マンションの間取りタイプの一つであるメゾネット。不動産広告等で見たことがあるけど、ちゃんとした意味はわからないという方が多いのではないでしょうか。
メゾネットは、マンションでありながら戸建て感覚で住むことのできる間取りタイプのこと。
この記事では、メゾネットタイプのマンションについて、特徴やメリット、デメリットまで詳しく解説します。
1. メゾネットタイプってどんなマンション?特徴とは
「メゾネット」は、フランス語で「小さな家」という意味。
一般的なマンションはワンフロアで構成されるフラットタイプであるのに対し、メゾネットタイプは一つの住戸を複層で構成することにより、マンションでありながら小さな一軒家のように住むことができる間取りタイプのことをいいます。
メゾネットタイプのマンションは、住戸内に階段があり二階層で構成されているものが一般的で、一棟のマンションの最上階のみをメゾネットタイプとする物件が多い傾向にあります。
また、メゾネットタイプのマンションは供給数が少ないため希少性が高く、階段部分が吹き抜けになっていて天井が高いといったおしゃれな物件が多くあることから、人気の高い間取りと言えます。
2. ロフトやテラスハウス、タウンハウスとはどう違う?
住戸内を複層として利用するタイプには、ロフトやテラスハウスなどがありますが、メゾネットタイプとはどのように違うのでしょうか。
賃貸マンションでよく見かけるロフト。このロフト部分は、居室部分の床面積の2分の1未満、高さ1.4メートル以下で作られる「小屋裏物置」として建築基準法で定義されます。
居室ではなく、小屋裏物置となるため床面積には含まれず、有効的に空間を利用することができるということで、賃貸マンションやアパートではよく導入されています。
テラスハウスは、テレビ番組の影響で言葉を耳にすることが多いと思いますが、こちらも戸建て感覚で使用できるタイプの間取りを指します。
メゾネットとの大きな違いは、長屋であるという点。
二階建て(もしくは三階建て)の家が壁を隔てて連なって数軒建っている構造を言います。マンション内のメゾネットとは異なり、エントランスなどを共有することはなく、各住戸に玄関が設置されているため、まさに戸建てのように住めるタイプになります。
ちなみに、テラスハウスに似た長屋タイプには「タウンハウス」というものもあります。
テラスハウスと同様に二階建て住戸との壁がつながって連なっている住宅ですが、テラスハウスは庭等の敷地を単独で使用するのに対し、タウンハウスは、敷地や設備を住民が共有で使用するなど、権利や管理形態が異なります。より戸建てに近いのがテラスハウスで、マンション依りなのがタウンハウスと言えますね。
3. メゾネットタイプのマンションのメリット
メゾネットタイプのマンションにはどんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
3-1. 居住エリアのゾーニングができる
メゾネットタイプはフロアが分かれているため、居住スペースのゾーン分けがしやすいことが最も大きなメリットです。
例えば、来客時に使用するエリアとプライベートエリアを分けることもできますし、ワークスペースと生活スペースとで分けることもできます。テレワークが増えている現状では、とても使い勝手の良い間取りと言えますね。
また、家族の生活リズムが違うという場合も、居住エリアをうまく分けることによって、それぞれの生活への影響が出にくいこともメリットです。
3-2. 階下への生活音が軽減される
小さなお子様がいらっしゃるご家族で悩まれるのが、足音などの生活音ではないでしょうか。メゾネットタイプであれば、上階をキッズルームにすることによって、走り回る足音も気にする必要はありません。ペットを飼っていて、音が気になるという方にもおすすめです。
3-3. 空間が明るく、開放的
メゾネットタイプのマンションでよく見られるのが、階段部分が吹き抜けになっているデザイン。天井の高さによって、マンションでは中々感じることのできない開放感が得られるというメリットがあります。デザイン的にもおしゃれな空間に見えますね。
また、2フロアそれぞれに窓があるため、お部屋の中も明るく感じられることもメリットです。
4. メゾネットタイプのマンションのデメリット、注意点
メゾネットタイプのデメリットや注意しておきたい点をご紹介します。
購入検討する際には必ずチェックしておきましょう。
4-1. 上下階の移動が不便
通常、マンションはワンフロアであるため、部屋間の移動も楽にできることがマンションで暮らす大きなメリットです。戸建てに比べるとよりバリアフリーと言えますね。
しかし、メゾネットタイプはフロアが分かれている構造であるため、必ず上下階の移動が発生します。
トイレやお風呂といった水回りもどちらかのフロアに設置されることになりますから、ご家族にお年寄りや小さなお子様がいらっしゃる場合は、階段の上り下りに十分に注意が必要です。
また、引っ越し時の家具の搬入も、フロアが分かれているため大変な場合があります。
大型家具や家電の搬入にフロアの移動がある場合は、引っ越し料金にも影響するため、業者にあらかじめ伝えておく必要があります。
4-2. 家事動線が長くなることも
上下階にフロアが分かれているため、水回りの位置によっては家事動線が長くなるといったデメリットがあります。
例えば、洗濯機とベランダが別フロアだった場合、階段を使って重い洗濯物を持って行き来する必要がありますね。
物件を購入する際には、実際に暮らすことをイメージし、家事動線も考慮して検討しましょう。
4-3. 階段がある分、居住スペースが狭く感じる
メゾネットタイプには必ず階段スペースがあるため、その分有効に使える床面積が狭くなるといったデメリットもあります。
階段の利用を考えると、その周辺の家具等の設置も限られますから、実際の面積よりも狭く感じてしまう傾向にあります。
4-4. 光熱費が高くなる傾向
メゾネットタイプのマンションは、ワンフロアのマンションに比べて光熱費が高くなる傾向があります。上下に空間が分かれていることによって冷暖房効率が悪くなることが原因としてあげられます。
また、冷気は下に溜まり、熱は上昇する特性があるため、夏は上の階が熱くなり、冬は下の階が寒くなるということも。こうした上下階の温度差に対する対策も必要になることを覚えておきましょう。
5. まとめ
今回は、メゾネットタイプのマンションの特徴からメリット・デメリットについてご紹介してきました。
テレワークが浸透してきたことにより家で働く方も増え、家での時間の過ごし方、空間の使い方も色々なニーズが生まれています。メゾネットタイプの良さである、空間のゾーニングのしやすさをメリットに感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ぜひ、この記事を参考にしていただき、希望のライフスタイルを叶えるための物件選びにお役立てください。