フルリノベーションとは住宅全体をリノベーションすることを指します。そのほとんどが解体から行うため、間取りを大きく変更する際におすすめです。
建物の構造部分だけを残し、リノベーションする「スケルトンリノベーション」もフルリノベーションの一種であらゆるニーズに対応できます。そんなフルリノベーションにはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
フルリノベーションする際の注意点も併せて解説していきます。
1. フルリノベーションのメリット
まずフルリノベーションをするメリットから解説していきます。フルリノベーションのメリットは大きく分けて4つ。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1. 自由度が高い
フルリノベーションの魅力は何と言っても自由度が高いところでしょう。中古物件を扱うため、物件の選択肢も広がります。立地の良い物件に住める確率も高くなりますよ。
1-2. 間取りの変更が可能
フルリノベーションは建物の骨組みだけを残して解体するため、間取りを大きく変更できます。二世帯住宅にしたりワーキングスペースを増やしたりとそれぞれのニーズに合わせたリノベーションが可能です。
また、設備や配管も新しくできるため、新築同様の家づくりが楽しめるでしょう。
※ 参考記事: 「間取り変更リフォームを成功させるには?事例や注意点をご紹介!」
1-3. 固定資産税が安くなる
フルリノベーションは新築と比べ、固定資産税が安くなる傾向にあります。建物の価値は新築時が最も高く、築20年を超えると一気に下がるため、建物に課せられる税金も減少します。
リノベーションでは建物の築年数が変わらないため、ランニングコストを抑えられるのはメリットです。ただ、床面積を広げるリノベーションの場合は固定資産税が上がる可能性もあります。
1-4. 売却しやすい
一般的な住宅は築年数が経つにつれ、価値が下がっていきます。しかし、フルリノベーションされている場合は暮らしやすさに重点を置いているため、需要が高くなります。
立地や状態によりますが、売却時や賃貸で貸し出す際に好条件が付く場合もありますよ。
2. フルリノベーションのデメリット
続いて、フルリノベーションのデメリットを解説していきます。メリットばかり見ていると、工事後に予想外の出費があったり工事不備があったりと後悔をしてしまう可能性があります。
フルリノベーションを検討している方は以下のデメリットもしっかりと押さえておきましょう。
2-1. 費用が高い
フルリノベーションは住宅全体をリノベーションするため、部分的なリノベーションと比べると、費用が高額になります。予算と照らし合わせながら、工事内容を決めていきましょう。
予算を抑えたい場合は、工法やクオリティを見直してみることをおすすめします。
2-2. 工事に時間が掛かる
フルリノベーションはリフォームや部分的なリフォームと比べると、工事期間が長めに設定されています。フルリノベーションの一般的な工期は2ヶ月から半年程度だと言われています。
工事内容や業者によって多少変動するため、契約前に確認しましょう。工事をしている間は仮住まいを探す必要があるため、その手間や費用が掛かるのもフルリノベーションのデメリットです。
2-3. 補修工事が必要な場合がある
建物の状態によっては耐震性や耐久性などの補強が必要な場合もあります。補修工事がある場合、それに伴って工期が延びたり費用が嵩んだりします。予定外の出費に対応できるように対策しておくことが大切です。
2-4. 住宅ローンの金利が高い
フルリノベーションは住宅ローンが適用されません。そのため、ローンを組むには「リフォームローン」を利用します。リフォームローンは住宅ローンより金利が高い場合が多く、返済額も大きくなります。
ローンは住んでからも負担となるため、無理のない資金で工事を進めることが大切です。
3. フルリノベーションをする際のポイント
フルリノベーションを検討している方は以下のポイントを押さえておきましょう。ここでは、契約前に知っておきたいリノベーションのコツを5つご紹介していきます。
3-1. イメージは具体的に描く
フルリノベーションは住宅を自由に設計できるところが魅力です。そのため、どのような空間にしたいのか、どのように生活したいのかが明確でないと、最終的なイメージが崩れてしまいます。
自宅を快適な空間にするためにも、設計は業者任せにせず、自分の理想を具体的に思い描きましょう。譲れないポイントをいくつか絞っておくと、取捨選択しやすくなりますよ。
3-2. 余力のある資金繰りを
フルリノベーションは思っているよりお金が掛かります。予算オーバーでできないということがないようにローンの相場やリノベーション相場はある程度調べておきましょう。
余裕のある資金で見積もりすれば、最終的な金額に驚くことも少ないはずです。
3-3. 将来を見据えて設計する
リノベーションは将来を見据えて設計しましょう。ライフスタイルの変化や家族構成など住んでいると何らかの変化があります。
それらに対応できる住宅であれば、長く住めるため、結果的にランニングコストを抑えることが可能です。将来のリノベーションに備えて、今から生活を見直してみるのもおすすめですよ。
3-4. できることとできないことを把握する
リノベーションは自由度が高いと言ってもできることとできないことがあります。見積もり時に希望を伝え、できることとできないことを明確にしておいてくださいね。
3-5. 業者選びは慎重に
最後にフルリノベーションを依頼する業者選びは慎重に行いましょう。安易に業者を選んでしまうと、思わぬトラブルに繋がる可能性があります。
契約を強制してきたり、説明が雑だったりする場合は業者を選び直しましょう。見積もりは1社だけでなく、複数社行うことで工事相場も把握できます。
4. まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は戸建てでフルリノベーションのメリットやデメリットについて解説してきました。フルリノベーションは間取りを自由に変更できる他、売却に有利、税金が安いなどさまざまな利点がありますが、よく考えていないと費用が高くなってしまう可能性があります。
今回ご紹介した注意点をしっかりと頭に入れ、納得のいく住まいづくりをしましょう。