人生で最も大きい買い物と言われる不動産購入。一生住み続けるつもりで買っても、ライフスタイルの変化等で住み替えが必要になることもあるでしょう。
そのため、マンションを選ぶ際には、希望条件に加えて資産価値の観点から選ぶことも重要です。
今回は、マンションの資産価値にとは何か、価値が落ちづらい物件の要素、そして物件選びの際には何をチェックすればよいかについて詳しく解説していきます。
1. マンションの資産価値とは
マンションの資産価値とは、マンションの価値を具体的に示す金額評価のこと。
資産価値には、物件が売却可能な価格「売却価値」と、賃貸した場合の家賃収入「収益価値」の二つの側面がありますが、どちらか一方だけではなく、できればバランスよく二つの価値の高い物件が理想的な資産価値を持つ物件と言えます。
売却する場合は、価値が下がりづらく短期間で売れる物件。持ちながら賃貸に出す場合も短期間で借り手がつき、返済を上回る金額で貸し出せる物件が資産価値の高い物件と言えるでしょう。
昔は不動産の購入は一生に一度という考え方が主流でしたが、最近ではライフスタイルやライフステージの変化にあわせて住み替えを検討される方も増えており、物件の資産価値の重要性が高まっていると言えます。
※ 参考記事: 「マンション買い替えの基礎知識!事前に知っておきたい流れやポイント」
また、住宅ローン控除等の税制メリットや、売却や賃貸、相続対策といった現物資産としてのメリット、また資産形成の一つとしてマンション購入される方も増えていることもあり、今後ますますマンションの資産価値は注目されることになるでしょう。
※ 参考記事: 「コンパクトマンションの魅力とは?今注目される理由と購入時の注意点」
2. マンションの資産価値の特徴
マンションは戸建てと違って、住民全体で一つの建物を所有する共同住宅です。土地と建物を区分所有する形となるため、土地価格の高い好立地に建つ物件でも専有面積当たりの単価が抑えられ、割安に物件を手に入れることができます。
つまり、購入金額を抑えながら、賃貸に出す場合は高い家賃収益が期待できることになりますから、戸建てと比べてマンションは収益価値が高いと言えるでしょう。
しかし、建物の価値は築年数とともに低下するのが一般的です。そのため、価値を保つためには、日ごろの清掃やメンテナンス、定期的な修繕工事といった管理体制が重要となり、そのため、マンション選びの際には管理体制の見極めが非常に需要になるのです。
3. 資産価値を左右する要素と、物件選びのポイント
マンションの資産価値を左右するのはどんな要素なのか、また物件選びの際にチェックしておきたい点について詳しく見ていきましょう。
3-1. 人気のエリア
人気の高いエリアであれば、土地の値段が下がりづらいですから、築年の経過によって建物の価値が下がっても一定の価値を維持できると言えます。また、再開発が進められているエリアなどは、地価が上昇し購入時よりも売却時の価格が上がる可能性もあるかもしれません。
3-2. 交通利便性の良さ
エリアだけでなく、主要駅へのアクセス、駅からの距離といった交通利便性の高さも重要です。複数の路線が乗り入れている、主要駅まで乗り換えなしで行ける、急行停車駅や始発駅、といった好条件の駅は、人気が高いと言えます。
また、駅からの距離も重要です。一般的に徒歩10分以内の物件を希望する方が多く、より近ければ近いほど需要は高くなります。将来的に売却や賃貸に出すということを考えても、駅からの距離も非常に重要な要素であると言えます。
3-3. 周辺環境、施設
物件の周辺に、スーパーやコンビニエンスストア、学校や病院、公園といった施設が充実している、生活に便利な立地にあるということもポイントです。また、大型ショッピング施設やランドマーク的な観光スポットがある場合も資産価値が高くなる傾向にあるためチェックしておきましょう。
3-4. 安全性の高さ
様々な要素の中でも、やはり安全に暮らすことができるかどうかは非常に重要なポイントです。
犯罪が少なく治安が良い環境か、また地震や浸水、土砂崩れなどといった自然災害のリスクについても必ず確認しましょう。購入前には国土交通省や自治体のハザードマップを確認しておくことをおすすめします。
3-5. 物件の管理体制の良さ
先述したように、マンションの建物価値を保つには管理体制が非常に重要です。
中古マンションであれば、物件の管理状況を実際に確認して購入できることがメリットですから、日常的な清掃やメンテナンスの状況に加え、長期修繕計画がきちんとあるか、実際に計画通りに工事が実施されているか、適切な修繕積立金の設定がされているか、積立金がきちんと溜まっているかといった部分は必ず確認しましょう。
※ 参考記事: 「長期修繕計画とは?基本的な内容と必要性、購入時にチェックすべきポイント」
3-6. 日当たり、通風、眺望
日当たりや通風の良さといった要素は、一般的に住宅購入する際には皆さんが必ず確認する部分だと思います。物件の住み心地にかかわる部分となり、また購入後に変えることのできない要素ですから、事前の確認は非常に重要です。
住戸の向きは南向きの住戸や角住戸、採光面が多い物件も人気が高いです。また、お部屋からの眺望が良い物件も人気があり、資産性が高い傾向にあります。
4. 築年数と資産価値について
一般的に、築年数の経過とともにマンションの資産価値は低下します。しかし、完全に築年数に比例するわけではありません。
首都圏においては、築5年未満のマンションといった築浅の物件であれば価格もあまり目減りしないというのが実際のところです。築10年くらいから価格が下がっていきますが、築25年以降は価格が横ばいとなり、価格が下げ止まる傾向にあります。
安く買って高く売るという売却益を狙う場合、築年数の古い物件は気になると思いますが、建物の劣化も進行しますから、建物のメンテナンス状況や性能面はきちんとチェックしましょう。
また、都心部や人気エリアの場合は、築年が古くても価格が下がりづらい傾向もありますから、すべての物件において一概に傾向は同じではなく、立地や建物の状況含め、先ほどご紹介したチェックポイント要素を総合的にみて資産価値を判断する必要がありますね。
参考: 築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2022年)
5. まとめ
今回は、マンションの資産価値について詳しくみてきました。
資産価値の観点でのポイントを押さえるということも必要ですが、やはり自分が気に入った物件であることが最も重要だと思います。ぜひ、この記事を参考に理想の住まい探しを実現してください。