お部屋選びのときに、部屋の方角や間取りが気になる方、案外多いのではないでしょうか?昔から東西南北の方角は、家の運気に関わりがあるといわれています。間取りや方角について、「悪いと言われているものは避けたい」と思うのは当然のことです。とはいえ、日当たりの良さや利便性も毎日の生活に直結する重要な要素。
この記事ではお部屋選びの際に気を付けるべき間取りについて「最低限おさえておきたいポイント」をお伝えします。また、気になる東西南北の方角について、それぞれのメリット・デメリットもご紹介しますよ。これからお部屋選びをする方は参考にしてください。
1. 最低限知っておきたい!お部屋選びの間取りで気を付けたいこと
お部屋選びや家を購入するとき、間取りや方角を気にしない方は少ないのではないでしょうか。ただ、「具体的には何に気を付けるべき?」というのは案外あいまいなものです。ここからはお部屋の間取りについて、最低限知っておきたい「鬼門(きもん)と裏鬼門(うらきもん)」についてお伝えします。
1-1. 鬼門(きもん)・裏鬼門(うらきもん)とは?
「鬼門にトイレがあるとダメ」などと聞いたことがある方も多いでしょう。そもそも鬼門・裏鬼門とはどういった意味合いがあるのでしょうか?
「鬼門」とは?最低限気を付けなければならないこととは?
鬼門・裏鬼門とは方角のことで、具体的には「鬼門」は北東を、「裏鬼門」は南西のことをさします。日本では古くから、とくに「鬼門」を重要視してきました。「鬼門」は陰陽道(おんみょうどう)で「鬼の出入りする危険な所」と位置づけられ、「三備(さんび)、つまりトイレ・玄関・台所はさけるべき」といった風習がありました。これら「家相」の考え方は元々中国からやってきた文化ですが、長い歴史の中で日本人の生活や風習に合わせ独自の形へ発展し、現在に至ります。
なぜ北東方向が「鬼門」となったの?
なぜ北東方向が「鬼門」とされてきたのか?については諸説あるものの、理由の一つは「日当たりの悪さ」といわれています。北東は日当たりが悪いため、どうしてもジメジメと湿気が溜まりやすく、さらに冬は寒くなりがち。だから昔の人たちは「鬼門(北東方向)に三備を設けず」としてきました。その風習から、現代でも「鬼門にトイレがあるとダメ」「玄関・台所はさけるべき」といわれるのです。
「裏鬼門」とは?何に気を付ければ良い?
「裏鬼門」とは「鬼門」の反対の方角、つまり南西のことです。現代でも残る風習として「裏鬼門には台所やお風呂をさけるべき」といったものがあります。つまり「裏鬼門」に「水回り」を設置しないということです。一方、子ども部屋や寝室であれば問題ないといわれます。
参照: 東京都神社庁 神社Q&A 俗信
1-2. 「鬼門・裏鬼門」の考えは絶対に守るべき?
ここで疑問に思うのが「鬼門にトイレは絶対にダメ?」ということですよね。どうしても気になるのであれば、やはりさけた方が無難でしょう。なぜなら、先人の知恵や風習から伝わる家相の考え方には、気候などによる科学的根拠もあるとされているからです。
ただし、現代のライフスタイルや建築方法、衛生環境を踏まえ、ある程度柔軟に考えることも必要です。家相の教えを参考にしつつ、日当たりなど「自分たちの生活に合ったお部屋選び」を優先するのがポイントですよ。
2. やっぱり南向きがベスト?「東西南北の方角」それぞれのメリット・デメリットについて
ここからは「東西南北」それぞれの方角について、メリット・デメリットをお伝えしていきます。生活の質を重視するなら部屋の方角、とりわけ日当たりは大切な要素です。
一番人気の方角はやはり「南向き」でしょう。ただしすべての方に南向きが最適とは限りません。それぞれのメリット・デメリットを知り、ご自身のライフスタイルにあった方角を見つけてくださいね。
2-1. 南向きのメリット・デメリットとは~日当たりは良いけどデメリットも?夏の暑さに注意~
やっぱり一番人気はベランダが「南向き」のお部屋でしょう。日当たりの良さは抜群。日中のほとんどの時間を明るい室内で過ごせますから、気持ちも明るくなるでしょう。日差しのおかげで冬も部屋が暖かいなど、うれしいことが多いですよ。洗濯物も乾きやすいメリットがあり、南向きは圧倒的な人気です。日中の在宅時間が長い方にはとくにおすすめですよ。
ただし、デメリットとして「夏の暑さ」があります。南向きの場合、夏はカーテンなどで日差しの量を調節しないと、室内が暑くなりやすく、結果的に「夜寝苦しい」と感じることも。窓が複数あり、風通りが良い部屋であれば別ですが、窓が少ない場合、夏の暑さには覚悟が必要かもしれません。
2-2. 東向きのメリット・デメリットとは~朝型の方におすすめの理由~
東向きも人気があります。理由は朝日が昇る方角だからです。朝スッキリと目覚めたい方にとって、朝日とともに目覚めることは気持ちがよく、一日を元気にスタートできるメリットがあります。午前中いっぱいは日当たりが良いため、洗濯物は朝から午前中が適しています。夏の暑さも南向きほどではなく、比較的過ごしやすいでしょう。
一方、東向きのデメリットは、午後になるとあまり日が当たらなくなることです。「朝は遅めのスタート」という方にとって、午後の時間帯に日が入りにくいのは残念ですよね。また、朝ゆっくり寝ていたい方にとって、「朝日がまぶしくて早朝に目が覚めてしまう…」といったことも考えられます。
東向きの方角は「朝日で目覚めたい方」「朝型のライフスタイルの方」におすすめですよ。
2-3. 西向きのメリット・デメリットとは~朝はゆっくりスタートの方におすすめ~
西向きの方角は「午後に日が入る」特徴があります。午後から夕方にかけて日が当たりますので、とくに冬の午後は室内が暖かく過ごしやすいメリットがあります。「冬の寒さが苦手で…」という方におすすめですよ。日中はお仕事などであまりお部屋にいない方や、「朝はゆっくり派」の方にも向いています。
一方、デメリットは「午前中にはほとんど日が当たらない」こと。さらに夏は西日が入るため、かなり室内の温度が上がることです。朝の日当たりは期待できませんので、「朝日でスッキリ目覚めたい!」という方にも向かないでしょう。夏の午後、とくに夕方にかけては西日の影響で室内の温度が上がりやすく、結果、夜も室温が下がらず「熱帯夜」になりがち。西向きは、朝はゆっくりスタートしたい方や、冬暖かいお部屋で過ごしたい方におすすめの方角ですよ。
2-4. 北向きのメリット・デメリットとは~日が当たらないけど実は隠れたメリットも~
北向きのデメリットは日当たりの悪さ。「日当たりの悪い部屋は絶対に嫌!」という方には向きません。また日当たりが悪いことで、湿気が溜まりやい特徴も。とくに水回りのお掃除はこまめにやらないとカビが生える原因にもなります。とりわけ冬は寒くなるため、そもそも寒いのが苦手、という方にはおすすめしません。
ただし、日当たりの悪さも、お仕事などで日中ほとんど家にいない方の場合は、あまり気にならないようです。また、冬に室内が冷え込んでも、寒さに強い方ならそれほどデメリットとは感じないでしょう。さらに夏は涼しく、過ごしやすいメリットがあります。結果、エアコン代などの光熱費が安く抑えられる利点もありますよ。暑いのが苦手という方には北向きもおすすめですよ。
以上、東西南北の方角について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。お部屋選びの参考になさってください。
3. (まとめ)それぞれのライフスタイルに合った間取りや方角を選ぶのが吉!
今回はお部屋の間取りについて「最低限おさえておきたいポイント」と、東西南北の方角についてそれぞれの特徴をご紹介しました。間取りや方角では、初めて知った情報もあったかもしれません。とくに間取りについて、とらえ方は人それぞれ違いが出るところです。
昔からある知恵を参考にしつつ、みなさんの納得できる住まい選びができればベストといえますね。ライフスタイルに合った間取りや方角であれば快適に生活できるでしょう。この記事が少しでも参考になればうれしいです。