやエレベーター、スロープなどバリアフリー化されているかも注目すべきポイントです。
2-2. 耐震性を確認する
住宅の耐震性は1981年以降、改正され現在は新耐震基準が設けられています。1981年以前のマンションであれば、耐震診断を行い、基準に達しているか確認してください。必要に応じて、リフォームや補強をするようにしましょう。物件によっては複層ガラスに変更することも可能です。
詳しくは管理している不動産会社に問い合わせてみてください。
2-3. マンション内のコミュニティも重要
ヴィンテージマンションにはコミュニティがある場合も。エントランスの掲示板を見てみると、地域の情報やサークル活動などが掲載されています。マンションを綺麗に保つために住民同士で清掃を分担することもあります。
マンション内や地域との関わりがあるか否かも判断材料となるため、忘れずに確認しておきましょう。
3. 東京都内にあるおすすめのヴィンテージマンション
ここからは東京都内にあるおすすめのヴィンテージマンションをご紹介していきます。
今回は代表的な3ヶ所のマンションを解説してきます。気になる方はぜひ調べてみてくださいね。
3-1. 広尾ガーデンヒルズ
1983年築ですが、現在も2億円以上で売り出される価値の高いヴィンテージマンションです。
広尾駅から徒歩5分ほどの好立地だけではなく、66,000㎡の広大な敷地面積を持っています。
「広尾の森」として知られるように緑もたくさん。
ケヤキ並木やツツジ、ツバキなど季節を楽しめる景観が整っています。
敷地内にはスーパーや銀行、郵便局などが揃っており、敷地内である程度の生活が完結できる仕組みです。
レストランもあり、住人の方々で賑わいをみせています。
3-2. ドムス南麻布
茶色のタイルが特徴的なヴィンテージマンションです。竣工は1993年で、ヨーロッパの集合住宅がモデルとして使われています。外観はシンプルですが、共用部には大理石や豪華なシャンデリアが使用されていて、ヨーロッパの貴族のような暮らしが叶えられるでしょう。
管理体制もしっかりしており、設備や部材のトラブルが起きる前に修繕できる体制を採っているため、細部まで竣工時の美しさが保たれています。
3-3. 三田綱町パークマンション
1972年に竣工された純白のツインタワー。19階建て・52mの高さを誇る超高層マンションです。マンションの北側には三井グループ迎賓館の庭園があり、自然の移り変わりを楽しめます。オーストラリア大使館やイタリア大使館も近くにあるため、都心とは思えないほどの緑の多さです。
エントランスは24時間有人でまるでホテルのよう。各フロアは4戸以内で収められているため、全ての住宅が角部屋です。入居時には組合で作成した入居案内が配布されるため、生活面で困ることも少ないですよ。
専有面積は全戸120㎡前後とゆとりのある暮らしが営めます。
4. まとめ
一般的なマンションは建築年数が経つと、価値が下がり、持っているだけで損をしてしまうこともあります。しかし、ヴィンテージマンションのような厳しい条件をクリアした希少価値のある物件は持っていても価値が下がることは非常に少ないです。
物件を探す際にヴィンテージマンションを目にする機会も多いと思うので、ここでご紹介した選び方を参考に質の良いマンションを選び抜いてくださいね。マンションは立地や間取りだけでなく、デザインや管理体制などにも注目してみると良いでしょう。