半農半Xとは?コロナ禍で注目される新しいライフスタイル

ライフスタイル
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「半農半X」、この言葉の意味はご存じでしょうか。その名の通り、半分農業、半分別の仕事=Xを持つ生き方のこと。

国では「働き方改革」を2019年に施行し、長時間労働の是正やテレワークなど様々な施策を行ってきましたが、新型コロナウィルスの感染拡大によって在宅勤務・テレワークの普及が一気に進み、 感染リスクの高い都心部から地方への移住や、二拠点生活を考える方も増えています。

こうしたライフスタイルの変化によって、今「半農半X」が注目されています。

この記事では、「半農半X」とはなにか?メリットや事例、半農半Xの始め方などについて、詳しく解説します。

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1. 半農半Xとは

半農半Xとは、1995年に塩見直樹氏が自身の著書『半農半Xという生き方』で提唱した考え方。

「小さな農業で食べる分だけの食を得て、ほんとうに必要なものだけを満たす小さな暮らしをし、好きなこと、やりたいことをして積極的に社会とかかわっていくこと」と著書の中で記しています。

塩見氏自身も1999年に故郷にUターンし、自給自足を行いながら講演活動等を行い、自身で半農半Xを実践していきました。

半農半Xの「X」に当てはまることは人それぞれで異なり、自分の個性や特技によって社会に貢献できることが入ります。それは、調理師、教師、ライター、デザイナー、歌手、ヘルパー等々。自分自身がそれぞれにやりたいことを、農業を営みながら行う暮らしが、半農半Xなのです。

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2. 半農半Xのメリット、魅力について

半農半Xのメリットや魅力について見ていきましょう。

まず、都心から地方に移住することになるため、生活費が抑えられることが挙げられます。家賃もグッと安くなり、食べ物も自給自足で賄えるため、お金の面でメリットが大きいと言えます。
地域によっては補助金や助成金等の制度も利用できるため、移住時の初期費用も抑えることができます。生活費が抑えられれば、お金を気にすることなく、好きなことに専念する時間がもてますね。

そして、自分自身の手で農地を耕し、作物を育てることによって得られる喜びや楽しみはかけがえのないもの。この魅力が最も大きいといっても良いかもしれません。

また、これまで通勤や残業などで仕事に費やされていた時間が減り、家族で過ごす時間が増えることに加え、家族一緒に農業に取り組むことで充実感を共有し、家族との時間を大切にできるというのも大きな魅力です。

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3. 半農半X支援事業を実施する島根県の取り組み

半農半Xの考え方は、農業就業人口の減少や高齢化といった問題を抱える自治体でも、有効なキーワードとして積極的に取り入れられています。

島根県では、2010年より「半農半X支援事業」を開始し、島根県外からU・Ⅰターンして半農半Xを実践する方に就農・定住に必要な助成する制度を設け、積極的に支援を行っています。

助成金を受けるには市町村の認定が必要ですが、認定されれば、就農前の研修費用と定住開始後に必要となる営農経費をそれぞれ月額12万円(最長1年間)。そして、定住して営農を始める際に必要となる施設整備の経費の1/3以内(上限100万円)の助成が受けられます。

こちらの助成制度を利用した半農半X実践者の方は、令和3年3月時点で79名。
「半X」の事例としては、酒造会社で酒造りに携わる蔵人、庭師といったように1年を通じて農業と並行で他の仕事をされる方や、農閑散期となる冬季などの時期にスキー場や除雪作業といった他の仕事に従事される方など、皆さん様々な形で半農半Xを実践されているようです。

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4. 半農半Xを始めるには

では、半農半Xに興味を持ったという方は、何から始めればよいでしょうか。詳しく見ていきましょう。

4-1. 就農を知る、学ぶ

農業を始める方法が分からないという方には、まず就農相談窓口や就農イベントに参加をおすすめします。

就農相談センターは各都道府県に設置されている公的機関で、就農情報の提供や無料相談を行っています。また、JAや一般の企業でも就農相談窓口を開設しているところもあるため、利用してみましょう。

就農イベントでは、相談員や農業法人経営者等の話を直接聞ける他、セミナーや相談コーナーがあるなど、様々な農業の情報が気軽に得られます。

検討が進み、より具体的に農業についてイメージするためには農業体験が重要です。
農業の現場で短期就業体験ができる農業インターンシップや、農業大学校や農業専門学校の短期研修プログラムに参加するという方法もあります。

このように、農業を始めるための支援や研修制度等は様々な種類があるため、ご自分にあった方法で、就農への検討を進めましょう。

参考: https://www.be-farmer.jp/
参考: https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/

4-2. 就農のための支援制度について

新たに農業を始めるには資金調達が課題となります。国や自治体では、新規就農者への資金や設備投資への助成金や補助金を設けているため、代表的な制度について紹介します。

農業次世代人材投資資金

こちらの制度は、就農前の研修資金への支援(準備型)と、就農後の経営確立の支援(経営開始型)する資金交付を行うものです。
準備型は、都道府県が認める農業大学校等の研修機関等で研修を受ける就農希望者に、最長2年間、年間最大150万円の資金交付。
経営開始型は、農業経営を始めてから経営が安定するまでの最長5年間のうち、経営開始1~3年目は年間150万円、4~5年目は年間120万円を定額交付するものです。

いずれも、要件を満たした場合に交付されるもので、準備型であれば就農予定の年齢が原則49歳以下であることや、独立・自営就農または雇用就農を目指すこと、研修期間で概ね1年以上研修すること等があり、対象とならない場合は返還の対象となります。

参考: https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/roudou.html

青年等就農計画制度

青年等就農計画制度は、新たに農業経営を営もうとする原則18歳以上45歳未満の青年等を対象に、計画に沿って農業を営む認定新規就農者に対する重点的な支援措置です。就農計画を提出し認定を受けた場合、青年等就農資金(無利子融資)や、先ほどご説明した農業次世代人材投資資金の経営開始型の対象となる等の支援が受けらます。

参考: https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/nintei_syunou.html

5. まとめ

今回は、「半農半X」の意味や実際の取り組み等について詳しく解説してきました。

テレワークが一般的になってきた今、多くの人が魅力に感じるライフスタイルといえます。

どうしても仕事中心に暮らしを考えがちですが、どのように暮らすかを中心に考える一つのきっかけにとして、ぜひ皆さんも参考にしてみてください。