住宅ローンの無理のない返済比率って?年収にあった目安や借入時の注意点

住宅ローン・税制
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住まいの購入の際に多くの方が利用する住宅ローン。借り入れをする際に、毎月どのくらい返済するのが適正なのか目安がわからないという方も多いのではないでしょうか。

住宅ローンは長期で返済していくものになるため、無理なく支払うことのできる金額で設定することが重要です。
この記事では、収入に見合った住宅ローンの適正な返済比率について解説していきます。

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1. 住宅ローンの返済比率って何?

住宅ローンの「返済比率」とは何かというと、年収に対して年間の住宅ローン返済額がどのくらいの割合を占めるのかを示す数字です。返済比率は返済負担率と呼ばれることもあります。つまり、年収に対してどの程度住宅ローン返済の負担があるかということが分かる数字ということですね。

この数字は、住宅ローンを借り入れる際の目安として使われるもので、数字が低いほど余裕のある返済計画ということになります。

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2. 返済比率の算出方法

返済比率の算出方法は、「年間返済額÷年収」となります。ちなみに、この「年収」は額面(税金や保険料等が引かれる前)の年収金額で算出します。
例えば、年収500万円の方が月々9万円の返済をする場合の返済比率は、「108万円(年間の返済額)÷年収500万円」で算出し、返済比率は21%です。

この返済比率の算出の際に注意が必要なのは、返済額には住宅ローン以外の借入も加えて算出するということ。毎月の車のローンやクレジットカードの支払いなど、コンスタントに発生する金額を含めて計算します。住宅ローン以外の支払いも返済に影響するため、必ずトータルの返済金額で検討しましょう。

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3. 理想的な住宅ローン返済比率の目安とは?

では、住宅ローンを借り入れる際に目安とする、理想的な返済比率とはどのくらいなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

3-1. 金融機関の審査における返済比率

無理のない理想的な返済額を考える際に混同されがちなのが、金融機関が住宅ローン審査の際に重視する返済比率です。実は、金融機関側の返済比率の上限と、理想的な返済比率との間には差があるのです。

金融機関側の住宅ローン審査における返済比率の上限は30~35%と言われており、申請者が住宅ローンの審査が通るほどの信用力があるかということを判断するための指標として返済比率を見ています。

返済比率の上限は金融機関ごとに異なりますが、独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35では、「年収400万円未満は返済比率30%以下」「年収400万円以上は返済比率35%以下」と基準が定められています。

この数字で返済金額を算出してみると、年収500万円の方であれば、金融機関が許容する返済金額の上限は175万円、月々の返済額にすると約14.6万円になります。

こうして数字を見てみると、少し負担が大きい額に感じられるのではないでしょうか。
金融機関としてはできるだけ融資枠を広げたいところですから、いくらまでなら融資できるかをいう考え方で上限を設定しているということを理解しておきましょう。

3-2. 無理のない返済比率の目安は20%以内

では、無理のない返済比率はどのくらいなのかというと、一般的な目安として言われているのが20%以内の返済比率です。返済比率を算出する際の年収額は、額面の金額で算出しているということからも、低めに見ておく必要があります。

先ほど例に挙げた年収500万円の方の場合、20%の返済比率で借り入れした際の返済金額は100万円、月々の返済は約8.3万円となります。先ほど金融機関が許容する返済金額の上限と比べてみると差が大きいことが良くわかりますよね。

実際に借入された方の平均値(2020年度住宅金融支援機構フラット35利用者調査)が約21.7%(マンション購入者平均値)という数字となっていることからも、返済比率の一つの目安となる数字と言えます。

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4. 住宅ローンの借入金額を検討する際の注意点

目安となる返済比率について確認した上で、住宅ローンの借入金額を検討する際に注意しておきたいポイントを確認していきましょう。

4-1. 返済比率だけで考えず、ライフスタイルやプランを考慮

返済比率の数字は、あくまでも目安として参考にするものであり、どのご家庭にも合うというものではないということは理解しておきましょう。家族構成やライフスタイルによっても毎月の支出は異なりますし、住宅ローン以外の借入がある場合もあるでしょう。

また、将来的にどんな出費があるのか、働き方で収入がどう変わるのか、万が一の病気やけがで収入が減少する可能性など、長期的な目線のライフプランも考慮して返済計画を立てることが重要です。
返済比率だけで借入額を考えるのではなく、ご自身のご家庭に置き換え、無理のない返済金額を検討しましょう。

4-2. マンションの維持費も考慮する

不動産を購入すると、住宅ローン以外にも必ず掛かる維持費があります。固定資産税などの税金、保険料、マンションであれば毎月管理費と修繕積立金の支払いも発生します。こうした費用も考慮した上で、毎月いくらなら無理なく返済ができるかを検討しましょう。

購入前は住宅ローンの支払いばかりに目が行きがちですが、購入後の維持費についてもあらかじめ把握しておくことが重要です。

4-3. いくら借りられるかではなく、いくら返せるか

住宅ローンが返済できなくなる理由としても挙げられるのが、そもそも住宅ローンを借りすぎているというもの。金融機関の上限いっぱいまで借入して、多少高いと感じる物件も勢いで購入してしまう方も多くいらっしゃいます。

先述したように、金融機関で借りられる金額と無理なく返済できる金額は異なります。この点をしっかりと念頭に置いて、住宅ローンの借入金額を検討しましょう。

5.まとめ

今回は、住宅ローンの返済比率について、無理なく返済するための目安や、借入金額を決める際に注意しておきたい点を詳しく解説してきました。

住宅ローンは長期で組むものですから、購入時の一時的な状況や考えだけでなく、将来のライフプランも見据えた上でゆとりをもって返済金額を設定する必要があります。

ぜひ、皆さんの理想の住まいの購入にお役立てください。